七十二候『蟷螂生(かまきりしょうず)』。夫さえ食べてしまう「ぶれない」生き方が眩しい (1/2) 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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七十二候『蟷螂生(かまきりしょうず)』。夫さえ食べてしまう「ぶれない」生き方が眩しい

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指揮者のようですが、威嚇してます

指揮者のようですが、威嚇してます

ナットウのようですが、孵化してます

ナットウのようですが、孵化してます

幽体離脱のようですが、交尾してます

幽体離脱のようですが、交尾してます

カマキリに遭遇したことがありますか。草もないマンションの廊下でさえも、真ん中にすっくと仁王立ちして威嚇してくる孤高の昆虫・・・。6月6日〜10日頃は七十二候の『蟷螂生』、わらわらと孵化したカマキリが姿を見せる季節です。強烈な肉食で小さな生きものたちを震撼させますが、人間にとっては害虫を食べてくれる農益虫。その生き方はとてもシンプル、全てはひとつの目的のためなのです! 「ぶれない」一生を追ってみました。

「頭からむしゃむしゃと」いただく、その理由とは?

枝についた茶色いタマゴを持ち帰ってみたら、200匹もの子カマキリが部屋じゅうにわらわらと!そんな経験をおもちの方はいらっしゃいませんか。
カマキリは、スポンジ状の卵嚢(卵鞘)で越冬し、5月〜6月に一斉に孵化します。おしりから糸を引いて、足がひっかからないよう全身うすい膜をかぶってくねくね下りてくる姿はナットウ状のメダカ・・・のようですが、ピリッと膜を脱ぐと、あのカマキリ型に! 体が固まるのを待って、よちよち歩き出します。うっかり足を滑らせれば下で待つトカゲやらアリやらクモやらにパクッと食べられ、信じられないことに兄弟たちも容赦なくカマで襲いかかってきます。弱肉強食以外のモノサシなし! それがカマキリの掟なのです。
生まれた目的はただひとつ、「強い卵を残す」こと。
動くエサしか食べないカマキリは、自分が生きることと他者の命を奪うことが直結しています。大人になるまで7〜8回脱皮しますが、それに合わせて獲物もサイズアップ、自分たちを狙ってきたトカゲやカエルさえ食べてリベンジです。けれど大きな敵はいつもいて、共食いもさかんなため、兄弟の多くは大人になれません。
最後の脱皮では美しい羽が伸び、もう飛ぶこともできます。すべすべでスラリとした肢体は、とてもスタイリッシュ。同じ親から生まれても、周囲の色や温度によって体が緑色になったり茶色になったりするそうです。日本には、オオカマキリなど10種類くらいのカマキリが暮らしています。
食料(獲物)が豊富な夏は、とにかく「むしゃむしゃ」「もりもり」「がつがつ」(←カマキリの食事風景は必ずこんな形容)。ことにメスの食欲はすさまじく、見かけは細い体と小さい口で小食そうなのに、チョウやバッタなら羽だけ残して立て続けにがんがん完食。しかも驚くべき消化力・・・まさに昆虫界の「大食いクイーン」なのです!
狙った獲物との距離を測り、カマを閉じたまま辛抱強く食事を待つカマキリ。その姿がまるで祈っているようだと、外国では『祈り虫』、日本でも『おがみむし』などと呼ばれています。食前のお祈りなのでしょうか。手が届く距離になったその瞬間、バッ!とカマを繰り出し、ガッチリつかむとすぐさま頭から食べ始めます。足を動かす神経節が集まっている首を最初にかじって、ドカッと蹴られる心配をなくしてからゆっくりいただくのですね。モモの部分を最後にとっておいたりして本当に美味しそうに食べます。
食後は、口を使って丁寧に汚れたカマを掃除します。獲物の体液が付いたままではカビや細菌が繁殖し、だいじな武器(と自分)の寿命にかかわりますから・・・刺客が刀の手入れをするのと似ていますね。

威嚇する!たとえ相手が車でも

自分と同じくらいか大きい相手に出くわしたとき、カマキリはクジャクのように羽を広げ、両カマを高くもち上げて威嚇します。さらに、ボクサーのように脇を締めてシュッシュッ!と(腹と羽をこすり合わせて)音までたてるのです。


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