いよいよ各地で梅雨入りの声を聞くようになりました。このの季節はオウチでゆっくり過ごす時間が多くなりそう。そんな時は「雨っていいなぁ」と思える映画を見てジメジメ気分をスッキリ気分に切り替えましょう。
映画好きの方なら「雨」と聞いただけで、様々な映画が思い浮かぶのでは。タイトルだけでも「雨に唄えば」「シェルブールの雨傘」「雨あがる」…雨と映画はとっても関係が深そうです。

雨の日は、映画で気分を晴れやかに
雨の日は、映画で気分を晴れやかに

撮影テクニックとしての雨。雨は重要な小道具⁉︎

アクション映画等での夜のカーチェイスシーン…路面が大抵濡れてるな、と思った事のある方はいませんか?でしたらあなたはかなりの映画通です。
しかも雨は降ってないのに路面だけは濡れているという雨上がりがほとんど。そんなに都合よくどの映画も夜撮影する時は雨上がりなのでしょうか。まさか、そんな訳ないですよね。
当然、撮影前に広範囲にわたって水を撒き、雨上がりを演出するそうです。
雨に濡れた路面は、ヘッドライトや街のネオンに照らされキラキラと反射し、ドラマチックになるのですね。滑るタイヤが放つ水飛沫で車の轍もクッキリと浮かび上がります。
これは、どの監督だから、ということではなく定番の撮影テクニックの一つだそうです。

じっくり観たい…雨のシーンにこだわる監督たち

雨のシーンと言えば、黒澤明、リドリー・スコットが真っ先に浮かぶ方も多いのでは。
「七人の侍」の有名な雨の合戦シーン。より雨を強調する為に墨汁を混ぜた雨を降らせたそう。当時、大人気を博していた西部劇は乾いた晴天の荒野での合戦ばかり。映画ファンや映画関係者達には雨の対決が新鮮だったそうです。
「ブレードランナー」の未来都市ではいつも雨が降っていたような…未来の人々が現代の私たちに酸性雨・地球温暖化を警告しているかのように。
二人の監督達は、視界を遮り観客の想像力をかき立て、画面に奥行きを持たせる為に雨を効果的に使っていたのではないでしょうか。登場人物の胸中を雨で表したり、これから展開するストーリーを予感させたり。時には不安や恐怖も感じますが、だからこそ映画のストーリーの中に入っていけますね。
この2本の映画に限ってはスッキリ晴れやか気分にはなれないかもしれませんが、雨の日だからこそじっくり腰を据えて映画の中に入っていけそうですね。

「雨っていいなぁ〜」ハッピー気分にしてくれる雨の名場面

まずは、なんと言っても「雨に唄えば」。名曲にのって楽しそうに歌い踊るジーン・ケリーを見ているだけで、お気に入りの傘をさしてお出掛けしたくなりますね。
「シェルブールの雨傘」は悲しいストーリーですが、雨粒が可憐なカトリーヌ・ドヌーヴをより輝かせ、美しいドヌーヴを見ているだけでハッピーな気分にしてくれました。
「ティファニーで朝食を」のラストシーンは雨が主人公ホリーの閉ざした心を温かく溶かして流し、人を愛する心をもたらしてくれました。
「ショーシャンクの空に」で主人公が脱獄に成功し下水管から外の世界に飛び出した時に降っていた土砂降りの雨は、彼の身に降りかかった理不尽な濡れ衣と辛い獄中生活をキレイサッパリ洗い流してくれたように見えました。
雨のシーン、解釈の仕方は人それぞれですが、あなたはどんな風に感じますか?
晴天より雨のシーンが印象に残るのは何故でしょうか。こんな風に私達に様々なイメージを抱かせてくれるからでしょうか。
雨と聞くだけで気が滅入る事もありますが、雨の日だからこそ見える景色、恵みの雨ですもの、心を豊かにしてくれる日として楽しめる大人を目指したいですね。