4月、今年二番目の流星群「こと座流星群」がやってきます。極大は22日の深夜から明け方。観測期間は15日~25日の間、その間19日に新月を迎えますので月明かりが少なく朧(おぼろ)な空に流星を観ることができそうです。流星群を中心に、春の星空の楽しみをご紹介いたします。

こと座流星群の特徴と観測の目安は…

春の夜空は「朧(おぼろ)」と言うように、ベールをかぶせたような柔らかな闇です。そのためか、この時期の流星群の観測は数が少ない(一時間当たり5~10個)ことが特徴となります。とはいえ、ときおり突発的に流星数が増加するのも、こと座流星群の特徴の一つです。国内では1945年に1時間あたり約90個の記録があり、海外では1922年、1946年、1982年などに流星数の増加が観測されています。*1
冒頭にも記したように、今年は新月の前後に観測ができ、極大の22日は新月(19日)の3日後ですので、もしかしたら…と期待がふくらみますね。
こと座にある放射点が空高く昇る4月22日午後11時頃から翌朝までがおすすめの観察時間帯*2です。週の半ばではありますが、眠りにつく前に空を見上げる、または早起きして空を眺めるのも一興(いっきょう)ですね。
*1、*2…国立天文台HP 主な流星群より引用

その他の「春の星」の楽しみ…

4月の夜空の楽しみは他にもあります。流星群としては、こと座流星群と入れ替わりに25日~5月の中旬まで「みずがめ座η(イータ)流星群」が観測できます。極大は連休後半となり、観測できる数も少ない地味な流星群ではありますが、日本では空が白み始める前、午前二時~三時くらいの約一時間の限定で現れる流星です。
また、流星群だけではなく、4月の夜空にはいろいろな出来事が現れます。上旬に皆既月食があったことは記憶に新しいと思いますが、20日過ぎから楽しみなのが、宵の明星(よいのみょうじょう)・金星です。
西の空に太陽が沈んだあとの青から藍、黒へと進む空に現れます。特に、21日・22日は金星と月が寄り添うように低い西の空に煌めき(きらめき)ますのでぜひ、仕事帰りや買い物帰りに眺めてみてください。
*観測情報は国立天文台HP参照

北の空に「北斗七星(ほくとしちせい)」、南の空には…

さらに、春の星空で欠かせないのは「北斗七星(ほくとしちせい)」と「うみへび座」です。
北斗七星は北の空に、うみへび座は南の空に眺めることができます。特に、うみへび座は88ある星座の中でも、最大の面積を誇る中、頭の先からしっぽまですべてが現れるまでに約7時間も要する細長い星座です。他の季節には星座の一部が地面に沈んでいることがあるため、全体を眺めるには春が最も良い季節となると言われています*。
冬の澄み切った空とは違う、春の星は、水分を含んだ夜空の潤いを受けて、しきりに瞬く(またたく)と言われ、「春星(しゅんせい)」とも呼ばれています。
ぜひ、宵と闇、そして明けきらぬ空に…「春星(しゅんせい)」を探してみませんか。
*星の王子様ダイアリー2015 より抜粋
季語 「春星(しゅんせい)」は春の星の異称