寒い冬にお世話になったブーツや革靴を、皆さんはどのようにお手入れしていますか?
ファッションは足元から」というように、磨かれた靴を履いている人は、それだけでお洒落に見えるもの。
何より、丁寧にケアしながら履くことで、靴をより長持ちさせることができます。
そこで、いつも履く革靴から、冬の間お世話になったブーツやムートンまで、心がけたいお手入れ方法と保管方法をご紹介。
次のシーズンもよいコンディションで履くために——。
靴をおろす前のひと手間と、毎日のお手入れを習慣にしていきましょう。

丁寧にケアしてあげれば、靴をより長持ちさせることができます
丁寧にケアしてあげれば、靴をより長持ちさせることができます

買ったらスグに防水スプレー。ブラッシングは忘れずに

新品のおろしたて靴は、履いていてとても気持ちがいいものです。お気に入りの靴を手に入れたなら、なおさら長くキレイな状態を維持したいですよね。
大事な靴のために最低限したいのが、
・ 新品の靴を持ち帰ったらスグ、防水スプレーをしておくこと。
・ 履いた日は必ず、ブラッシングすること。
・ 一日履いた靴は休ませる。
・ の3点です。
防水スプレーは、水をはじくだけでなく汚れや傷を付きにくくしてくれます。1カ月に一度はスプレーしておきましょう。
またブラッシングするだけで、汚れはかなり落ちます。時間が経つと、汚れがこびりついて落ちにくくなるので、毎日のケアを心がけたいですね。
理想は、シューキーパーを装着することです。履きジワが取れることでシワ間の汚れが取れやすくなり、形崩れを防ぐこともできます。
外歩きで付着する汚れだけでなく、汗も劣化の要因の一つ。人は足の裏から毎日コップ一杯分の汗をかくと言われています。一日の終わりに汚れをとって次の日は靴を休ませてあげることで、経年劣化をぐっと抑えることができます。

革靴、スエード、ムートン……、素材別のお手入れ方法

靴のお手入れ方法は、基本的には靴に付いた汚れを取り、油分と水分で潤いを与えること。人間の顔のお手入れと基本的には同じと言えます。
では、素材別お手入れ方法を紹介しましょう。
●革靴
1. シューキーパーを装着し、毛の柔らかいブラシ(馬毛がおすすめ)で、表面に付いているホコリや汚れを丁寧に落としていきます。
2. クリーナーを柔らかい布に付けて、優しく撫でるように汚れと古い靴クリームを拭き取ります。
3. 片足につき小豆程度の量の靴クリームを柔らかい布に付けて、靴全体に塗り込んでいきます。この靴クリームが油分と水分を与える役目になります。
4. ブラシで靴クリームを馴染ませてから、クロスで余分なクリームを拭き取り、磨いて光沢を出します。
5. 防水効果を高めるときには、最後に防水スプレーをします。靴から30cmほど離して、全体に1、2秒ほど吹きかけます。乾いたらこれを2、3回繰り返します。
● スエード
1. ゴムブラシでブラッシングして表面の汚れやホコリを取りながら、全体の毛並みを整えていきます。
2. 栄養剤を含む防水スプレーを全体にかけます。スエードの場合、これが靴クリーム代わりになるので、1本用意しておきたいですね。
☆汚れがひどいときは、ワイヤーブラシでホコリを掻き出すようにブラッシングします。
☆色が落ちてきたら、靴と同系色でやや薄い色の補足剤を、色あせている部分を中心にまんべんなく塗っていきます。リキッドタイプが使いやすいのでおすすめです。
※ただし薄い色を使っても、現状より色が濃くなる可能性があります。
● ムートンブーツ
1. 発砲タイプの柔らかいブラシで表面をブラッシングして汚れを取ります。
2. 栄養剤を含む防水スプレーを全体にかけていきます。
3. ムートンの靴の中は温かく湿気の多いので、除菌消臭スプレーを。また靴用の除湿・乾燥剤を入れることで、カビの発生を抑えることができます。
☆ 汚れがひどいときにはスエードクリーナーを使い、クロスで優しく汚れを拭き取っていきます。色が褪せてしまった場合は、靴と同系色でやや薄い色の補足剤を、色あせている部分を中心にまんべんなく塗っていきます。
※スエードクリーナーや補足剤は、現状より色が濃くなる可能性が高いので注意して使いましょう。

ブーツなど長期の保管方法は?

長期保存の場合、一番気をつけたいのがカビの発生です。そのために靴をキレイな状態にしてから靴の中に乾燥剤を入れて、湿気がなく風通しのいい、光の当たらない場所に保管します。靴内に消臭スプレーも合わせてしておくとよいでしょう。
ブーツの場合は、ブーツキーパーを装着し、乾燥剤を入れます。ムートンブーツなど柔らかい素材で、シューキーパーのバネが強くて型くずれしそうなときは、厚紙をまるめたものを代用して保管しましょう。できれば箱ではなく、不織布袋に収納しておくとよいでしょう。
靴は消耗品ではあるけれど、きちんとお手入れすることで、何年も愛用することができます。毎日履くものだからこそ、丁寧に扱ってあげると、次のシーズンもそのまた次のシーズンも、気持ちよく履くことができるので、ぜひ、ひと手間をかけてみてはいかがでしょう。