「加賀友禅(かがゆうぜん)」…金沢で「和の美」を堪能する 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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「加賀友禅(かがゆうぜん)」…金沢で「和の美」を堪能する

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「友禅」というと京都を思い浮かべがちですが、加賀友禅も忘れてはなりません。友禅という呼び名は、扇絵師・宮崎友禅斎(みやざきゆうぜんさい)に由来します。友禅斎と加賀友禅の関係とは? 金沢が持つ独特の美意識と共にご紹介します。

友禅(ゆうぜん)とは何か?

きものはめったに着ないし、友禅と言われても…とおっしゃる方も多いかと思います。ですが、友禅という種類のきもの発祥にまつわるお話は、きものを着ない方にも興味深いものがあるのではないでしょうか。なぜなら、謎めいている不思議なものだからです。
宮崎友禅斎(みやざきゆうぜんさい)は、一説では能登出身と言われています。しかし、本当のところ生没はあいまいです。江戸時代の京都・知恩院あたりに住い、僧の姿をして「扇絵師(おうぎえし)」という仕事をしていたことは確かです。と言うのも、1682年(天保二年)に、井原西鶴の「好色一代男(こうしょくいちだいおとこ)」に人気絵師として登場し、それが話題を呼び「友禅の扇を持たずして…」と都の伊達男(だておとこ)たちがこぞって、友禅の扇を買い求めたという逸話があります。その後、友禅の図案により染色された着物を「友禅染(ゆうぜんぞめ)」と呼ぶようになったのが始まり…という、「京都発祥説」。
そしてもう一つ、加賀藩の「梅染(うめぞめ)」または「御国染(おくにぞめ)」と呼ばれる、梅の皮や柿渋を楊枝糊(ようじのり)を使って染める技法が友禅染の源流では…という「加賀発祥説」もあり、今でもどちらとも言えないようです。
どちらにしても、染めの発達は江戸時代の庶民は金銀をふんだんに使う衣装をまとってはいけない、というおふれによるもので、それぞれいかに美しいきものを着るか、知恵を絞って生まれたものです。

加賀五彩(かがごさい)と加賀友禅の特徴

では、京友禅と加賀友禅は何か違いがあるのでしょうか? もちろん、あります。
宮廷を模した「御所解(ごしょどき)」や「茶屋辻(ちゃやつじ)」などの文様を鮮やかな色合いで華やかに描いた京友禅に対し、加賀友禅は地方都市ならではの、おっとりと落ち着いた色合いと草花などの自然風景が描かれていました。図案的な京都、絵画的な加賀、とも評されています。
加賀には、臙脂(えんじ)・藍(あい)・黄土(おうど)・緑(みどり)・紫(むらさき)の「加賀五彩」という色彩が古くからありました。文字にしますと、なんだか地味な印象ですが、その上に白や淡い色合いで草花を描くととても優美な印象になります。色のぼかし方にも特徴があり「先ぼかし」と言って、中心を濃く先になるほどぼかすのが特徴です。さらに、加賀友禅は染以外の技法を使わないというのが大きな特徴です。京友禅に見られる、刺繍などの技法を一切使わず、染のみで繰り広げられるため、「絵画的」と言われているのでしょう。

現代の加賀友禅の楽しみ方いろいろ

このような友禅技法は「手描き」によるもので、明治以降、友禅は「型染め(かたぞめ)」と呼ばれる染め方が主流になり、型染小紋と呼ばれる「加賀小紋」が生まれました。加賀小紋は、友禅同様草花を描いた優美な色柄が多く、武士の裃(かみしも)が原型である小紋にしては珍しいのではないでしょうか。加賀百万石の美意識は脈々と継承されている…そう感じます。
その後、京都で小紋以外も型染めが主流となり、金沢においても、振袖や訪問着など、型染めで作られることが多くなりました。
そして今では、友禅の小物なども作られるようになりました。また、金沢の中心地からほど近い「加賀友禅伝統産業会館」(リンク参照)では、友禅を着て記念写真、友禅を着て散策。自分だけの友禅ハンカチづくりなどの体験が可能です。
お友達やご家族と、金沢に旅をして、楽しんでみてはいかがでしょうか?
金沢では友禅を現代に進化させたアートを壁に描いた「金沢21世紀美術館」や「加賀てまり 毬屋」の友禅柄のゆびぬきなど、着物以外でも友禅を楽しむことができます。
今年は3月14日に北陸新幹線が開通しますので、一気に金沢が近くなります。ぜひ、花や緑の美しい城下町で、和の美を堪能してみませんか?


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