バレンタインデーからおよそ1カ月。2月14日にチョコレートをもらった男性は、ホワイトデーに何をお返ししようか……と頭をひねっているのではないでしょうか。
実はこのホワイトデー、日本発祥の行事であり、「いただきものにはお返しをする」といった日本ならではの文化が、ホワイトデーを生んだといわれています。ホワイトデーは少しずつかたちを変えて、中国・台湾・韓国と東アジア諸国へ広がりを見せていきました。各国のホワイトデー事情に迫ります。

東アジア諸国で定着した「ホワイトデー」は、日本が発祥の行事!
東アジア諸国で定着した「ホワイトデー」は、日本が発祥の行事!

“マシュマロデー”から“ホワイトデー”へ

ホワイトデーは日本が発祥の行事といわれています。起源は諸説ありますが、そのひとつとして知られるのが、福岡の老舗和菓子屋「石村萬盛堂」のエピソードです。
1977年、同社社長の石村僐悟氏が「男性からバレンタインデーのお返しがないのは不公平。ハンカチやキャンディー、せめてマシュマロでも……」と考え、3月14日向け商品に「チョコマシュマロ」を発案・発売。これをきっかけに当初は、 “マシュマロデー”と3月14日は呼ばれていたそうです。
以降、7~8年ほどは“マシュマロデー”という名称が続いていましたが、ある百貨店から「バレンタインのお返しをマシュマロだけでなく、もっと広く考えることができないだろうか」という申し出があり、マシュマロの「白」から“ホワイトデー”という名称に変更になった、とされています。

中国の男性は日本の男性以上に大変! 中国・台湾のホワイトデー事情

日本の影響を受けてか、中国でも「白色情人節」という名の「ホワイトデー」が広まっていきます。漢字で表記すると少し重々しい雰囲気に感じますが、「情人」は日本語で「恋人」の意味を表します。
そして、中国の男性は日本の男性以上に大変なことが判明! バレンタインデーは西洋式、ホワイトデーは日本式ですが、バレンタインデー、ホワイトデーを問わず、中国ではいずれにしても男性が女性にプレゼントを贈るスタイルが一般的だそうです。
台湾も、男性の積極性を求める風潮が根強いお国柄ゆえ、中国と同様、バレンタインデー、ホワイトデーは、男性にとってプレッシャーがかかるイベントとなっているようです。

「○○デー」が大好きな韓国では、4月14日“ブラックデー”も!

隣国の韓国にもホワイトデーは伝わっていますが、実、韓国の人々は“○○デー”という行事が大好き。そのため、ホワイトデーのプレゼントも、他国に比べてとっても派手なんです!
韓国のホワイトデーは日本と同じく、バレンタインのお返しとして男性から女性にプレゼントしますが、このプレゼントがなんともボリュームたっぷり。バスケットいっぱいにお菓子や贈り物がたっぷり詰められ、華やかにラッピングされたものが韓国のホワイトデー名物となっています。
ちなみに、韓国には男女にまつわる“○○デー”という記念日が毎月のようにやってきます。
中でも興味深いのが、4月14日の“ブラックデー”です。
これは、バレンタインデーとホワイトデーに何ももらえなかった男女が黒い服を着て集まり、「チャジャンミョン」という黒い麺を食べるという何ともシュールな行事……。ところが、あきらめることなかれ、このブラックデーの中から、カップルが誕生することもあるそう!

男性のみなさん、ホワイトデーの準備は万端ですか?

「お返しの文化」からスタートしたとされる日本式ホワイトデーですが、背景には女性の「何かアプローチは……?」という男性への積極性を求める気持ちや、お菓子業界の巧みな戦略が絡み合い、こんにちのホワイトデーとなったようです。
その点、草食系男子が増えた日本とは異なり、男性が積極的に振る舞える欧米諸国では、あえてホワイトデーなど設ける必要がないのかもしれませんね。
意中の女性になかなか思いを告げられない男性は、ホワイトデーという一大イベントに乗じて、大切な方に、心を込めたプレゼントを贈ってみてはいかがでしょう。