金子みすず「星とたんぽぽ」から~春の花・たんぽぽを愛でる 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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金子みすず「星とたんぽぽ」から~春の花・たんぽぽを愛でる

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3月10日は「星とたんぽぽ」の作者・金子みすず(大正~昭和の童謡詩人)の忌日です。
草萌(くさもえ)という季語があるように、たんぽぽなどの草花が色鮮やかに土を彩ります。桜前線を待つ間、小さな花を愛でてみませんか?

地に咲き、風に吹かれる花は詩になり…

金子みすゞさんの忌日に寄せて、春の野を彩る花・たんぽぽを取り上げました。地味な花なので、あまり主役にはなれません。が、その色や形、綿毛が風に吹かれる風情は愛しいものですね。小さい頃に、野原で摘んで遊んだ覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな花を、金子みすゞさんは詩・「星とたんぽぽ」で次のように綴られています。
『…春のくるまでかくれてる、つよいその根は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。』*1
見えぬけれどある…土の中に眠るたんぽぽを表わした言葉ですが、これはすべての人の日常とも重なりますね。省略した前半では「昼の星」を同じように見えぬけれどもある、と表現されています。
また、英名『ダンデライオン』のタイトルで、松任谷由美さんも、ささやかで強い優しさに溢れる楽曲*2 を作られ、根強い人気を得ています。たんぽぽと言う花は、地味だけれど詩人の心に問いかける何かを持っているようです。
春になると、場所を問わず姿を見せてくれて、気が付くと綿毛になって風に吹かれ、その綿毛が種を運び、辿りついた先が次に咲く場所になる…人生(花生?)を感じます。
*1 『金子みすゞ全集』(JULA出版局) 参考サイト参照
*2 ダンデライオン~遅咲きのタンポポ 「日本の恋とユーミンと」収録

花言葉と色彩の不思議なつながり

野に咲く花というのは多色のものはあまり見かけません。たんぽぽも黄色一色…と思いきや、まれに白やオレンジもあり、日本では四国・九州で白いたんぽぽを見ることができます。出会ってみたいですね! 春の緑に色鮮やかに映えますので、歩道の脇でも、階段の割れ目でも、すぐに目に入ります。そんなたんぽぽの花言葉は、『真実の愛』、『神のお告げ』などがあります。色彩のイメージからも『王や神の権威/知恵、荘厳/壮麗などを象徴する色』であり、仏教建築などにも多用されている…花言葉ともつながりますね。太陽を象徴する色でもある「黄色」…春の光と共に咲き始めるたんぽぽは、『真実の愛』を携えて誰のそばにも、今年も来年も咲き続けます。
三月は歳時記では「仲春(ちゅうしゅん)」と言い、春半ばを指します。空には雲がたなびき、陽射しはきらめく季節です。地に花を、空に星を…見えない時も感じる心を持ちたいですね。
たんぽぽで一句
【ほらここに蒲公英光る昼日向(ほらここにたんぽぽひかるひるひなた)】 柊花

《参考文献・サイト》
俳句歳時記 角川学芸出版
金子みすゞ記念館HP
色彩とイメージの情報サイト


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