2015年、3月6日は二十四節気の啓蟄(けいちつ)です。今年の啓蟄は、満月と巳(み)の日が重なります。
七十二候は、初候「蟄虫啓戸(ちっちゅうこらひらく)」、季節の花は菫などです。

暖かさに誘われて穴を出る虫たちと満ちる月

日毎に春めく陽気となり、冬眠していた蟻(あり)・蛇(へび)・蛙(かえる)などが穴から出てくる頃を「啓蟄」と呼びます。立春から約ひと月が経ち、土も潤い、芽吹きの中に這い出てくる生き物たちはさぞ、気持ち良いことでしょう。
さて、今年の啓蟄は満月であり、巳の日です。この重なりはとても始まりの季節にとって良いと申しました。巳の日とは、金運や商売繁盛(仕事運)などにまつわる良運を祈願するのにふさわしい日で、昔から「巳の日詣り」という行事があります。満月も、満ちる日という意味で、同じような意味があることが最近注目されています。
「繁栄の象徴」と言われる蛇が穴から這い出ると言われる日に、同じ意味を持つ「巳の日と満月」が重なることはとてもおめでたい気運がしますね。

今年一番小さく見える満月

月は満ち欠けを繰り返しながら、地球との距離も行ったり来たりします。そのため、日々その距離は違います。
3月5日の夕方(16:33)*に今年一番地球から遠くに位置した月は、翌6日未明(03:05)*に満月となります。そして、少しずつ地球に近づいて来る…というわけです。一番遠くから戻ってくる月。冬眠から覚める蛇。そして巳の日。何かを暗示するような気がしませんか?
というより、こんな吉日はそうない!と、自分に暗示をかけて「繁栄」に向けて気持ちを新たにしたいものです。
*日時は、国立天文台の予測を参照しています。

この季節の自然の楽しみ

この季節はさまざまな花が咲き始めます。その中で、花に「菫(すみれ)」があります。菫は、東アジア全体に広く見られ、日本では日当たりの良い山野に約五十種類が自生しています*
別名を相撲取草(すもうとりぐさ)と言い、かぎ状の花をひっかける遊びがあることが名づけられました。
今では、花遊びをする野原が少なくなってしまいましたが、天気の良い休日に菫の花咲く野原へ出かけるのも良いですね。
虫出づる頃、良い運気と一緒に季節の醍醐味を身を以て受け止めてみませんか?
*俳句歳時記「春」 より抜粋

《参考文献・サイト》
俳句歳時記「春」、「新年」 角川ソフィア文庫
国立天文台ホームページ