省エネで普及するLEDの信号機、でも、雪国ではLEDだと困るときも… 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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省エネで普及するLEDの信号機、でも、雪国ではLEDだと困るときも…

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青色発光ダイオード(LED)の開発・実用化で、日本の赤崎さん、天野さん、中村さんがノーベル物理学賞を受賞し、話題となりました。LEDは電気を直接光に変えるので、従来の電球と違い熱効率がとてもよく、電力の消費量も少なくてすみます。今ではLEDはあらゆる分野で活用され、信号機も例外ではありません。省エネに大きく貢献しているLED信号機。この冬、かつてないほどの寒波に襲われている北海道や東北地方でも省エネ信号機の普及がのぞまれます。でも、雪国ではLEDだと困ることがあるそうです…。

縦型の信号機 !? 雪国の信号機には雪が積もらない工夫が

車を運転中、横から風が吹きつける猛吹雪で、車道と歩道の境い目がわからない「ホワイトアウト」の状態、目印になるものといえば、前を走る車のテールランプと信号機の光。ああ、それなのに、信号機が見えない…ということを経験したことはありませんか。そうならないよう、雪国の信号機は工夫されています。
それは信号機が縦型であることです。上から赤、黄、青の順に縦に並んでいます。信号のランプが縦に並んでいるのは、雪国以外の人には珍しい光景かもしれませんね。雪国ではおよそ30年ほど前から信号機の縦型化が進んできました。
信号機のランプにはそれぞれ日よけや雪よけなどの理由でひさしがついていますが、ランプが横にならんでいると3つのひさしのそれぞれに雪が積もるので、上の写真のように積もった雪がひとつの塊になって解けにくくなり、さらにランプを覆ってしまうのです。
一方、縦型だと、雪が積もる面積がひさし1つ分と小さいので、積もった雪が大きな塊になることが少なく、また、雪の重みにも耐えられる、ということで、雪国では縦型の信号機が多いのです。

LED信号機の利点は、省エネ、長持ち、よく見える

LED電球の実用化によって、日本全国でここ数年、LED信号機が普及してきました。LED信号機の利点は大きく3つあります。1つめは、電力の消費量が少ないこと。従来型の6分の1の消費電力ですむそうです。2つめは、電球が長持ちすること。従来型だと1年ほどで交換していましたが、LEDだと6~8年で交換することを想定しているそうです。3つめは、逆光でもよく見えること。よく見えるということは、信号機の最も重要なポイントです。
これら3つの利点によって、2010年ころから信号機のLED化が全国的に普及し、2020年には日本の信号機のほとんどがLED化するといわれています。

LED信号機は放熱しないので、ランプにくっついた雪が解けない…

とはいえ、LED信号機にも弱点があります。それは、ランプにくっついた雪が電球の熱で解けないので、信号が見えなくなることがある、ということです。くしくも、放熱をしないというLEDの利点が、雪国では弱点となってしまうのです。
「積もる」タイプの雪ならば、信号機を縦型にしてランプにひさしをつけることで解決できますが、横から「吹きつける」雪はランプに着雪し、その雪がいつまでも解けない状態が続いてしまいます。そういうときは、警察官がゴムへらのついた長い棒で、ランプについた雪を直接かき落とすという人海戦術に頼っているのが現状です。
しかし、この、ランプにくっついた雪が解けないという弱点を克服すべく、画期的なLED信号機が続々と開発され、すでに各地で実用化されています。

フラット型は真っ平ら、下に20度傾いて着雪を防ぐ。ランプを覆う透明カバーもあります!!

「フラット型」と呼ばれるタイプはその名の通り、平らな板状の信号機です。厚さ6センチ、真っ平らなプレートにLEDランプが埋め込まれています。ひさしがないので雪が積もることはありません。また、下におよそ20度傾いているので、横から吹きつける雪がランプにくっつくこともありません。フラット型は横型がほとんどですが、今のところとても有効で、雪国では徐々に普及しつつあります。
ほかにも、ランプ1つ1つを透明なカバーで覆う「フード型」があります。これは、縦型式のLED信号機に多く見られます。ランプにひさしはなく、その代わり、半球状の透明なカバーでランプ1つ1つを覆うタイプです。この透明カバーの形が独特で、きれいな半球ではなく、上のほうがツンととんがっていて、しいて言えば、ドラクエのスライムのような形です。このとんがった部分があるおかげで、雪が積もることも吹きつけることもないので、ランプが見えなくなることがなくなりました。
放熱しないことが弱点となっていたLED信号機ですが、このように、弱点を克服する開発が急速に進んでいます。雪国では信号機のランプが見えないことはとても危険で命とりとなってしまいます。今後も雪国で車が安全に走行できるよう、雪国対応のLED信号機の進化がのぞまれます。
また、最近では異常気象などで、雪国以外も大雪に見舞われることがたびたびあります。雪が降らない地方のドライバーは、雪が降ったらLED信号機は「雪がくっつきやすい」という特性があることを知っておく必要があるでしょう。さらに行政側には、LED信号機の「弱点」をドライバーに周知してもらう対策を講じることを期待したいものです。


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