雪国に引っ越した人が、地元の若いお母さんたちが小さい子どもをソリに乗せて買い物に行く光景を見て、とても驚いた、という話を聞いたことがありませんか。そうなんです。冬の間、自転車を使えない雪国では、ソリはとても便利な運搬手段なのです。

ソリは買い物帰りの重たい荷物を運べて便利~!!

雪が積もらない地方なら、冬でも買い物に自転車を使いますね。重たい荷物も運べるし、小回りもきくし。でも、雪国では自転車は使えません。では、買い物帰りの重たい荷物をどうやって運ぶのか…、というときに便利なのがソリです。よくあるプラスチック製の赤や青のソリで、定価は700円前後。これに買い物の荷物を積んで帰るのです。スーパーの玄関には赤や青のソリが立てかけられていることも珍しくありません。駐輪場ならず、「駐ソリ場」(?)。他の人のソリと間違えないように、目印にシールを貼ったりします。
ミカンを1箱買っても、白菜とキャベツを丸ごと買っても、ソリに積んで帰れば楽々です。さながら都会の人たちが使うキャリーバッグのごとく、後ろ手にソリのヒモを持って、雪道でも颯爽と歩くことができます。軽くて丈夫で安価なソリ、雪国ではとても便利な運搬手段として重宝されています。

雪や氷は重たいけど、ソリで運べば楽々

自宅の周りを除雪するとき、雪を1か所に集めますが、道路に大きな雪山ができてしまうので通行のジャマになってしまいます。が、ちょっとした空き地など、近くに自治体が指定した雪捨て場があれば、そこに雪を捨てることができます。そんなとき、雪を運ぶのに便利なのがソリです。
また、屋根から雪や氷の大きなかたまりが落ちてきて、それが道路に散乱しているととても危険です。屋根からの落雪や落氷はとても重くて、運ぶのに大変苦労します。そんなときに便利なのがソリです。この重たい雪や氷のかたまりを雪捨て場に持っていくときも、スイスイと運ぶことができます。しかも、ソリ自体が軽いので一度に大量に運ぶことができる、というのも便利な点です。

子どもをソリに乗せて移動、雪国ではよく見かける光景

上の写真は、子どもと「ソリ遊び」をしている写真ではありません。「荷物と子どもをソリで運んでいる」、という写真です。幼稚園のバスが来るところまで子どもをソリに乗せていったり、近所のお店まで行くときに子どもをソリに乗せたり。車を出すほどでもない距離のときに、とても便利です。もちろん、子どもを乗せてスーパーに行って、帰りは荷物と子どもを乗せて帰る、という使い方もします。
でも、子どもに、「荷物が落ちないようにちゃんとおさえていてね」と言っても、袋が1つ、また1つと、落ちていることもしばしば。ときには、ちょっとしたデコボコでソリが傾いて、子どもも荷物もゴロンと転がってしまう、なんてこともあります。

ソリから落ちるものを見て、そこの家の夕飯を推理する…?!

ある4コマ漫画の話です。
主婦が買い物したものをソリに積んで引っ張っています。そこから買ったものが1つ、また1つと落ちてしまいます。1つめがシラタキ、2つめがネギ、3つめが焼き豆腐…。主婦は気づかずにソリを引いています。それを見ていた人が、「今日のあそこの家の夕飯はすき焼きだな」と推理する、という話です。
最近は、大通りでは除雪がしっかりされていて雪が積もっていなかったり、ちょっとしたところに行くのもマイカーを利用したりなどで、ソリを引く姿は年々少なくなっているようです。が、ソリに子どもや荷物を乗せて運ぶという雪国の風物詩、ちょっと微笑ましいですね。消えてほしくない風習です。