いよいよ2014年も終わりですが、おおみそかの夕べをどうお過ごしですか?
お正月の料理の準備はもう万全ですよね?
さて、正月料理といえば「お雑煮」が欠かせませんが、おは特別な日に神に捧げる神聖な食べ物とされ、お正月の雑煮は日本ならではの食文化として長年受け継がれてきました。
元日前夜の今回は、日本伝統の正月料理「お雑煮」にまつわる豆知識をご紹介しましょう。

土地の特産品や食文化を盛り込んだ、昔ながらの故郷の味「お雑煮」
土地の特産品や食文化を盛り込んだ、昔ながらの故郷の味「お雑煮」

室町時代からあった「お雑煮文化」

お雑煮は年神様に供えたお餅を食べて、神仏からご利益をいただくための伝統的な正月料理。お餅にその土地の海の幸・山の幸や、旬の食材を添えて“ハレの日”のごちそうとします。
お正月にお餅を食べる習慣は、平安時代に宮中で健康長寿を祈願して行われた「歯固めの儀」に由来するといわれ、当時から武家料理として雑煮が振る舞われていたといいます。江戸時代になると庶民の間でも元旦にお雑煮を食べる習慣が広まり、北海道と沖縄を除く全国各地で、各地域の特色を生かした多種多様なお雑煮が生まれました。
当時、北海道はアイヌ民族が暮らす地方、沖縄は食文化の異なる琉球国であったことから、お雑煮文化が広まらなかったようです。現在は北海道でも地域に根づいたお雑煮がありますが、それらは明治期以降に本州から移住した人たちが持ち込み、発展していったものと考えられています。一方で、沖縄には今もお雑煮文化というものはありません。

地方色豊か&個性的な全国各地のお雑煮

一般的に、東日本では焼いた角餅を入れたすまし汁仕立て、西日本では茹でた丸餅を入れた味噌仕立てと言われますが、中に入れる具材やお餅の調理法、味付けなども地域や家庭によってさまざま。具材はシンプルに餅菜(青菜)のみという愛知のお雑煮、鯛とイクラが入った新潟の豪華なお雑煮、山菜をたっぷり入れた秋田のお雑煮、あずき汁仕立ての出雲・能登地方のお雑煮……などなど、実に地方色豊かです。
なかには、甘いあんころ餅(餡入りの餅)が入った香川のお雑煮、中に入っているお餅にきな粉を付けて食べる奈良のお雑煮、何とお餅自体が入っていない徳島のお雑煮など、かなりの個性派も! どんな味なのか、ちょっと気になりますね。

やっぱり我が家のお雑煮が一番?

日本人にとって神聖な食べ物であるお餅に、その土地の特産品や食文化を盛り込んだ、昔ながらの故郷の味「お雑煮」。
時にはいろいろな味わいのお雑煮を楽しむのもいいかもしれませんが、結局は「いつものウチのお雑煮」に落ち着くのではないでしょうか。
この機会に、我が家のお雑煮のルーツを探ってみるのも楽しそうですね。