今宵はX'mas Eveですが、賑やかな地上のイルミネーションから少し離れて、空を見上げてみませんか?
この時期は外気が冷たく乾燥しているので空気が澄んでいますし、日没が早いため空の暗い時間が長く、真夜中には文字通り真っ暗闇になるので星座ウォッチングに最適です!
また、今の季節は明るい一等星が多いことや、肉眼でも見える星雲があるため、星々がひと際美しく輝いて見えるのです。
待ちに待ったXmasです!
大切な人と遥か彼方の宇宙へ想いを馳せ、忘れえぬ素敵な思い出をつくってみませんか?

クリスマスの夜が晴れたら、大切な人と遥か彼方の宇宙へ想いを馳せてみよう
クリスマスの夜が晴れたら、大切な人と遥か彼方の宇宙へ想いを馳せてみよう

『オリオン座』は狩人

『オリオン座』は狩人
星座は全然わからない、という人でも『オリオン座』という名前は聞いたことがあるはず。まずは、南の方角を見上げてみましょう。星が三つ斜めに並んでいたら、それがオリオン座の目印。
三ツ星の周りを四角く囲む星のうち、左上に赤く大きく輝くのが一等星「ベテルギウス」(意味は巨人の脇の下)です。
その対角線上、右下に白く明るく光る一等星が「リゲル」(意味は巨人の左足)といい、この二つが『オリオン座』の主要な星。よく見ると三ツ星の下にも小さな三ツ星があるのですが、これは『オリオン座大星雲M42』と呼ばれるガス星雲です。星の誕生現場として現代の天文学では大変注目されていて、天体望遠鏡で覗くとほんのりピンク色に見えます。
オリオンはギリシャ神話に登場する狩人の名前で、さまざまな神話や伝説で巨人に見立てられています。星座絵をみると、星に付けられた名前の意味がよくわかりますよ。

斜めに三つ並ぶ星が目印
斜めに三つ並ぶ星が目印

狩人のお伴『おおいぬ座』

次は『おおいぬ座』にトライ!
『オリオン座』の真ん中にある三ツ星から東の方向を下側にたどっていくと、青白く大きく輝く一等星が見えてきます。
これが全天の中で一番明るい星「シリウス」で『おおいぬ座』である犬の口もとにあたります。
さらに南には、三個の二等星でできた三角形が犬の背骨やお尻を構成しているのですが、残念ながら輝きが乏しく肉眼ではよく見えません。「シリウス」が明るいのは地球から8.61光年という近さにあるせいです。
古代エジプトではこの星の動きを観察して、ナイル川が氾濫する時期を測っていました。
夏至の時期から姿を現す「シリウス」は、ギリシャ語で“焼き焦がすもの”という意味を持ちます。

二番目のお伴! こいぬ座

続いて探す冬の代表的な星座は『こいぬ座』。
『オリオン座』の「ベテルギウス」と『おおいぬ座』の「シリウス」を結んでその左側に正三角形をつくったところに位置するのが「プロキオン」。
この白く輝く一等星と、もう一つの星で形成するのが『こいぬ座』です。
星二つで小犬に見えるかどうかはちょっと不思議ですが、古代エジプトでは「プロキオン」は犬の前という意味。「シリウス」に先がけて東の空に昇ってくるため、その名前が付けられました。「プロキオン」はナイル川の氾濫の時期を知らせる「シリウス」の前に姿を現すので、人々にとても重要視されたのです。

冬の空に輝く大きな三角形

ここにご紹介した「ベテルギウス」「シリウス」「プロキオン」を結んでできる三角形を「冬の大三角」と言います。形は正三角形に近く、冬の南東の空に見られる明るい星です。
『おおいぬ座』は狩人『オリオン座』の一番目の猟犬で、二番目の猟犬が『こいぬ座』。
星座にまつわる神話や伝説はさまざまなものがありますから、調べてみると面白いですね。
ロマンチックな“星空ウォッチング”で過ごす聖夜。
「大切な人と一緒なら寒くても平気」というあなたはご用心! この時期の夜風は予想以上に冷たいものです。くれぐれもしっかりとした防寒対策を忘れずに!