「全国的に暴風や大雪など大荒れの天気」「低気圧の発達度合いは数年に一度のレベル」「猛吹雪のため通行止め」といったニュースをよく目にするようになりました。
北国に生まれ育った人でも、見通しがまったくきかない猛吹雪は命にかかわる危険な状態ですし、積雪量が少ない地域の人にとっても、急な積雪は思わぬ事故を招くこともあるので油断は禁物です。
1〜3月はスキーや温泉などのレジャーで雪道を運転する機会も増えますので、雪の中で車が立ち往生した時の正しい対処法を知って、いざという時に備えましょう!

雪の日の車の立ち往生は最悪の場合、命にかかわることも
雪の日の車の立ち往生は最悪の場合、命にかかわることも

「エンジンをかけたまま」は厳禁!

雪の中で立ち往生してしまった場合は、まずエンジンを切ること。
戻ることも進むこともできないような吹雪の場合は、わずか数分で車全体が雪で覆われるため、エンジンをかけたままにしておくと、マフラーの排気口や下部のすき間から排気ガスが室内に流れこんで一酸化炭素中毒を起こしてしまいます。短時間で意識を失い、そのまま死に至る危険もありますから、風下側のドアが開くかどうかを定期的に確認しながら救助を待ちましょう。
暖をとるためにエンジンをかける場合も、排気口と周辺の状態をしっかりチェックし、短時間に留めましょう。また、大渋滞のノロノロ運転でも排気口が雪で覆われてしまう場合がありますから、同じように注意が必要です。
こうした場合、窓をしっかり閉めて寒さを防ぎたいところですが、これも酸欠の原因になるのでNG。逆に、雪に覆われてしまった状況下で窓を開けると排ガスが車内に入ってしまいますが、それ以外の場面では風下側の窓を数センチ開けて換気をしましょう。

見つけてもらいやすくする!

すぐに助けが来る見込みがない場合も、むやみに車外に出るのはNGです。
吹雪のため周囲が真っ白で何も見えなくなる状態を「ホワイトアウト」と呼びますが、ホワイトアウトの中では方向や距離感が失われてしまうため、慣れている道でも前後左右がわからなくなり、戻ることも進むこともできなくなってしまいます。
また、雪まじりの暴風雨にカラダがさらされると急激に体温は下がり、意識を失って凍死する危険もあります。寒さを防ぐ衣類をしっかり着込み、見つけてもらいやすくすることを第一に考えましょう。
人家から離れた場所にいる場合は、道路の真ん中に停めること。
街中や車の列ができているような場合はあまり心配いりませんが、埋まるほどの雪の場合、道の端に停めると除雪時につくった雪の壁と同化してしまいます。
そして、後続車や除雪車から追突を防ぎ、救助に着てくれた人に見つけてもらいやすくするために、色のついた目印をつける、アンテナを立てる……など、迅速に救助の人にみつけてもらえる対処を行いましょう。

冬の車内に常備したい安心グッズ

いざエンジンを切って車内で救助を待つとなると、体力の消耗と体温の低下が心配になりますが、いざという時の必須アイテムとして毛布、使い捨てカイロ、食べ物を車内に備えておきたいもの。
毛布は体に巻くほか、足元に敷いて冷気の侵入も防げるので、2枚以上用意するのがおすすめ。使い捨てカイロも併用するとよいでしょう。
また、エネルギー補給になる食べ物も忘れずに。登山用として売られているものありますが、市販のお菓子でも十分に代用可。栄養価が高い(糖質や脂質を含む)うえに、そのまま食べられるチョコレートやソフトタイプのクッキーなどを常備しておくとよいでしょう。
さらに、夏場に使用するサンシェイドは断熱効果が高く、車内の温度が下がるのを和らげてくれるため、意外にも降雪時にもお役立ちグッズとして大活躍してくれるはず。
ほかにも、除雪時に使用する長靴やスコップ、懐中電灯、タオル、救助の人に所在を知らせる笛なども常備しておくと安心ですね。

備えがあれば、いざという時の積雪も安心

一つひとつは簡単なことばかりですが、正しい知識と備えがないと、最悪の場合は命にかかわることも……。
対策グッズも、家にあるものや手軽に買えるものばかりですから、この機会に愛車にぜひ常備を。
安全で楽しい冬を過ごしてくださいね。