3月29日のプロ野球開幕でお目見えした助っ人は、超大物、謎の二重人格者と多種多彩だ。

 最大の注目は楽天のアンドリュー・ジョーンズ外野手(35)。大リーグ通算434本塁打は、来日した外国人選手で最多だ。先のWBCでも、オランダの4番として4強進出に貢献したが、ここ5年は19本塁打が最多で下り坂だ。大リーグ評論家の福島良一さんはこう話す。

「19歳でワールドシリーズの最年少本塁打を放ち、スターダムにのし上がりました。2005年には51本塁打、128打点で打撃2冠。守備でも1998年から10年連続でゴールドグラブ賞に輝きました。しかし08年にブレーブスからドジャースへ移籍して以降は、体重が増えて体のキレがなくなり、鳴かず飛ばずでした」

 楽天の担当記者はチームの期待について、「25本塁打なら御の字」と話す。

 5年連続最下位のDeNAに加わったナイジャー・モーガン外野手(32)は、「メジャー最強のクレイジー」と呼ばれていた。前出の福島さんが言う。

「本人が『二重人格』を公言していて、グラウンドに入ると突然、『俺はトニー・プラッシュだ』と架空の名を語りだす。試合中は普段の陽気な性格から豹変し、闘争心むき出し。敵地でヤジに怒って観客席にボールを投げ込んだり、明らかに故意に相手捕手に体当たりしたり……。でもムードメーカーで、ファンは多かったんですよね」

 中畑清監督に通じるところもありそうだが、「さすがの監督も、『あいつのテンションにはついていけん』と言っています」(担当記者)。

週刊朝日 2013年4月12日号