※写真はイメージです
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 冬よりも夏の方が「冷え」を感じやすくなってはいませんか? 冷房の利いた室内に長時間いるような環境下では血流も悪くなり、夏バテや疲れを招きやすくなっています。今や夏こそ血流を意識することが大事。日常で実践できる血流ケアについて、東京有明医療大学教授の川嶋 朗先生にお聞きしました。前編・後編の2回に分けてお届けします。(セルフドクターWebより転載)

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■女性は血流の影響を大きく受けている

 血液は私たちの体の中をただ流れているのではなく、全身の細胞や各器官に酸素や栄養素、ホルモンなどを運んだり、細胞から出た老廃物を回収したりしてくれる“運び屋”です。血液の流れ(血流)が悪くなれば、必要な栄養素や酸素などが全身に行き届かず、下記のチェックリストにあるような、様々な不調を招いてしまうことに。健康や美しさを保つためには、十分な量の血液が、体の中をスムーズに流れていることが大切なのです。

 特に月経のある女性の体は血液に左右されやすく、漢方では古くから「血の道症」という女性特有の病気があります。これは月経前症候群や更年期障害などにあたり、その原因は血液不足や循環の悪さとされています。月経で毎月血液を失う女性は血流が悪くなりやすい。だからこそ、日頃から血流を意識することが大切なのです。

■あなたの血液の状態をチェック!

 チェックの数が最も多いところがあなたの血流タイプです。チェックの数が同数の場合は、両方のタイプに当てはまります。

【血液がつくれないタイプ】
漢方では、血液をつくるにはエネルギー(気)が必要とされますが、そのエネルギー自体が不足しているタイプ。「気虚(ききょ)」の状態とされ、胃腸が弱いのが特徴。
□ 朝起きて疲れがとれていないことが多い
□ かぜをひきやすい
□ 胃腸が弱く、胃がもたれやすい
□ 平熱が35度台である
□ 冷房に弱い

【血液不足タイプ】
月経のある女性に多く見られるタイプ。血液は全身の細胞に酸素や栄養素を運んでいるため、不足すると肌の老化にもつながる。漢方では「血虚(けっきょ)」の状態とされる。
□ 肌が乾燥している
□ 眠りが浅い
□ 脚がよくつる
□ 髪がよく抜ける
□ 貧血、あるいは貧血気味

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