5月6日に茨城県と栃木県で同時発生した竜巻によって、2千棟以上の建物被害があり、茨城県つくば市では中学生が1人死亡した。振り返れば昨夏から豪雨に豪雪、爆弾低気圧と、異常気象のオンパレードではないか。いったい次は何が私たちを襲うのだろうか。

 異常気象が地震を引き起こすと警告する専門家もいる。琉球大の木村政昭名誉教授(海洋地質学)だ。

「かつて大地震の発生前に、発光現象や特異な雲が出現した例が伝えられています。それに、漁師の間には『低気圧になると地震が起きる』との言い伝えもあります。地面を押しつける気圧の力がグッと弱まって、地震が起きる可能性があるのです。地震発生の臨界状態にある場合には、低気圧が『最後の一押し』になるかもしれません」

 科学ジャーナリストの大宮信光氏は、地表に降り注ぐ宇宙線も地震の引き金になると言う。

「宇宙線は地球を貫くほど強いエネルギーを持っているので、地中深くのマントルを刺激して火山活動を活発化させると言われています。火山活動が活発になれば、地震も起きやすくなる。昨年3月11日の東日本大震災も、太陽活動の変化によって誘発された可能性があります」

 一方、木村氏は東日本大震災が、異常気象を招いた可能性にも言及する。

「3.11後はどうも気圧配置がおかしい。大地震で地軸が揺さぶられ、地球の回転に影響を与えているのではないでしょうか」

※週刊朝日 2012年5月25日号