※写真はイメージです(GettyImages)
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 実家の片づけをスムーズに進めるいい方法はないか。お片づけ習慣化コンサルタントの西崎彩智さんは「実家の片づけと聞くと、親が亡くなったあとに行うもの、というイメージがありますが、親が元気なうちにやっておいてほしい。亡くなって『遺品』になってからだと、ものの重みが増し、ますます捨てられなくなるのです」という――。

実家の片づけを親の生前にしたほうがいい理由

 私はみなさんに、親が元気なうちに実家の片づけをするように勧めています。

 なぜ親が元気なうちにやっておいたほうがよいのか。それは親が亡くなると、親の物を処分しにくくなるからです。

 親が生きているうちに本人が捨てていいよ、と言えば簡単に捨てられたのに、亡くなったら大したものでなくても捨てにくくなる。「遺品」になった瞬間に、捨てることに罪悪感が生まれるのです。

 私自身、3年前に父を見送りましたが、父が最後に入院するときに着ていたポロシャツが捨てられなくて困りました。亡くなったあとに、病室から持って帰ったら、このポロシャツを買ったのは父の日だったな、このポロシャツを着て入院した日に医師から止められている卵サンドをこっそり2人で食べたな……と、ポロシャツにまつわる思い出が次々と出てきてしまって。

 思い出に浸るのは悪いことではありませんが、それがあまりにたくさんあると悩みが増えて、ストレスになってしまいます。

年末年始は絶好のチャンス

 相談者の方にも親の遺品が捨てられず、自宅に持ち帰った結果、自宅に物があふれてしまったという方は多いですね。

 だからこそ親が生きているうちに、一緒に片づけに取り掛かってほしいのです。

 その絶好のチャンスが、みんなが集まる年末年始です。時に大がかりな模様替えも必要になりますが、人手があれば2日間ですみます。子どももぜひ戦力にしましょう。

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西崎彩智

西崎彩智

西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。

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