ナッツ類は、くるみやアーモンドを中心に何種類か揃えておくとよい。くるみにはオメガ3脂肪酸がたっぷり含まれ、アーモンドにはオメガ9脂肪酸、ビタミンEも含まれるので、抗酸化力をアップしてくれる。

 ドライフルーツでは、アンズ、イチジクをすすめたい。アンズにはベータカロチンなど抗酸化作用のある植物栄養素がたっぷり、イチジクにはカルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄分、マンガンなどミネラル分がたっぷりだ。食物繊維も豊富なので、血中のコレステロール値を下げる働きをしてくれる。

■チェーンよりは個人経営の店を選ぼう

 注意が必要なのは、ドライフルーツには油でコーティングされたものや、着色されているものもある点だ。そういうものは避けて、質のよいものを選びたい。

 また、飲みに行ったり、食事に行ったりする機会に、積極的に自分で店を選ぶことも重要だ。少なくとも、チェーン展開をしている居酒屋などは避けてほしい。チェーン展開の店で出されるメニューはほとんど、セントラルキッチンと呼ばれる、いわば食品工場で作られたものが中心になっている。そういう店で提供されるものはもはや工業製品であって、食事として食べる価値のない代物だ。

 では、どうすればいいのか。基本的には、個人経営の店を探すのがよいと思う。個人経営でも真空パックの惣菜を使っているような店もあって、ピンからキリまであるのだが、チェーン展開をしている店よりはるかにマシである確率は高い。

 そういうなかから、素材選びにも気を遣い、自分で仕込んでいるような誠実な店を見つけておくのだ。店主やおかみさんと仲良くなって、多少のわがままも聞いてもらえるような付き合いをしていけるともっといい。訳のわからないメニューを食べさせられて体調を崩すことも少なくなるだろう。

南 清貴(みなみ・きよたか)/フードプロデューサー
1952年生まれ。一般社団法人 日本オーガニックレストラン協会(JORA)代表理事。1995年、日本初のオーガニックレストラン「キヨズキッチン」を渋谷区・代々木上原に開業。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した料理を考案・提供し、メディア出演多数。食と健康に関する講演・執筆、全国のレストラン、カフェなどの業態開発、企業内社員食堂やクリニック・ホテル・スパなどのフードメニュー開発にも力を注ぐ。2011年の東日本大震災を機に、農に近いところでの生活を決意し、岐阜県に移住。著書に『行ってはいけない外食』(三笠書房)、『40歳からは食べてはいけない病気になる食べもの』(KADOKAWA)など。