実は危険だらけ? 専門家が指摘するペットと赤ちゃんの”あるべき距離感”とは
犬や猫に関わらず、小鳥やフェレットなどその他のペットについても、同様に健康管理と濃厚な接触をしないように管理してあげさえすれば、それほど感染症を気にすることはないようです。また、ペットを飼う上で感染症と同じくらい注意しなければならないことが他にもあると、先生は言います。
それは、ペットが赤ちゃんや子どもを傷つけてしまう事故。日本でもアメリカでもこうした事故の被害者の8割は、10歳以下の子どもだそうです。
事故はなぜ起きるのでしょうか。次の章で、どうしたら事故をなくすことができるかについて、先生に解説いただきます。
●妊娠が分かったら、ペットをケージやサークルに慣れさせましょう
赤ちゃんは好奇心のかたまり。目の前にあるものは、何でもつかんだり、ひっぱったり。ハイハイができるようになると、動くものに興味を持って動物を追いかけたりもします。そして自由に歩けるようになった時には、よりアクティブに……そんな元気な姿は、ママやパパにとっては、ほほえましいものですが、ペットには「脅威」であり、それが事故につながることが多いようです。水越先生によると、事故の要因として以下のようなことが考えられるそうです。
「飼い主に良くなついていて、おとなしい性格の犬や猫でも、好奇心いっぱいで近づいてくる赤ちゃんといつも一緒に生活するのは大変。ペットは言葉をしゃべれませんが、嫌なことをされたら、ちょっと避けるなどして『やめて』というサインを出します。大人はわかってやれますが、赤ちゃんはそんな“ボディランゲージ”を理解できません。しかも赤ちゃんは背が低いので、犬なんかとは目が合いやすい。そして赤ちゃんはじっと目を見つめてしまう。犬にとっては、じっと見られるということは威嚇されていることと同じ。加えて赤ちゃんは体をつかまれたり、しっぽや耳を引っ張ったりもする。そうするとペットは驚いて、場合によっては噛んだり、引っ掻いたりという反応をしてしまうんです」(水越先生)
赤ちゃんにとっては単なるじゃれあいでも、時として犬や猫を追い詰めてしまい、“反撃”をすることもよくあること。赤ちゃんや子どもの皮膚は柔らかいので、そうしたペットの反撃で、思わぬケガや事故につながってしまうこともあると水越先生は語ります。
(大人の)飼い主にとってどんなに聞き分けのよいペットだとしても、「ベビーシッター」にはなれないことは、しっかりと心に留めておいた方がよさそうです。
とは言え、ペットも家族の一員と考えているご家族も多いと思います。ペットも赤ちゃんも、みんなでハッピーに暮らすためには、どうしたらいいのでしょう。