少子化専門の学者が「保育園は足りている」と断言する理由とは? (2/7) 〈出産準備サイト〉|AERA dot. (アエラドット)

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少子化専門の学者が「保育園は足りている」と断言する理由とは?

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【図表1】戦後から70年代初頭までは上昇傾向にあった婚姻率と婚姻件数ですが、その後は右から下がり

【図表1】戦後から70年代初頭までは上昇傾向にあった婚姻率と婚姻件数ですが、その後は右から下がり

【図表2】家族関連支出と高齢者向け支出

【図表2】家族関連支出と高齢者向け支出

吉村先生と松田先生

吉村先生と松田先生

――女性が家の外で働くことと子育てをうまくバランスを保ちながらやれている社会では、出生率が高いというわけですね。

松田:はい。ですから、たとえば仕事においては、ものすごく働くコースと、少し緩い働き方のコース、そして一旦は専業主婦になるものの、復職して同じような職に就けるコース……など、選択肢を整えてあげることが日本にも必要なのではないかと思います。

吉村:その通りですよね。一口に「働く女性」といっても、ものすごく多様性があるわけですから。

松田:仕事というのは、やはり選択するべきものですし、自分の能力、体力、価値観によっても違ってきます。しかし日本では、少し緩い働き方に対する待遇が低すぎる。

――少し緩い働き方、つまりパートタイムであるとか時短や定時で帰れる仕事に対して待遇が低いと。

松田:そうですね。パートにしても昇進の機会が少ない。子育てと仕事が両立しやすい国というのは、そうしたところがしっかりと作られているため、さまざまな働き方のチョイスができるんですよ。そのようなワークライフバランスの問題は、日本の少子化を考える上で大きな問題かと思います。

吉村:日本の場合、女性は結婚をしないと子どもを産めない状況にあります。婚外子は約2%くらいしかないわけです。僕はこれも少子化の一因じゃないかと見ています。出生率を回復してきたヨーロッパの国々をみると、婚外子の割合が50%を超える国はいくらでもあるんですね。オランダに関しては、この30年で10倍近くも増えている(アメリカ合衆国商務省「Statistical Abstract of the United States 2012」など参照)。日本でも近年、婚外子を巡る環境は良くなってきてはいると思うんですけど、欧州で起こったような急速な変化はやはり日本では起こりにくいですか?

松田:急速に婚外子が増えるとはみていません。その理由を二つ挙げると、ひとつには、日本はまだ婚外子を法的に保護する仕組みが弱い。もうひとつは日本だけでなく、韓国やシンガポールなどについても言えることですが、アジアでは依然として家族や結婚に重きを置いています。家族制度が強いんです。それに対し欧州では、いわゆる伝統的な家族生活よりも個人の生き方重視、自己実現重視といった価値観の変化がこの数十年の間でありました。もちろん日本で同じようなことが起きれば変わるかもしれませんが、それはなかなか難しいと言わざるを得ません。


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