酢
昭和12年創業
横井醸造(江東区)
まずは工場で日本酒をつくり、酢酸発酵させて酢をつくる。表面に浮かぶ酢酸菌の菌膜の不思議な模様は、木蓋の縁から落ちる雫の跡だ
「深川木場の材木業だった初代が、寿司屋に卸す酢をつくろうと考えたのが転業のきっかけと聞いています」と4代目の横井太郎さん。最初は「こんな味じゃ使えない」と何度も突き返されたというが、今は三つ星の名店にも卸す。
かつて寿司飯によく使われた「赤酢」は、何年も寝かせて紹興酒のように濃厚な香りがする酒粕からつくる。「地価の高い東京で材料を何年も寝かせて酢をつくるのはもったいないことかもしれない。けれど直接、商品を届け、使う人の声を聞きながらつくるのがうちのよさ。移転するつもりはないです」と横井さんは笑う。自社オンラインショップ、新宿タカシマヤの紀ノ国屋など、一部デパートでも販売している
東京都江東区新木場4―2―17
http://www.yokoi-vinegar.co.jp/
(撮影/写真部・植田真紗美)
守り続ける懐かしの味 メイド・イン・東京

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