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AERA「ニッポンの課長」

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日本盲導犬協会
「人と犬の幸せを橋渡し」

日本盲導犬協会 神奈川訓練センター 訓練部 マネージャー 田中真司(35)


 5年前、この仕事を続けるかどうか考えたことがある。30歳の節目だった。そのとき頭をよぎったのは、これまで出会った犬と視覚障がい者たちのことだった。
 世界を飛び回って働いていた人は、人生最後の相棒と思っていた盲導犬に、毎日ピカピカにブラッシングをし、愛情を注いだ。光を失うとともに、一度は生きる目的を失った人からは、「盲導犬と一緒に鍼灸学校に通い始めた」と喜びの声が届いた。誰かの人生が大きく変わる。その一助となれた誇りが、田中真司=写真手前=の心にじわりと湧いた。
 中央大学法学部を卒業後、法科大学院を受験したもののかなわなかった。進路を考えあぐねた末、盲導犬訓練士学校に1期生として入学した。2004年のことだ。
 子どものころから犬を飼い、福祉にも関心はあったが、盲導犬や視覚障がい者に関する知識はほぼゼロ。3年で「盲導犬訓練士」の資格を取り、日本盲導犬協会で働きながら経験を積み、盲導犬利用希望者に歩き方を指導する「盲導犬歩行指導員」の資格を得た。
 盲導犬候補の子犬は、生後2カ月から1歳まではボランティアの家庭で育ち、その後約1年間、センターで訓練を受ける。そして、パートナーとなる人との共同訓練を経て、晴れて盲導犬になる。合格率は3~4割と厳しい。
 一方、利用を希望する障がい者の多くは60代以上。共同訓練を円滑に行うには、犬と人、双方に対する高度なコミュニケーション能力が求められる。田中は約30人の部下とともに、常時いる40頭の候補犬から1頭でも多く、盲導犬として送り出せるよう努めている。
「人間のために働かされてかわいそう」。そんな批判の声を時に聞くこともある。
「静岡の施設に勤めていたときは、子犬の繁殖から引退犬の看取りまでしていました。僕たちが“生ませた命”に対して責任の重さを感じ、犬の福祉と権利に配慮しています」
 人と犬、互いの幸せを願ってやまない。
(文中敬称略)

撮影:門間新弥 文:ライター・安楽由紀子

日本盲導犬協会 「人と犬の幸せを橋渡し」
日本盲導犬協会 神奈川訓練センター 訓練部 マネージャー 田中真司(35)
 5年前、この仕事を続けるかどうか考えたことがある。30歳の節目だった。そのとき頭をよぎったのは、これまで出会った犬と視覚障がい者たちのことだった。
 世界を飛び回って働いていた人は、人生最後の相棒と思っていた盲導犬に、毎日ピカピカにブラッシングをし、愛情を注いだ。光を失うとともに、一度は生きる目的を失った人からは、「盲導犬と一緒に鍼灸学校に通い始めた」と喜びの声が届いた。誰かの人生が大きく変わる。その一助となれた誇りが、田中真司=写真手前=の心にじわりと湧いた。
 中央大学法学部を卒業後、法科大学院を受験したもののかなわなかった。進路を考えあぐねた末、盲導犬訓練士学校に1期生として入学した。2004年のことだ。
 子どものころから犬を飼い、福祉にも関心はあったが、盲導犬や視覚障がい者に関する知識はほぼゼロ。3年で「盲導犬訓練士」の資格を取り、日本盲導犬協会で働きながら経験を積み、盲導犬利用希望者に歩き方を指導する「盲導犬歩行指導員」の資格を得た。
 盲導犬候補の子犬は、生後2カ月から1歳まではボランティアの家庭で育ち、その後約1年間、センターで訓練を受ける。そして、パートナーとなる人との共同訓練を経て、晴れて盲導犬になる。合格率は3~4割と厳しい。
 一方、利用を希望する障がい者の多くは60代以上。共同訓練を円滑に行うには、犬と人、双方に対する高度なコミュニケーション能力が求められる。田中は約30人の部下とともに、常時いる40頭の候補犬から1頭でも多く、盲導犬として送り出せるよう努めている。
「人間のために働かされてかわいそう」。そんな批判の声を時に聞くこともある。
「静岡の施設に勤めていたときは、子犬の繁殖から引退犬の看取りまでしていました。僕たちが“生ませた命”に対して責任の重さを感じ、犬の福祉と権利に配慮しています」
 人と犬、互いの幸せを願ってやまない。
(文中敬称略)
撮影:門間新弥 文:ライター・安楽由紀子



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