〈K機関(後にKチームに改名)特務隊のアクションプログラム 第1案〉と題された資料からは、旧動燃(動力炉・核燃料開発事業団=現・日本原子力研究開発機構)が、“やらせ”や“洗脳”など原発反対阻止のために多くの「工作」を行っていたことがわかる。「原子カムラ」の当事者たちは、一連の資科についてどう説明するのか。ジャーナリストの今西憲之氏と週刊朝日取材班は、「Kチーム」で「本部キャップ」を務め、当時、本社の総務部次長だったZ氏に話を開いた。

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――「Kチーム」とは何か。

「(驚いて)どこで調べたの? そんな話。Kチームといっても大したことはしてない。回収ウランは問題ないと、近隣市町村に説明に回っただけです。資料も見た記憶がない」

――「Kチーム」の意味はZ氏の頭文字の「K」?

「勝手にそう思ったこともあるが、秘書課の実力者だったKさんのこと、という話もあった。あと『汚い』のKとか。何なんだろうね、という話になっていた」

――「数千万円程度」の予算は、接待などに使ったのか。

「(声を裏返して)数千万円!? 考えられないな。そんなにかかるはずがない。接待も何もしていない」

――(〈新開の活用〉の項目にあった)「やらせ投書」は?

「いろいろやるんですよ……古い話はしたくないのが本音。電力業界はどこの企業も、ほじくり出せばいろんなことがあるかもしれないが」

週刊朝日 2013年3月22日号