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鳥取連続不審死事件 「西の木嶋佳苗」はなぜ“毒婦”になったのか

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 2009年に鳥取県内の海や川で、男性2人の遺体が見つかった鳥取連続不審死事件で、2件の強盗殺人罪と詐欺、窃盗などの罪に問われている元スナック従業員・上田(うえた)美由紀被告(38)の裁判員裁判が始まった。コラムニストの北原みのり氏は、同じく豊満な体形から「西の木嶋佳苗」と呼ばれた上田被告を取り巻く人々を取材した。

*  *  *
 美由紀は34歳まで鳥取市内唯一の繁華街である弥生町のスナックで働いていた。店のママは美由紀のアパートの大家でもあった。

 事件後にマスコミが大挙して押しかけたこの店で、ママや従業員は冗舌だった。20代の女性に「取材に来たの」と言うと、「私の今のカレ、美由紀の前の男なんよ」と話しはじめた。

「ママに紹介されて付き合った。美由紀は、いい女だったって言いよるよ」

 あっけに取られて聞いていたが、美由紀の周りを取材していると、そんな話はいくらでも出てきた。美由紀の元カレの今カノの元夫が美由紀が親しくしていたアパートの住人(09年に死亡)の部屋に住んでいるとか、美由紀の元カレに取材しに行くと、違う元カレの今カノの元夫の今カノがなぜか一緒に来てるとか。書きながら訳分からなくなっているけれど。

 美由紀の周りでは、誰もがつながっていた。息が詰まるような濃密な関係のなか、美由紀は堂々と詐欺を働いたのだ。

 男たちは美由紀に、何を求めたのだろう。佳苗の被害者は、夢をみていた。佳苗との未来に投資するようにお金を出した。美由紀には、男が夢みるような未来があっただろうか。

週刊朝日 2012年10月12日号より抜粋


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