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東京の真ん中10戸に1戸が空き家 動物死骸、放火リスクも

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今後、高齢化が一気に進むと、東京の空き家はさらに増えていく。空き家の有効活用が問われる(写真:文京区提供)

今後、高齢化が一気に進むと、東京の空き家はさらに増えていく。空き家の有効活用が問われる(写真:文京区提供)

 総務省が5年に1度、実施している「住宅・土地統計調査」によれば、東京の「空き家数」は増え続け、2013年の「空き屋率」は11.1%、空き家は約81万7千戸で過去最高。前回08年から約6万7千戸増えた。

 閑静な住宅地が多く、都心への交通の便もいい杉並区は、一見「空き家」とは無縁のようだが、空き家率は10.3%。10戸に1戸は誰も住んでいない住宅が存在する。

 そこで改めて都内を歩くと、あるわあるわ…。下町情緒を残す向島(墨田区)から、高級住宅地として知られる田園調布(大田区)まで、注意して歩くと随所に空き家が見られた。都心の文京区も例外ではない。

 学門の神様で知られる「湯島天神」からほど近い、細い路地の住宅密集地。ここに立つ古い民家が空き家になったのは4年前だ。もともと50代後半の男性が住んでいたが病死。実の姉がいたが、相続を放棄したため「所有者がいない」状態になり、今は区によって立ち入り禁止のテープが貼られている。

 近くに住む町会長の川辺皓司(しろし)さん(72)によると、11年3月の東日本大震災で屋根瓦が10枚以上落ち、2階の金属製の手すりも落下した。その後、屋内に入る機会があったが、中はゴミ屋敷になっていて、人が立ち入った痕跡もあった。猫の死骸が転がり、ネズミが走り回っていたという。

「放火による火事が一番怖い。早く何とかしてほしい」

 空き家が放置されると心配なのは、資産が有効活用されないだけでなく住民の安全に直接影響を与えることだ。放火、倒壊、不審者の侵入…。廃棄物の不法投棄のターゲットになることもあり、街を蝕(むしば)んでいく。

 それにしても、地方ではなく“花の東京”の中心部に、空き家がこんなに多いのはなぜか。空き家問題に詳しい富士通総研経済研究所上席主任研究員の米山秀隆さんは、核家族化が進み、子どもが親の家を引き継がないのが主因と指摘する。

「その場合は、売却や賃貸化が望ましいが、立地や物件の質の面で流動化が困難なことも。また、愛着があったり家財道具の処分が面倒だったりして流動化に踏み切れない場合もある」

AERA 2014年12月1日号より抜粋


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