Aさんは、保育士歴20年以上のベテラン。だが近頃、保護者対応に悩む場面が多くなった。例えば、延長保育では基本的に食べ物を出さなくていいのだが、おなかを空かせてぐずる子どもにはお菓子をあげることもある。それをおにぎりか果物にしてほしいと言ってくる母親がいた。もしそうなると食中毒の心配もあるので、調理に携わる職員の勤務体制から見直さなくてはいけなくなる。だが、いくら説明しても理解してもらえない。

「一人っ子だったり、きょうだいが少なかったりで育児に神経質になるのでしょうが、以前に比べ保育士への信頼感がない親が増えてきたと感じます」(Aさん)

 特に最近では、育児に関する情報をインターネットやSNSで仕入れるようになり、保育士よりも知識があると思い込む親も増えているという。

AERA 2014年7月28日号より抜粋