工業地帯に出現したプライベートビーチのような空間(大森ふるさとの浜辺公園)
工業地帯に出現したプライベートビーチのような空間(大森ふるさとの浜辺公園)
お弁当を広げるテーブルなどのスペースもある(大森ふるさとの浜辺公園)
お弁当を広げるテーブルなどのスペースもある(大森ふるさとの浜辺公園)
頭上を飛行機が飛び交いロケーションは最高(城南島海浜公園つばさ浜)
頭上を飛行機が飛び交いロケーションは最高(城南島海浜公園つばさ浜)
芝生広場やキャンプ場などが砂浜に隣接している(城南島海浜公園つばさ浜)
芝生広場やキャンプ場などが砂浜に隣接している(城南島海浜公園つばさ浜)

 春先から初夏にかけて手軽な行楽として人気のある潮干狩り。遠くまで行かなくても近郊で楽しめ、海遊びもできるうえ、とったあとには貝を食べられるという満足度の高いレジャーだ。ゴールデンウィークには、多くの人が砂浜で貝を掘る光景がニュースなどで報じられている。

 では、なぜこの時期に潮干狩りが行われるのだろうか? 貝をとるためには、潮が引いたとき(干潮時)に浜辺にいって砂を掘るのだが、その干潮時の条件がもっともいいのが春。春は干満の差が大きく、日中に干潮になることが多いなど、潮干狩りがしやすい条件がそろっているのだ。

 潮によって左右される潮干狩りは、一般的なレジャー施設とは違い、潮の干潮時期によって営業日と営業時間が決まる。土日や休日であっても、条件によっては休業日になることもある。そのため潮干狩りに行く日が営業しているのか、何時から何時までできるのかは、各潮干狩り場の潮見表を見て確認する必要がある。潮見表は、各潮干狩り場のホームページに掲載されている。

 東京から手軽に行かれる東京湾の潮干狩り場リストを下記にあげた。料金が必要な潮干狩り場は、一定量の貝がとれるように各漁協で砂浜に稚貝をまいているため、収穫が目的だとしても十分に楽しめる(一定以上の量を持ち帰るには追加料金がかかることが多い)。逆に、海の公園(神奈川県)のように入場無料のところは、浜辺に自然発生する貝のみをとるため、収穫よりもレジャーとしての潮干狩りを楽しみたいところだ。

 千葉や神奈川まで足を運ぶのもいいが、東京都内でもっと気軽に行かれるところはないだろうか? 東京都にはお台場海浜公園や葛西海浜公園などの人工海岸がいくつかあるが、今回注目したのは大森。モース博士による大森貝塚が有名な場所なので、潮干狩りの場所としてはうってつけではと考えたからだ。

 潮干狩りができそうな場所を探してみると、「大森ふるさとの浜辺公園」という施設を発見! さっそく足を運んでみると、工業地帯の中に、南の島のプライベートビーチのようなこじんまりとした浜辺が。子ども連れや、犬を連れて遊んでいる人がいるなど、非常にのんびりした空間。さっそく潮干狩りだ! と浜辺を見渡してみたものの、貝殻すら見当たらない……。実際に浜辺を少し掘ってみても貝がいそうな気配はなし。子どもたちも水鉄砲で遊んでいるだけ。管理事務所で話を聞いてみると、潮干狩りに来る人はほとんどいないそうで、「子どもと一緒に掘ってみたら、何かの貝がとれた」という程度のお遊び感覚だそうだ。

 あては外れたがここで終わるわけにはいかないと、続いて行ってみたのが「城南島海浜公園つばさ浜」。ここはトラックの行き交う工業地帯の端にある東京都大田区城南島にある海上公園。キャンプ場やスケボー広場などを備えた公園で、羽田空港を離着陸する飛行機を間近に眺められるビュースポットとしても知られている。

 ここの砂浜は貝殻もたくさん落ちており、潮干狩りへの期待も高まる。残念ながら到着した時間がちょうど潮が満ちてくる時間だったため、実際に掘ることはかなわなかったが、話を聞いてみたところ潮干狩りをしている人は多いという。稚貝をまいているわけではないので、アサリなどがとれるとは限らないものの、レジャーとしての潮干狩りを楽しんでいる人は多いそうだ。広々とした砂浜と、外に開けた海、頭上を飛び交う飛行機というロケーションに、自然とテンションがあがってしまった。芝生で遊べる広場もあり、子ども連れでも、大人だけでも楽しめる穴場のレジャースポットといえよう。

 今回は残念ながら「夕飯は貝汁で!」とはいかなかったが、東京の工業地帯にいながらリゾート感覚を楽しめたのが新鮮! 砂を掘るだけでも童心に返って、日頃のストレスをリフレッシュできた気がする。ゴールデンウィークの風物詩ともなっている潮干狩り。人気スポットはそれなりに混むものの、日帰りで簡単に行かれて一日楽しめる。お近くの浜辺にぜひ足を運んでみてはいかが?

【今回訪れた施設】
大森ふるさとの浜辺公園
http://www.city.ota.tokyo.jp/shisetsu/park/oomorifurusatonohamabe.html

城南島海浜公園つばさ浜
http://seaside-park.jp/modules/Top_Jounan/

【東京湾潮干狩りスポット】

◎千葉県

■富津海岸
千葉県富津市富津海岸
http://www.jf-futtsu.com/
【アクセス】電車:JR青堀駅→バス富津公園行き(15分)、車:館山道木更津南ICから富津方面へ国道16号で約15分
【料金】大人:1600円(網袋付き2kg)、小人(小学生):800円(網袋付き1kg)、小人:(4歳~小学生未満)700円(網袋付き1kg)。1kg超過につき800円

■金田海岸
千葉県木更津市北浜町
http://www.kaneda.or.jp/
【アクセス】電車:JR巌根駅、車:東京湾アクアライン連絡道木更津金田ICから約5分
【料金】大人:1400円(2kg)、小人(小学生):700円(1kg)、1kg超過につき800円。

■ふなばし三番瀬海浜公園
千葉県船橋市潮見町
http://www.park-funabashi.or.jp/bay/
【アクセス】電車:JR船橋駅南口から京成バスシステム船橋海浜公園行、車:京葉道路原木ICより約4km
【料金】大人(中学生以上):430円、小人(4歳以上):210円、採取したアサリを持ち帰る場合は100gにつき60円

◎神奈川県

■海の公園
神奈川県横浜市金沢区海の公園
http://www2.umino-kouen.net/
【アクセス】電車:横浜シーサイドライン海の公園南口駅・海の公園柴口駅・八景島駅、車:首都高速幸浦出入口・横浜横須賀道路並木ICから約2.5km
【料金】無料(一人2kgまで)

■走水海岸
神奈川県横須賀市走水海岸
http://members2.jcom.home.ne.jp/motoiya/siohigari.html
【アクセス】電車:京急線馬堀海岸駅から京急バス観音崎行、車:横浜横須賀道路馬堀海岸ICから約1km
【料金】大人(中学生以上):1200円(2kg)、小人(小学生):600円(1kg)、超過1kgにつき600円