小島慶子が実母との確執語る「母が連絡してくるたびに熱を出していた」
母を名前を持った一人の人間として眺めるようになり、やっとわかりました。彼女は幸せになろうとベストを尽くしたけれど、そのやり方が互いを苦しめる形だった。もっと早く距離を置けばよかったけれど、私も「家族を突き放してはいけない」という強烈な呪縛に囚われていた。罪悪感を抱えたくないから「なぜわかってくれないの」「親子なんだから察してよ!」とぶつかっていました。
「いい人だけどちょっと面倒」な相手は2~3カ月に一度会うのがちょうどいい。親も距離を置いていい。それは、互いが解放されて自由になることです。
母への感謝もたくさんあります。私が死にたくなるほど追いつめられても自殺しなかったのは「人生に期待しなさい」と母が言い続けたからです。
今年の春、10年ぶりに世間話をしました。別れ際、「今日は楽しかったよね?」と聞かれた。変わったなと驚きました。今、母への怒りはありません。
母は私の発言に傷ついているかもしれないけど、こうして親子関係を明かすのは、他にもある話だと思うからです。同じように悩む人に参考にしてほしい。でもきっと、両親の棺の蓋を閉じるときには切なさや、やり切れなさを引き受けるのだと思います。
※週刊朝日 2013年12月13日号
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