誕生日会に誰を招待するか、どの親と「お茶」して何を話すのか―――。子どもの友だちづくりや学校生活を心配するあまり、親の関係はこじれやすい。

 とある小学校では、子どもの仲間はずれにつながるトラブルが起きた。

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 ある朝、同じマンションの上級生と手をつないで集団登校してくるはずの男児が、泣きながら1人で学校に来た。教師が声をかけると、

「みんなが置いて行った」

 と訴えた。だが上級生の言い分は異なる。約束の集合時刻では遅刻するため、出発を10分早めることを決め、男児の家にも「ママが伝えた」というのだ。

 この児童たちが住むのは、高収入の家庭が集まるタワーマンション。中でもその上級生の母親は、きつめの言動が目立つ「ボス」格の存在だったらしい。そこで担当教師は、この一家が海外旅行で不在になった夏休み期間を利用して、同じマンションに住む10世帯以上を家庭訪問し、話を聞いた。抜き打ちで母親たちに1人ずつ事情を聴いた結果、ボスを中心にしたグループが、1人にだけ時間変更を伝えず、意図的にその親子を仲間外れにしていたことがわかった。

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