第34回 浪曲を聴いたことがありますか? 菊池まどかの「赤垣源蔵」「壺阪霊験記」

小熊一実
 わたしが企画しているイベントの柱のひとつに、日本の話芸というテーマがある。
 そのひとつが、「築地本願寺寄席」と名付け、2005年から続けて、今年9月で55回を数えた。
 当初は、落語協会の協力のもと、当時二つ目ばかりの若手落語家ではじめたのだが、今やその多くの方が、真打になり、今でも続けて、出演してもらっている。若手や上方の落語家も加わり、おかげさまで、人気公演として継続している。
 現在、参加してる落語家をご紹介すると、東京では、古今亭菊志ん、三遊亭歌奴、柳家三之助、柳家小権太、三遊亭遊一、柳家さん弥、古今亭駒次、鈴々舎八ゑ馬。上方からは、笑福亭瓶二、月亭方正。素晴らしい方たちに出演していただいている。
 今や、落語ブームといわれるほど、落語は人気があるが、ほかの話芸も、ぜひ、体験していただきたい。

 わたしの主催した公演の話が続いて恐縮だが、落語の次に催したのが、講談の会だった。こちらは、朝日新聞が出版した『夢の競演 講談赤穂義士伝』の記念公演ということで、人間国宝の一龍斎貞水をはじめ、宝井馬琴、神田松鯉、一龍斎貞山、神田紫、神田山陽と講談協会と日本講談協会の人気講談師が一堂に会するイベントを開催することができた。打ち上げの席で、これだけの講談師がそろうのはとても、珍しいという話で盛り上がったことを覚えている。

 次に、開催したのが『艶姿三人女』(あですがたさんにんむすめ)と題して、講談の神田紫、三味線漫談の三遊亭小円歌、浪曲の菊池まどかに出演していただいた。さまざまな話芸の女性を集めた企画だ。
 菊池まどかと会ったのは、この時が初めてである。
 この時のチラシの文章を紹介したいと思う。

『艶姿三人女』とは

 伝統話芸の中には、落語などに比べると、演じる芸人の数も少なく、もっと接する機会を増やしてその良さを伝えたい話芸がいくつかあります。今回、われわれが自信を持ってお勧めする元気な女流芸人を精選しました。なかなかひとつの会場で一緒に楽しむことができない浪曲、三味線漫談、講談の三種類の話芸を一同に集結させ、ご紹介できることになりました。
 浪曲とは、「曲」と付く通り、音楽の一ジャンル。三味線を伴奏に語ります。庶民の倫理観に裏打ちされた人間の生きざまを謳いあげます。
 三味線漫談とは、三味線を弾きながら、世相などを話題として風刺や批評をまじえた軽妙な話芸です。そのお色気と辛口のユーモアをご堪能ください。
 講談とは、一人で口演する話芸で、落語とよく似ています。座って前に置いた講釈台を貼り扇などで打ちながら軍団・仇討・金襖物・世話物などを、調子をつけて読みあげます。落語が登場人物になりきってストーリーを進めていくのに対し、講談は第三者の視点からストーリーが進む形式が多く見られます。
 日本の話芸である。講談、三味線漫談、浪曲をそろえ、現代を代表するベテランから新進気鋭の東西女流芸人たちが、その芸と美を競います。
*****

 浪曲 菊池まどかは、2005年にデビューし、2006年には、「文化庁芸術祭新人賞」を受賞。同年、新宿御苑にて当時の首相、小泉純一郎主宰「観桜会」に招待され、浪曲で自己紹介をしたという逸話の持ち主だ。

 今回の公演では、師匠の京山小圓嬢が特別出演。
 まどかも、「赤垣源蔵」「壺阪霊験記」と古典を披露する。
 「赤垣源蔵」は、忠臣蔵の赤穂浪士の出陣する別れの名場面。浪曲のほかにも、講談・歌舞伎、落語などでも演じられている。
 「壺阪霊験記」は盲目の夫と暮らす夫婦の愛の物語である。歌舞伎や文楽でも演じられている。
 なかなか接することの少ない、日本の話芸、浪曲を聴きに来ませんか?[次回11/6(水)更新予定]


■公演情報は、こちら
http://kikuchi-madoka.jp/test.html

■菊池まどかのブログ
http://ameblo.jp/kikuchi-madoka/theme-10042485908.html

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