「さっきより良くなった、もう1回歌ってみようよ」と言うと「えーまたやんの~つかれた~休みた~い」で「しょうがないなあ。じゃあ5分休憩」でこどもたち“休む”かというと、そこらへんを元気に駆けずり回っている。「そんなに元気なら、もっと歌えるじゃん」と返すと「休み時間は別腹」みたいな生意気なことをおっしゃる。がっくし。

 で、ここが一番癪に障るとこなのですが、こどもたち本番に強いんです。本番で一番すばらしいパフォーマンスをするのです。いくら口酸っぱく「練習の積み重ねが本番で開花するのだよ」なんて正論を言っても、練習で“手ぬいている子”も本番は輝いてる。ほんとはそれじゃあだめなのよ。トホホのホ。まあ、いつか必ずどーんと壁にぶち当たりなさい!

 話を戻して、改めて「指導」ってなに? たとえばプロ野球界で、伸び悩んでいる高校出てすぐの子(プロ入りした野球で飯食ってる選手を「子」というのもいかがなものか、ですが)がいたら、それはコーチの責任でしょうか? あくまでも、本人が苦しんで試行錯誤して技術を獲得していかなければいけないのでしょうか? コーチの言っていることが肌に合わなかったらどうなるのでしょう? 別に高卒すぐでなくとも、たとえば20代中頃の選手でも、「コーチから教わる」ことと「自分で獲得していくこと」とのバランスを、いったいどうやってとっているのでしょう?

 永遠の謎です。プロ野球のチームが不振に陥ると、すぐに監督やコーチの解任騒動になるのが不思議です。余談ですが数年来の低迷が続く我が千葉ロッテマリーンズ(大ファンです)にも「選手たちの自己責任論」と「コーチ連無能論」の両方が渦巻いています。ファンは辛抱して贔屓のチームを見守ることしかできません。

 さて、そんなことをのたまいつつも、また来年某チームから1月から3月までこどもたちのチームの「臨時コーチ」に入ってくれないかという話しがきています。やるからには、少しでも「良いコーチ」「ピンポイントのアドバイスができる名コーチ」になりたい。そのためにどうしたらいいか、誰か教えて。コーチして! いや。自分で獲得していかないとね。[次回、 7/17(月)更新予定]