――“ベビーカースカウト”ってすごいですね。斬新ですね。

 斬新ですよね。その話を母から聞いたとき、冗談かと思いました。でも本当だったみたいで、母が買い物してるときに、ベビーカーの中にいたところをスカウトされました。だから自分から進んで入ったわけではなく、もう気づいたら芸能界にいたという。あとで母に「2歳の私って、そんなにかわいかったの?」と聞いたら、「いや、そうでもないんだけど」って(笑)。なんか魅力があったんですかね? たった2歳ですよ。

■「山田五十鈴さん、江利チエミさん、寺尾聰さん、渡哲也さんともご一緒させていただきました」

――ということは、最初は赤ちゃんモデルだったんですか?

 そうみたいですね。それから、映画、ドラマ、舞台に出演させていただきましたが、ほとんど覚えていないんです。山田五十鈴さんが“お市の方・淀殿”を演じられた「淀どの日記」(1971年「山田五十鈴舞台生活35周年記念公演」)お茶々役をやらせていただいたり、江利チエミさんが主演した「サザエさん」の舞台でのワカメちゃん役は記憶にあります(1975年チエミ喜劇特別公演「家族そろって忘年会 爆笑第2弾サザエさん」)。

――江利チエミさんは今年で生誕80年、没後35年です。ジャズ歌手としても素晴らしい方でした。内海さんは舞台でワカメちゃんみたいにしゃべっていたんですか? 周りにはタラちゃんやフネさんもいて。

 もちろん。でも細かいことはまったく覚えてないですね。ただ全国を回ったので、なかなか学校に通えず、とにかく東京に戻ってきたらすぐ学校に行くという状況で、ハードスケジュールだったと思います。

――大人気だったテレビドラマ「西部警察」にも出演されています(1980年 第50話「少女の叫び」)。

 子供のころの芸能生活でいちばん記憶に残っているドラマかもしれませんね。あれは中学生のときだったかな。(担当刑事役の)寺尾聰さんと犯人を一緒に探していくっていうストーリーでした。犯人を見てしまった私が、あまりの衝撃で記憶を失って、その記憶を寺尾さんと一緒にたどって、最後に渡哲也さんと一緒に思い出すという……。素晴らしい役でした。ほかにも「仮面ライダー」とか、いろんなドラマで主役をいただいたりとか、すごく恵まれていたんだと思います。

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