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天皇陛下62歳お誕生日 20歳の愛子さまに見せてきた「パパ」の顔【写真11枚】
太田裕子 太田裕子
天皇陛下62歳お誕生日 20歳の愛子さまに見せてきた「パパ」の顔【写真11枚】
62歳の誕生日を前に記者会見された天皇陛下  天皇陛下が2月23日に62歳のお誕生日を迎えられた。今年のお誕生日前日の記者会見では、成年皇族になられた愛子さまについて感慨深く語られた。   20歳の愛子さまについて天皇陛下は、 「愛子は、昨年12月に成年を迎えました。成年に当たっての感想の発表や成年の行事に臨むに当たり、緊張もあったと思いますが、何とか無事に諸行事を終えることができ、私たちも 安堵あんど しました。また、いつの間にか二十歳という年齢を迎え、大人の仲間入りをすることになったことを感慨深く思いました。日頃から、多くの人々に助けられ、支えられているということに愛子が感謝の気持ちを持っていることを親としてもうれしく思っています」  会見でのこの言葉の他、幼い頃の愛子さまのエピソードを交えて成長を語られた。そんな愛子さまに見せてきた天皇陛下の「パパ」の顔で振り返る。 【1】愛子さまのお宮参り 2001年12月に生まれた愛子さま。翌2002年3月「お宮参り」に向かう雅子さまと敬宮愛子さまの隣には、皇太子さま(当時/以下同)が寄り添い、温かな眼差しを向けられる。皇太子さまは42歳。 【1】 【2】パパになって1年、1歳の愛子さまと 2002年12月、1歳の誕生日を迎える愛子さまと皇太子ご夫妻。雅子さまに抱っこされた愛子さまの隣の皇太子さまの笑顔からは成長の喜びが伝わってくる。 【2】 【3】お砂場遊びのバケツを持って海岸遊び 葉山御用邸近くの海岸・小磯の鼻を散策する2003年の皇太子ご一家。皇太子さまはお砂場遊びのシャベルを手に、雅子さまと手をつないで歩く愛子さまと。 【3】 【4】雅子さまから愛子さまの抱っこをバトンタッチ! 2003年、東北新幹線で那須塩原駅に到着された皇太子ご一家。那須御用邸付属邸に滞在するため、JR那須塩原駅に到着し、車に乗り込む雅子さまから愛子さまの抱っこをバトンタッチする皇太子さま。 【4】 【5】ちょっぴりはずかしがる愛子さまにほほえむ 2005年皇太子ご一家は志賀高原で静養へ。JR長野駅に到着、出迎えた人たちに歩み寄ったちょっぴり恥ずかしそうな愛子さまに、思わずほほえむ皇太子さまと雅子さま。 【5】 【6】家族そろってオランダへ 2006年、静養先のオランダに向かう皇太子さまと雅子さまと愛子さまは家族そろって成田空港へ。 【6】 【7】高校入学式に笑顔で 2017年、学習院女子高等科の入学式を前に報道陣からの質問に笑顔を見せる皇太子ご夫妻と愛子さま。入学式は子どもの成長をひときわ感じるものだが、その参列に皇太子さまの笑顔が弾ける。 【7】 【8】八ヶ岳について語り合う 愛子さま16歳に。2017年のお誕生日前に公表されたお写真で、八ケ岳について話す皇太子さまと愛子さま。写真撮影されているのに気づかれていないかと思うほど真剣な語らいが。 【8】 【9】ひとり娘の旅立ちを見守る 2018年7月21日、愛子さまは英国へ短期留学出発前のあいさつのため皇居へ。天皇、皇后両陛下(当時)へあいさつのため皇居に入る皇太子ご夫妻と愛子さま。ひとり娘の愛子さまの海外への旅立ちを見守る。 【9】 【10】愛子さまの会話に耳を寄せて 2020年1月大相撲初場所の観戦をする天皇、皇后両陛下と愛子さま。愛子さまの話を耳を寄せて聞かれる天皇陛下。愛子さまの笑顔が楽しい会話を物語っている。 【10】 【11】父として感慨深き成年行事に 2021年12月5日、皇居・宮殿「梅の間」にて岸田文雄首相ら三権の長からの祝辞を受ける天皇、皇后両陛下と愛子さま。 【11】  天皇陛下は62歳のお誕生日の会見で愛子さまについて、このようにも語っている。 「愛子は、家族との時間を大切にしてくれており、愛子と3人でいると、私たちのだんらん は、笑いの絶えない楽しいものになっています」  愛子さまとの写真でたどった軌跡だけでも笑顔の絶えない楽しさが伝わってきた――。 (AERAdot.編集部 太田裕子)
天皇陛下愛子さま皇室
dot. 2022/02/23 10:57
2000年以降の日本の衝撃 「Qちゃん」全盛、津波被災の「生死の境」
2000年以降の日本の衝撃 「Qちゃん」全盛、津波被災の「生死の境」
シドニー五輪の表彰式で金メダルを手にする高橋尚子  創刊100周年。長い間、国内外で起きた出来事を報じてきた「週刊朝日」。2000年代以降にもさまざまな印象的な出来事や衝撃事件が起きた。その記録を当時の記事から振り返る。 *  *  *  20世紀最後の年となった2000年、時代の寵児に躍り出たのが、シドニー五輪のマラソンで日本女子陸上界初の金メダルを獲得した高橋尚子だ。  本誌はレース直前の9月29日号「増田明美が解く、3代表『金メダル』への方程式 五輪女子マラソン」で、ロス五輪代表の増田明美さんによる展望記事を掲載した。 <高橋さんにとっていちばん大きいのは、自信です。(中略)以前の高橋さんには、ランナーとしてのもろさを感じるときがありましたが、今は本当にタフになりました>  と、高橋の実力に太鼓判を押した増田さん。この記事ではさらに、坂の多い難コースの勝負ポイントを現地入りしていた担当記者が実際に自転車で完走して確かめた。 <三十五キロ付近から丘にある住宅街を走る。アップダウンの連続は、試走した選手の「ゴールに近づくほどタフになる」「まるでジェットコースター」という表現がぴったりだ。記者もバテてきて、上りで何度か自転車を押して歩いた>  実際のレースでは、高橋は34キロ地点でサングラスを投げ捨ててスパートし、ライバルを突き放して勝利。「Qちゃんスマイル」で国民的な人気者となった。あれから22年。増田さんはこう振り返る。 「日本のお家芸マラソンで、ついに世界の頂点に立った!という大きな感動がありました。高橋さんはスタート前に(歌手の)hitomiの歌を聴いて踊り、レース後は『楽しい42キロでした』と満面の笑みで振り返った。マラソンの『耐える』イメージが『明るく楽しい』ものに変わり、市民ランナーの増加にもつながったと思います。レース前に(監督の)小出義雄さんと高橋さんは『タンポポの綿毛のようにふわふわと42キロの旅に出る』という歌を詠んだ。そのとおりのレースでしたね」 世田谷一家殺害事件の被害者となった宮澤みきおさんの家族写真  この年の暮れには、現在も未解決の陰惨な事件が起きている。12月30日夜から翌大晦日にかけ、宮澤みきおさん(44歳=当時、以下同)、妻・泰子さん(41)、長女・にいなちゃん(8)、長男・礼君(6)一家が自宅で何者かに惨殺された世田谷一家殺害事件だ。犯人は犯行前後11時間以上も家の中にとどまり、冷蔵庫を開けてアイスクリームを食べたり、被害者のパソコンを操作したりするなど奇異な行動を取ったことが判明している。  07年1月5・12日号「『真相を教えて』被害者の父が初手記『6年目の新事実』」では、みきおさんの父である良行さんが心境を明かした。  事件発覚後、親族からの電話で現場に駆け付けるも、前夜の行動を聞かれるなど矢継ぎ早に質問を浴びせられたこと。遺体確認の際に孫の後頭部に触れようとすると「触らないで!」と強い口調で注意されたこと。警察の冷淡で事務的な対応には違和感があったという。 <私たち遺族にとって、殺人という非現実的な出来事は受け入れがたい大きな衝撃でしたが、警察の人々にとってはありふれたひとこまにすぎないのかと、やりきれない思いが込み上げました>  事件から6年を経てもなお、犯人逮捕に至っていないことについては、こう綴っている。 <発生当初から、私は自分が生きている間に犯人が捕まらないこともあるかもしれないという心の準備を常にしてきたつもりです。最悪の結果も予想し、そうなったとしても仕方がないと、いつも自分に言い聞かせています>  良行さんは12年に肺炎で亡くなった(享年84)。事件は未解決のままだ。  津波による大きな被害などで1万8千人を超える死者・行方不明者を出したのが、11年3月11日に起きた東日本大震災だ。  地震発生直後の被災地を本誌記者5人が取材したのが、3月25日号の「大震災『奇跡の生還』 本誌記者が被災の現場で見た、聞いた 福島・宮城・岩手・青森踏破ルポ」だ。 東日本大震災の津波で船や家屋が押し流された宮城県気仙沼市の市街地  現地入りした一人の藤井達哉(現・朝日自分史編集長)は地震発生時、北海道で取材中だった。東京から東北へ向かう便が運休となる中、新千歳空港から福島に飛び、取材を始めた。  記事では福島県相馬市で、間一髪で津波から逃れた60代男性の、こんな証言を掲載している。 <「津波だ。逃げろ!」  すぐに車に飛び乗った。道端には近所の人たちが20人ぐらい固まっていた。 「早く逃げろ!!」  車窓から叫び、走り続けた。バックミラーに、真っ黒い波が家の残骸とともに塊となり、ものすごい高さで押し寄せるのが映った。後ろに車が5台ほど続いていた。濁流はどんどん近づいてくる。無我夢中で車を飛ばし、高台のバイパスにたどりつくと、後続の車両は3台になっていた。 「おれの後ろはダメだったんだ。おれもあと少し遅れたらダメだった」>  津波の被災現場は高圧電線の鉄塔すらひしゃげて倒れ、何もなくなっていた。翌日には福島第一原発で水素爆発が発生したが、知らぬまま現場で取材を続けた。藤井は当時の取材をこう振り返る。 「ぎりぎりで生き延びた人もいれば、目の前で家族を失った人もいた。話を聞いたすべての人が、ものすごい体験をしていた。多くの人が見ず知らずの記者である私に話をしてくれたのは、誰かに話さないと気持ちの整理がつかなかったせいかもしれません」 (本誌・大崎百紀) 週刊朝日2022年2月25日号より) ※週刊朝日  2022年2月25日号
週刊朝日100周年
週刊朝日 2022/02/22 16:00
冬季五輪で「きょうだいアスリート」が多い理由 成田童夢が語る「コーチ不足の事情」と妹・今井メロの存在
冬季五輪で「きょうだいアスリート」が多い理由 成田童夢が語る「コーチ不足の事情」と妹・今井メロの存在
平野歩夢(右)と弟の平野海祝  北京五輪もいよいよ大詰め。今大会ではきょうだいアスリートの存在感が目立つ。スピードスケートの高木菜那(29)・美帆(27)姉妹、スノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢(23)・海祝(19)兄弟、ノルディック複合の渡部暁斗(33)・善斗(30)ほか、女子ハーフパイプの冨田せな(22)・るき(20)姉妹、スキージャンプの小林潤志郎(30)・陵侑(25)兄弟など。アイスホッケーでは姉妹が3組も出場しているほどだ。  調べてみたところ、今大会のきょうだいアスリートの出場は過去最多の計20人(10組)で、2021年夏の東京五輪と比べても数が際立つ。冬競技にきょうだいアスリートの出場が多いのはどうしてなのか。妹の今井メロさんとともに活躍し、スノーボードハーフパイプ代表として2006年のトリノ五輪に出場した元日本代表の成田童夢さんが、その理由を語った。 ――今大会の日本代表のメダルのうち、半数以上がきょうだいアスリートによる獲得です(2月17日時点)。出場数の多さも目立ちますね。  冬競技は、昔からきょうだいアスリートが多かったかなと思います。特にスノーボードのきょうだいは多く、トリノ五輪に一緒に出ていた村上史行選手も、兄の大輔選手と共に兄弟で活躍していました。  改めて考えてみると、スノーボードってきょうだいしかいないですね(笑)。今大会ではスノーボードが男女ともにきょうだいで出場していたということで、より目立つようになったのかなと思います。 ――冬競技にきょうだいアスリートが多くなる要因は、どんな点にあるのでしょうか。  冬の競技は、家族のサポートがないとできないスポーツばかりです。子どもの頃は練習場所まで行くために、たいていは親の送り迎えが必要になってきます。親は下の子を放っておくわけにはいかないので、車で一緒に連れていく。下の子は兄や姉の練習している姿を見ているうちに、自分もやりたいと言って同じ競技を始めるケースは多いと思います。  そして、コーチが少ないというのも、だいぶ影響していると思います。冬競技に共通して言えることとして、コーチが圧倒的に少ないんです。 北京五輪出場の「きょうだいアスリート」 サッカーや野球だったら地域ごとに誰かしら教えることのできる人がいるものですが、冬競技は特殊な競技なので、コーチが身近にいない。そうなると、父親がコーチ役になって、家族ぐるみでやることになる。お父さんが上の子を指導しているうちに、下の子も教えるようになるケースは多いです。  ただ、教える役の親が一流の競技者であるとは限りません。親子2代にわたって世界大会で活躍していた例はあまり見ません。あくまでも私の推測なのですが、自分(父親)が実現できなかった夢を子どもに掴ませてあげたいという方が多いのかなという印象があります。 ――親の影響も多分に影響しているんですね。成田さんには2歳の息子さんがいますが、将来的に「わが子に世界の舞台で戦ってほしい」と思うことはありますか。  うーん、大変さも身に染みて分かっているので、生半可な覚悟ではやらせられない。競技者になれば学校生活にも影響しますし、友達と過ごす時間も限られてくるので、すべての青春を捨ててでもやりたいのかと聞いたうえで、本人の意見を尊重すると思いますね。  私としては自分がやっているスポーツを好きになってほしいですし、2歳の息子にスノーボードを体験させてはいます。ただ、それでハーフパイプの選手を目指させようとは考えていない。競技者になるかどうかは別問題ですし、最終的には本人次第かなと思っています。 ――成田さんがスノーボードを始めたきっかけも、親の影響だったのでしょうか。  そうですね。スノーボードを始めたのは8歳からでしたが、もともと父親の趣味がスキーだったので、父に連れられる形で、5歳の頃からスキーをやっていました。はじめは私だけ付いて行って教わっていたんですけれど、翌年から当時4歳ほどの妹も一緒に行くようになって。小さな妹を家に残して母に子守をさせてしまうのは大変なので、それなら一緒に連れて行こうとなったようです。  弟の緑夢(ぐりむ)も、同じ流れで、2歳でスノーボードを始めています。スキー場の宿とかで、親が弟のおむつを替えていたのが懐かしいです。あれよあれよと、皆で行くようになりましたね。 ――下の子になるほど、始める年齢が早かったのですね。 男子ノーマルヒル2回目を終え、小林陵侑(右)は兄潤志郎と抱き合う  うちに限らず、下の子のほうが相対的に早く始めることが多いです。そして、上達スピードも早い傾向があります。親がコーチ役をしている家庭が多いので、一番上の子にはああでもないこうでもないと言いながら指導しますが、下の子には良かったことだけ取り入れて練習させ、教え方も洗練されていく。  成田家でも、弟の緑夢が一番才能があると言われていました。下の子は上の子の背中を見て育つので、(例え早く始めなかったとしても)どんどん上手くなっていくことがあるんですよ。平野海祝くんは、たしかソチの大会で歩夢選手の姿を見て、自分も同じ場所に立ちたいと思って始めたそうですが、その後、驚異的なスピードで成長し、わずか8年で代表になっています。 ――妹の今井メロさんとは年も近いですが、一緒に練習していたのでしょうか。  競技者になってからも、基本的には一緒に練習していました。コーチ役の父がハーフパイプの下を陣取って、父が見ている中を滑ります。お互いの滑りを見て、「ここを直したほうがいいんじゃないの」といったことを言い合いますね。ただ、年も近かったので、当時は普通にケンカしますし、お前に言われたくないよとなる(笑)。  それでも、まだ男女だったからよかったというのはあったのかなと思いますね。同じカテゴリの中で戦っていたら、もっとバチバチしていたんじゃないかなと思います。 ――兄弟で競技に打ち込んできたことによって、プラスになったと感じることはありますか。  お互いに切磋琢磨できる。私は妹の成績に追いつこうとしていましたし、逆に妹は技術面で追いつこうとするといったバランスで、お互いの向上につながっていたのだと思います。 ――妹の成績は、常に意識していましたか。  正直、常に意識していましたね……。練習量もほぼ一緒でしたし、男女でくくりが違ったとはいえ、出る大会は一緒なので。自分がスランプ気味の時に向こうが調子良ければ、やっぱり悔しい。当時は10代なので露骨でしたね(笑)。 ――2005年のバルドネッキア(イタリア)大会では、妹のメロさんと、兄妹で表彰台に立っています。 成田童夢(事務所提供)  妹が1位で、私が3位でした。妹のほうが良い順位なので多少の悔しさはあったんですけど、それよりも世界の舞台で同時に表彰台に立てたというのは、うれしさが勝りましたね。これが同じ男子だったら悔しいという気持ちが先走っていたと思うので、男女でよかったなと思います。 ――ライバル・仲間・戦友……関係性としては、どんな表現が一番近いのでしょうか。  チームメイトでもあり、ライバルといったところですね。今思えば、厳しい練習を乗り越えられたのは、きょうだいがいたからこそ。兄妹でやっていなかったら、私は五輪の舞台に立てていなかったなと思いますし、そこに至るまでに挫折していただろうなと思います。  もし一人っ子だったら、やめたいと言ってやめる可能性も全然あったと思いますが、兄妹で練習していれば、くじけそうになっても「あいつが頑張ってるからもうちょっと頑張ろうかな」と思えます。兄妹でやってきたからこそ五輪に出場できたのだと思っていますし、切磋琢磨できる存在がいて良かったなと思います。 (構成/AERA dot.編集部・飯塚大和)
スノーボード北京2022
dot. 2022/02/19 10:00
医学部入試合格率、初の男女逆転 「女性差別」はなくなった?全国80大学男女合格率データ
医学部入試合格率、初の男女逆転 「女性差別」はなくなった?全国80大学男女合格率データ
入試不正が明るみになり、東京医大正門前で抗議活動する人たち(2018年8月)  大学の医学部医学科の不適切入試が2018年に公になってから約3年半。文部科学省が公表した21年度の全国国公私立大学医学部の合格率で、男性13.51%、女性13.60%となり、データがある13年度以降、初めて女性が男性を逆転した。男性が女性より合格率が高い大学の割合も70.37%(18年度)から44.44%(21年度)になった。目覚ましい変化だが、あれから不当な差別はなくなったのだろうか。データをもとに、医学部の入試差別に詳しい予備校に実態を聞いた。 *   *  *  2018年7月、東京医科大の理事長が文部科学省の私立大学支援事業に選定する見返りに、文科省元幹部の息子を一般入試で加点して合格させた問題が発覚。これを受け、8月に文科省は全国81大学の医学部医学科を対象とした緊急調査を実施した。12月に最終報告を発表し、10大学の入試に「問題がある」と指摘した。  指摘されたのは、東京医科大、日本大、聖マリアンナ医科大、岩手医科大、昭和大、順天堂大、北里大、金沢医科大、福岡大の9私大と、国立の神戸大。神戸大を除く9私立大学は、「日本私立学校振興・共済事業団」の判断で、国からの私学助成金の不交付や減額を受けた。不利益を受けた元受験生らによる裁判に発展したケースもあり、大学による是正が進んでいる。このうち、「性別で差別をした事案」として指摘を受けたのは、順天堂大、東京医科大、北里大、聖マリアンナ医科大の4大学だ。  医学部予備校「ACE Academy」(東京)代表で医師の高梨裕介さんは、不正入試が発覚した翌年である2019年度からの変わりようをこう話す。 「例えば、第三者委員会から『女性差別を否定できない』と指摘されていた昭和大では、1年次に入る寮の収容人数のため『男性7割、女性3割』という入学者の配分があると医学部受験業界では噂されていました。ところが、問題指摘を受けてから昭和大に合格する女性が塾生にも増えましたし、実際に進学した当塾の塾生から『大学側が寮を変えるとバタバタしている』という報告を受けました。これまで、入学者数で差をつけている大学を受けない女子学生もいましたが、今では受験生の認識も変わっています」 【表1】医学部入試合格率 国公立編1  一方、2018年度入試における女性差別を指摘された大学のなかには、今年の1月末になって、やっと受験料の返還手続きが始まったところもあるという。 「順天堂大を受験して不合格になり他大学に進学した元塾生に、受験料返還に関する書類が届いて、該当の1年分だけで約20万円戻ってくると聞きました。自主的に受験料等を受験生に返還した大学と、裁判になって手続きに時間がかかった大学とで対応が分かれましたが、不正があった大学を受けたことで、他に可能性のあった大学を受験することができなかったわけですから、お金だけの問題ではありません」(高梨さん)  文科省は、医学部医学科について、各大学の受験者に占める合格者の割合を男女別に集計し、それぞれの合格率を毎年公表している。表は、文科省が公表している男性合格率について、入試不正が問題化した2018年度入試から2021年度入試まで、大学別に4年間の男女の合格率の推移を示したものだ(全81大学のうち、女子のみの東京女子医大を除いた80大学)。1.00より多い大学は男性の合格率が高く、低い大学は女性の合格率が高いことを意味している。冒頭に示したように、2021年度入試全体では、男女の合格率が逆転した。 「比較すると、全体的には是正されているのがわかりますが、問題指摘を受けた私立大以上に男女の合格率の差がこの数年で小さくなっている国立大があることが気になります。文科省から性別による差別を指摘されたのはすべて私立大で、国立大はなかった。しかし以前から女子が受かりにくい国立大は明らかにあり、本当に女性差別がなかったのか、疑問が残ります」(高梨さん) 【表2】医学部入試合格率 国公立編2  神戸大を除く国立大、公立大で入試不正がなかったかを改めて文科省に尋ねると、「不適切であると指摘した大学以外の71大学は適正に入試が行われていた」と否定。国公立大で女性より男性の合格率が高い大学が散見される理由については以下のように説明する。 「国公立大は、募集人数の母数が私立大に比べて少ない。その少ないところで男女の合格者数が数人入れ替わるだけで合格率が変わってくる。国公立大が年度によってばらつきがあるのはそういった理由があるのではないかと思っている」 【表3】医学部入試合格率 私立編  一方、高梨さんはこうみる。 「2021年度に男女の合格率がフェアになったり逆転したりした国公立大のなかには、この間に女性差別が改善された大学もあるのではないか。私立大は私学助成金のカットを受けましたが、逃げて得した状態の大学もあるのではないでしょうか」 ■多浪生は? 制度による新たな懸念も   女性と同様に差別的な扱いが指摘されていた「多浪生」はどうだろうか。不正発覚当時、文科省は過去6年間の受験者数と合格者数などを年齢別(18歳以下、19歳、20歳、21歳、22歳以上)でデータを公表していたが、2019年度以後は集計していない。その理由を文科省はこう説明する。 「2018年度で調査を終了し、その中でも男女別に関しては社会の関心が高く、国会等でも言及があったので、引き続き集計することになった。文科省は大学に対し、大学自らが男女別や年齢別の情報を積極的に公表するよう、19年度に事務連絡している」  多浪生に関しては「改善されているかは不明」と高梨さんは言う。 「入学者のデータしかありませんが、ある大学は、2019年まで3浪以上が8人いたのに、翌年からゼロになりました。実際にどのような選考が行われているかはわかりませんが、データをみる限り、多浪の受験生が受けにくい大学はあります」(高梨さん)  女性差別の問題について高梨さんは、入試を突破して医師になっても、その先で制度的な差別が生じないかを懸念しているという。その一つが、専門医認定で2018年度から始まった「シーリング制度」だ。これは、第三者機関である日本専門医機構が都道府県別に将来的に必要な医師数と養成数を基にシーリング(採用人数の上限)数を設置するもの。専門医の質の担保と、医師の地域偏在や診療科偏在を是正する目的で始まったものだ。 「病院へ就職する医師に人数制限が設けられたわけですから、当然そこでも審査が行われます。この時に、男女がフェアに審査されているかどうか、注目する必要があります。大学と病院は連携していますから、入試が公正になっても、次はシーリング制度によって差別する可能性が防げないのではないか」(高梨さん)  厚生労働省に、シーリング制度において男女差別を防ぐ対策があるのかを尋ねると、「診療科ごとに採用を決めるのは医療機関なので、その中で男女の比率が設けられているかは承知していない」としている。日本専門医機構でも、「専攻医(専門医になるために研修を受けている医師)を労働力として雇用する病院側の問題」で、採用における男女差について「介入する権限がない」と回答した。ただ「現代社会において出産および子育て支援というのは必要不可欠な問題」として「厚労省の医師の働き方改革には積極的に協力していく」という。  長時間労働が可能な男性を採用したいという考え方が根底にあるがゆえに生じていた医学部入試における男女差別。その先にある医師の労働環境改善が、差別解消には欠かせない。(AERA dot.編集部 岩下明日香)
医学部大学入試差別
dot. 2022/02/19 08:00
悠仁さまの筑付合格の吉報が吹き飛んだ「作文」引用問題の余波 OBは報道に首をかしげる
永井貴子 永井貴子
悠仁さまの筑付合格の吉報が吹き飛んだ「作文」引用問題の余波 OBは報道に首をかしげる
秋篠宮さまと悠仁さま(宮内庁提供)  ここ連日、悠仁さまに注目が集まっている。秋篠宮家の長男、悠仁さまが筑波大付属高校(東京都文京区)の入学試験に合格し、4月から進学する。しかし吉報がもたらされた日に、悠仁さまのコンクール入賞作文で引用元を明記せずに酷似した文章があったと週刊誌が指摘。宮内庁も認めた。果たして悠仁さまの高校生活に影響はないのか。 *     *  * 問題となったのは、「小笠原諸島を訪ねて」と題された作文。小学校5年生の時に紀子さまと小笠原諸島を訪れた際の豊かな自然や住民との交流についての思い出をつづったものだ。  昨年に学校の夏休みの課題として、北九州市文学館が主催する「子どもノンフィクション文学賞」に応募。悠仁さまの作文は、中学生の部で佳作に入選し、表彰式にオンラインで出席していた。作文は、同館のホームページに他の入選作とともに掲載されている。 その中の文章でいくつか、指摘された参考資料とほぼ表現が変わらないまま作文に使われているのだ。筑波大付属高校への合格が発表された同じ16日、『週刊新潮』の報道によって世間の知るところとなった。  同文学賞の募集要項には大きな文字でこう書かれている。 <見て、聞いて、調べて、自分の言葉で書いてみよう>  さらに、応募上の注意事項にも次のように記載がある。 <他人の文章を勝手に使ってはいけません。使う場合は、「」で囲んだり、段らくを落としたりして、自分の文章と他人の文章の区別がつくように工夫してください。また、どこから用いたかも必ず書いてください>  「酷似文章」の指摘を受けた宮内庁と悠仁さまの対応は、迅速だった。宮内庁は、「引用元を明記せず、不十分だった」とすぐに事実関係を認め、主催者側への連絡を行った。さらに、「悠仁さまは、指摘に感謝なさっている」と本人からのメッセージを公表した。  大手新聞やテレビ各社も「作文」の一件を全国ニュースで報道し、明るい合格のニュースも吹き飛んだ格好となってしまった。  「しかし、各社が一斉に全国ニュースで報道する必要があったのでしょうか」 秋篠宮さまの話に耳を傾ける悠仁さまと佳子さま(宮内庁提供)  そう首をかしげるのは、経済評論家で元参議院議員の藤巻健史さん(71)だ。藤巻さんは、筑波大学付属校に小学校から高校まで通った筑付OBだ。 「大人でもうっかりすると参考文献の文章と自分の文章が混じったり、無意識に似た表現になったりしてしまうことはある。ましては作文を書いた一昨年の夏は、悠仁さまはまだ13歳。参考文献の記載や引用の注釈を忘れたことについて全国のニュースで報道するのはあまりに酷ではないか」  当然、筑波大付属高校で同級生となる子どもたちの耳にも入っているだろう。入学後の友人関係に影響しないだろうか。 「筑波大付属の生徒は、15、16歳になるとぐっと精神面でも成熟している子が多い。全国ニュースとして報道された悠仁さまのつらい気持ちもよく理解しているでしょう。まして、同級生の背景や過去の行為をあげつらうような品位に欠ける子は、いないと信じています」(藤巻さん)   ここ数年、秋篠宮家は何かと批判にさらされてきた。悠仁さまの成績についてもそうだ。  2019年4月、お茶の水女子大付属中の入学式で新入生が代表宣誓する新しい取り組みが行われた。114人いる中で代表として選ばれたのは悠仁さまだった。この時も雑誌は、「悠仁さまが選ばれたことに違和感がある」「特別待遇」といったふうに選出過程に懐疑的な論調で批判した。  当時、お茶水女子付属中学に宣誓を始めた理由についてたずねると、「国からの予算が毎年削減され、学校の経営が苦しい状況で生徒の母校愛を育むため」と説明。代表となる生徒の選出基準については、「学業を申し分なく修め、豊かな人格的成長が認められる生徒を総合的に判断して選出した」と答えた。  小学校時代から悠仁さまの成績は、学年でもトップクラス。代表の候補に選ばれて、やる意思があるか聞かれた悠仁さまは「やる」と答えたという。  そして今回合格した筑波大学付属高校への進学の件でも秋篠宮家は、批判の対象にさらされ続けていた。  お茶の水女子大学と筑波大の付属校の間で進学を可能にする「提携校進学制度」が始まったのは2016年のことだ。この時から、悠仁さまのための特別制度ではないかとささやかれていた。  紀子さまと学生時代からの友人である女性は嘆いた。 「悠仁さまが、小学校の時期からコツコツと努力を続け、勉強を積み上げて来た事はまぎれもない事実です。それこそ中学受験はなさらなかったが、小学生の夏休みも猛勉強なさっていたと聞いています。中学生になってからは、さらに熱心に机に向かっておられた。人づてに聞いたようなうわさ話をもとに『裏口入学』『特別待遇』などと報じて、一生懸命位に努力する子どもを貶める行為がなぜ許されるのかーー。相手が皇族だからといって、子どもをよってたかって攻撃してよいわけではない。批判する方は、そうした行為を、ご自身のお子さんがされても平気なのでしょうか。そうした点をすこし、考えて欲しいと感じます」  この2月の吉報と騒動は、悠仁さまにとって大きな経験になっただろう。  悠仁さまの「作文」騒動が、全国ニュースで報道すべだったかという点は、賛否の別れるところだ。しかし文章は、体験や調査、資料を元に思考を整理する作業が必要で、生みの苦しみを伴う書き手の「作品」でもある。皇位継承順位2位の立場にある悠仁さまには、「指摘に感謝」だけではなく、用いた参考文献の著者に対してご自身で説明する姿勢も求められるのではないだろうか。  ただし、高校合格を勝ち取った努力は本物だ。春からは人生の中でも素晴らしい時間となる高校生活が待っている。(AERAdot.編集部 永井貴子)
作文入試悠仁さま皇室秋篠宮家筑波大学付属高校
dot. 2022/02/18 14:10
号泣のワリエワは“周りの大人”の犠牲者か ドーピング「カネと名声だけが動機ではない」と専門家
上田耕司 上田耕司
号泣のワリエワは“周りの大人”の犠牲者か ドーピング「カネと名声だけが動機ではない」と専門家
フリーの演技を終えたワリエワ  北京五輪のフィギュアスケート女子シングルで、カミラ・ワリエワ(ROC=ロシア・オリンピック委員会)の演技に世界中の視線が注がれた。禁止物質の陽性反応が出ており、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が競技への出場は認めたものの、身の潔白が証明されたわけではなかった。結果は、ミスを連発して4位。演技が終わるとリンクで泣き崩れた。この問題をどのように考えるべきなのか。ドーピング問題に詳しい専門家に意見を聞いた。 *     *  * ドーピング問題で揺れるワリエワは15日、女子シングルのショートプログラム(SP)に出場し、1位で通過。17日のフリーの演技に世界中の注目が集ったが、ジャンプでは着氷でバランスを崩して手を突いたり、転倒して尻餅をついたりした。ステップでも足元が乱れ、動揺がそのまま演技に出たような痛々しい姿。見ているこちら側の胸が締め付けられるようだった。 結果は4位。一部では「周りの大人の責任」「彼女は被害者」「こんなかたちで傷つけるなんて」と15歳の少女に同情票が集まっている。その一方で、表彰台を逃したからといって、ドーピング問題が帳消しになったわけではないという声もある。 「いろんな選手にメチャクチャ影響が出ているというのは間違いない。報じられていることが真実ならば、ワリエワさんは出場すべきではなかったと思いますよ」 ドーピング問題に詳しい、名桜大学人間健康学部スポーツ健康学科の大峰光博准教授によると、ドーピング違反を指摘されたアスリートは「知らないで飲んだ」「自分の意思ではない」という弁明が多いという。 「これまで、『うっかり飲んだ』でドーピング違反となり、出場停止になった選手はたくさんいるんですよ」  ことの発端は、ワリエワが出場した昨年12月25ー26日のロシア選手権までさかのぼる。この大会で、ロシア反ドーピング委員会(RUSADA)が検体を採取。2月8日になって、ストックホルムの検体分析機関が検体から、禁止物質「トリメタジジン」に陽性反応を示したと報告して騒動となった。  検出された「トリメタジジン」は狭心症の薬で、血流を促進する作用があるという。 「アスリートが使えば、持久力を向上させる効果があるでしょうね。持久力向上の禁止物質で有名なのは他にも『エリスロポエチン』というのがあり、通称エポと呼ばれ、海外の自転車競技の選手がそれをよく使っていました」 ショートでは1位につけたワリエワ  さらに米国のニューヨークタイムズはワリエワ選手の検体から検出された薬物は「トリメタジジン」を含めて3種類あり、禁止物質ではないが、心臓病の治療薬としても使用されている「ハイボキセン」と「L-カルニチン」と報じた。この3つを組み合わせることで、持久力や酸素利用効率がより向上するようだ。  ストックホルムの検査機関の報告を受け、RUSADAはワリエワを一時的な資格停止処分としたが、ワリエワは9日に不服申し立てをし、その日に処分を解除された。これを不服とした国際オリンピック委員会(IOC)、国際スケート連盟(ISU)、世界反ドーピング機関(WADA)などがCASに提訴していた。  スペインのスポーツ紙「マルカ」は、ワリエワ選手の母親と弁護士は「彼女の体内で見つかった低レベルのトリメタジジンは、クリスマスの日に、心臓の薬を服用している祖父とグラスをシェアしたことが原因の可能性がある」と説明したと報じた。 「仮に、ワリエワさんが祖父のクスリを誤って飲んだしまったという報道が真実だとしたら、自身の不注意だったというのを認めたことになりますので、もう出場資格がないですよねという話になってしまいます」  真偽のほどはわからないが、不服申し立てをしていることからワリエワは「意図的なドーピング違反ではない」と主張していると思われる。過失ならば、許されるのだろうか。 「過去の処罰や制裁の例では、“うっかり”が認められなくて処分されています。人間はウソをつけます。意図的にやりましたと言うより、『いや、うっかりしていました』と言ったほうがイメージがいい。摘発する側も、意図的だったという証拠を見つけて立証するというのはすごく難しいことなので、”うっかり”であっても処分をするというのが必要になってくるんです」  そもそも、五輪で競技に出場できたのは暫定的な措置でしかない。ワリエワが女子シングルに出場できるか否かはCASの判断に託されていたが14日、CASは出場を認める裁定を下した。一方で、陽性反応や団体戦の結果については別途検証するとしており、 “グレーな決着”と、世界中で物議をかもした。  CASが今回、ワリエワの出場を認めた理由は、WADAの規定で、法的能力が十分ではない16歳未満の「要保護者」であることだった。本来ならば、長期の資格停止処分となる違反であっても、期間が短くなることや、資格停止を伴わない「けん責」となることもある。  大峰氏はこう指摘する。 女子SPの演技を終え、採点を待つカミラ・ワリエワ 「CASの根拠は苦しいですね。これでは16歳以上と16歳未満の選手が違うルールで同じ競技をやっているということになってしまう。ただ、16歳未満の『制裁の緩和』というのは、私もあっていいと思いますが、たとえば出場停止処分の期間を短くするという話ならわかります。出場をスンナリ認めてしまうというのは『制裁の緩和』というレベルを超えていると思います」  ワリエワの問題は今後の検証を待つとして、なぜドーピング違反は繰り返されるのか。ロシアは組織的なドーピング問題の制裁措置を受け、五輪は3大会連続でロシア代表を名乗れず、ドーピング違反歴がないなどのクリーンな選手がROCとして、五輪に参加してきた。 「過去のドーピング違反の事例においても、ロシアのケースでは亡命をし、『私は国家的ドーピングを強要された』と声明したアスリートもいました。一言でドーピングと言っても、合意のもとでさせるケースもあれば、知らずに飲食物に入れられているというケースもあるんです」  旧東ドイツでは『これはパワーアップするジュースだよ』と言われ、アスリートが禁止物質を飲まされていたこともあったそうだ。 「その後に健康被害が出た。それは裁判を通して明らかになりました」  数年前には日本でもドーピング違反に関する衝撃的な事件があった。ある選手がライバルの飲み物に“盛り”、違反にさせたのだ。代表の座をめぐり、若手の台頭に悩んだ末の犯行だったという。 「禁止物質というのは、ものすごい種類があるんですよ。それをたとえば夕食に入れてしまえば、知らずに食べてしまうこともありえます」  逆に、薬物を熟知していれば、大会期間中にはドーピングにひっかからないように対策もできる。 「アメリカの自転車競技の選手のケースが有名です。大会の時には禁止物質がスッと消えるように調整していた。自分一人では無理なので、医師がバックアップしていたとされています。WADAや日本アンチ・ドーピング機構(JAD)は、アスリート側で調整できないように、抜き打ち検査を実施しているんですよね。ドーピング検査をする側とされる側での駆け引きはけっこうすごいですよ」  アスリートが家で食事をしていて、突然、検査員がやってきて、血液や尿の検査を抜き打ちでもやっているという。 「メダル獲得がその後のアスリートの人生を保証してしまう国もありますね。スポンサーなどがついて何億円も稼げて、事実上の保証になることもある。だからこそ、リスクを承知の上で、医師やコーチと組む。国にとっても威信につながる」  ただ、選手心理としては、カネと名声だけが動機ではないという。 かくいう大峰准教授自身も、大学時代、水泳、自転車ロードレース、長距離走の3種目を行なうトライアスロンをやっていて、ドーピングをしたいという欲求にかられたという。 「トライアスロンは持久力が求められる競技です。私は、大学時代最後のインカレで、正直、ドーピングに手を染めたい、ドーピングがあれば飲みたいという衝動にかられました」  インカレで優勝したところで、一生分のお金が稼げるわけでもない。 「カネとか名声に関係なく、とにかく勝利したかった。その種目に熱中しているアスリートというのは自分の種目で勝つことが、自分のアイデンティティになっていますので、負けるということは自分の存在意義を否定されることにもつながります。だからこそ、卑怯な手を使ってでも勝ちたいという思いを持ったということですね、正直…」  結局、薬物に手を染めることなく、結果は11位だった。満足いく範囲だったが、思いとどまった理由についてこう語る。 「1秒でも早くゴールし、一つでも順位を上げて本当は入賞したかったのですが、学生だったのでドーピングといっても、どんな薬をどこから入手したらいいかもわからなかったのです。エリスロポエチンの使用が可能な状況だったとしても、使用することはなかったと断言できる自信はありません」  健康面から考えると、ドーピングに手を出すべきではないと考えるのかと思いきや、そう単純ではないという。 「ドーピングの制度の中に『TUE』(治療使用特例)という制度がありまして、たとえば病気を持っているアスリートはこのクスリを使いたいと申請して認められれば、ドーピング規定の中に入っている禁止物質でも使用が免除される。ドーピングにかかわる禁止物質が健康状態を改善させるということはあるんですね。だから、禁止物質使用イコール健康を害するからダメとはいえないのです」  そもそも、トップアスリートが競技に取り組むこと自体が健康にいいこととは限らない。 「スノーボードで金メダリストとなった平野歩夢選手は、空中でのワザは『命がけで挑んでいる』とも発言していましたね。競技によっては、危険も伴う。フィギュアスケートの選手だって、ジャンプを繰り返すために足腰を痛める方も多い。トップアスリートというのは心身の限界のところでやっているので、時には健康を害する場合がある。それと比較してドーピングのほうが絶対的に健康に悪いかとういと、何とも言い難い。健康を論拠としていくとどうしても行き詰まりが出るというのがドーピング問題の難しいところです」  ならば、なぜドーピング違反は「悪」なのか。個人的な見解として次のように話した。 「ドーピングありの試合に合意する未来が到来すれば、結論は変わってくるかもしれません。しかし、現時点において、選手を含め私達はドーピングのない試合に合意し、その実現を目指しているためです」  ワリエワのドーピング疑惑は混沌とした状態が続きそうだ。(AERAdot.編集部 上田耕司)
ドーピングフィギュアスケートロシアワリエワ北京2022
dot. 2022/02/18 08:44
ドーピング疑惑のワリエワ出場に批判殺到の一方で「人格否定はやめよう」の訴え
ドーピング疑惑のワリエワ出場に批判殺到の一方で「人格否定はやめよう」の訴え
カミラ・ワリエワ  ドーピング問題の渦中にいるフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(ROC)への批判が強まっている。  ワリエワは異次元の強さで今季世界最高点を何度も更新してきた。複数の4回転と豊かな表現力を武器に、北京五輪の団体戦でもショート、フリーで共に1位になり、ロシア・オリンピック委員会の団体戦金メダルに大きく貢献。ところが、昨年12月にロシア選手権で出場した際に禁止薬物トリメタジジンが検出されたことが判明。ロシア反ドーピング機関(RUSADA)は暫定資格停止処分を科したが、選手側の異議申し立てを受けてRUSADA規律委員会が解除。この決定を不服として、国際オリンピック委員会(IOC)などが訴えたが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は16歳未満の「保護対象者」に当たることなどを理由に挙げ、訴えを退けた。  女子シングルスに出場したワリエワは15日のショートプログラムで1位の82・16点をマークしたが、アスリートや専門家たちは怒りを示した。米NBCで解説を担当した元米国の代表ジョニー・ウィアー氏はワリエワの演技中に言葉を発さず、試合後に「クリーンな選手と競争させるべきでない」と思いを綴った。また韓国でも解説者による「無言の抗議」が行われたという。  ワリエワがシングルスに出場したことは、他の選手にも影響を及ぼしている。日本の坂本花織はSPで出色の出来栄えで自己ベストの79・84点をマーク。「ロシア3強」の一角を崩した演技は海外のスケーターたちからも絶賛された。坂本は団体でも銅メダルを獲得しており、個人種目も3位以内に入れば2種目でメダルに輝くことになる。だが、ワリエワが表彰台に立った種目はメダル授与式が行われない。カナダの五輪団体ペア金メダリストのメーガン・デュハメル氏は「もし(坂本)カオリが3位以内に入って、北京五輪で2個のメダルを取っても、ROCの行いのせいで彼女が罰せられるってこと?」とツイートで怒りをにじませて問題提起。演技終了後に、海外メディアからワリエワの一件に対して質問が集中する事態となり、坂本は戸惑いの表情を浮かべていた。  ワリエワも平常心でいられないのだろう。シングルスの演技後に感情を抑えきれずに涙を浮かべたが、母国・ロシアを除いて同情の声が多いとは言えない。米国メディア「ニューヨーク・ポスト」は現地時間15日付の記事で、ワリエワが提出したサンプルから禁止薬物トリメタジジンの他に、ハイポキセンとL-カルニチンの2種の薬物使用が確認されたと報道。いずれも禁止薬物ではないが、トリメタジジンと同様に持久力向上効果があるとされており、波紋を広げている。 「よほどの大崩れがない限りメダルを獲得するのは確実でしょう。ただ今後の彼女のスケート人生を考えた時にメダルと引き換えに失う代償が大きすぎるのではないか。禁止薬物をなぜ摂取したのかその説明も疑問点が多い。気になるのはワリエワの精神状態です。まだ15歳の子供です。SNS上で批判の声が殺到する中、『罪人』、『悪人』という書き込みも見られる。ワリエワを擁護するつもりは全くないですが、過度な誹謗中傷で日常生活にも支障をきたすほど追い込まれる恐れがある。人格否定は慎むべきでしょう」(スポーツ紙記者)  女子シングルスのフリーは今日17日に行われる。どのような結末が待ち受けているだろうか。ワリエワの動向も注目される。(西川秀之)
フィギュアワリエワ北京2022
dot. 2022/02/17 11:28
学習院より東大で学びたい…悠仁さまの進学報道に宮内庁が異例のクレームをつけた意味
学習院より東大で学びたい…悠仁さまの進学報道に宮内庁が異例のクレームをつけた意味
赤坂御用地を次女佳子さま、長男悠仁さまとともに散策する秋篠宮さま=2021年11月12日午前(写真:宮内庁提供) 小室圭さんの2度目の司法試験が迫っている  春は近い。だが、秋篠宮家の人々には、「春は名のみの風の寒さや」(早春賦)、そう感じる時期がまだまだ続きそうである。  ニューヨークにいる小室眞子さんは、夫・圭さんの2度目の司法試験が2月22と23日に迫る。  仕事は忙しく、休日は眞子さんと一緒に市内散歩を楽しんでいるから、勉強に身が入っていない、合格はかなり難しいのではという見方が主流だと、週刊誌が報道している。  合否が分かるのは4月になるそうだ。もしまた不合格だったら、今いる法律事務所を辞めざるを得なくなるかもしれない。2人の生活はどうなるのか?  しかし、そんな心配は無用かもしれない。眞子さんが昨年のクリスマスに元駐日大使のキャロライン・ケネディさんを訪ねたことがメディアで報じられた。メトロポリタン美術館とのつながりが強いケネディさんに、就職を頼みに行ったのではないかといわれた。  真偽のほどは分からないが、それに続いて、眞子さんにとってありがたい動きが日本であったと、女性セブン(2月17・24日号)や週刊文春(2月10日号)などが報じている。 NY総領事が着任前に異例の接見  女性セブンによれば、1月下旬、秋篠宮家の応接間に恰幅のいい男性が招き入れられたという。彼は新しいニューヨーク総領事に任じられた森美樹夫氏で、東大法学部から外務省に入省して、主にアフリカや開発途上国を担当してきた。  秋篠宮は、2007年に眞子さんを伴ってマダガスカルを旅行したり、2012年にウガンダを訪問したりしているが、そうした公務を通じて森氏と面識ができたようだ。  だが、アフリカ畑の彼がニューヨークの総領事になったのも、総領事が着任前に皇族に接見することも異例だという。 「接見が宮内庁と外務省のどちらの発案で実現したものかはわかりませんが、ニューヨークで暮らす眞子さんを思って、何かと気にかけてほしいという秋篠宮さまの直談判の気持ちがあったのではないでしょうか」(外務省関係者)  森氏は週刊文春の取材に対して、「アフリカ部長をやっていたときにお世話になった。昔からお世話になっていたので、今度(NYに)行きますということでご挨拶に行っただけです」と答え、面識があることは認めている。  ニューヨーク総領事の主な仕事は、「現地の日本人コミュニティと上手く付き合うこと」だという。森氏の前任者も、眞子さんの渡米後に、小室圭さんと面会しているそうだ。  ニューヨークの治安は、コロナ禍でさらに悪化しているといわれる。警護もつけずに外出している眞子さん夫妻に関しての報道を見るたび、秋篠宮夫妻は心配しているに違いない。  気心が知れた総領事がいれば、警備のことばかりではなく、眞子さん夫妻の暮らしぶりも逐次知ることができるはずだ。 次受かれば、彼を見るメディアの評価も変わる  女性セブンは、以前、日本で小室圭さんが勤めていた法律事務所の奥野善彦氏が、彼の留学生活の資金援助をしてくれていた。現在勤めているニューヨークの法律事務所も、奥野氏のコネクションで入社できたと報じている。  彼がフォーダム大学に入学するときも、秋篠宮眞子さんのフィアンセという立場を利用し、授業料を全額免除され、3年間履修しないと修了できないコースなのに2年で卒業している。さらに、就職先に困っても、伝手を頼って大手の法律事務所に入ったりと、常に彼は皇室を利用し、誰かに助けられてここまで来ている、甘えているのではないかと、多くのメディアが批判している。  しかし、この世知辛い時代に、皇室の人間と結婚するからといって、多くの人が、おカネを貸してくれたり、就職を世話したりしてくれるものではない。小室圭という人間が、世渡りは上手だが、能力も誠意もない口先だけの男だったら、これほど多くの人たちが、彼を助けてくれるはずがないのではないか。  彼には、われわれには分からない、どこか秀でたところがあるに違いない。次の司法試験に受かれば、彼を見るメディアの評価も変わるのではないか。 “最愛の姉の味方であり続ける”佳子さま  ところで、眞子さんが結婚して皇籍離脱してから、週刊誌の呼び方が、「眞子さま」から「眞子さん」へと変わった。  姉の敬称の変化を見ながら妹の佳子さんは、自分が「さま」から「さん」に変わるまでには、まだ多くの深くて長い川がある、そうため息をついているかもしれない。  佳子さんは姉の眞子さんを心から慕い、裏表なく支え、結婚を祝福した。  佳子さんが眞子さんを今でも思っていることを象徴するようなシーンがあると、週刊文春(2月3日号)が報じている。  1月18日、宮殿・松の間で開かれた「歌会始」に出席した佳子さんは、「繊細な刺繍が施されたエメラルドブルーのローブ・モンタント姿。頭上のカチューシャのリボンにも、レースがあしらわれている」(文春)。カチューシャをデザインした帽子デザイナーの平田欧子さんは、佳子さんは「眞子さんが以前着けていたカチューシャのように、レースを使ったデザインにしてほしい」とオーダーしたという。  昨年11月に眞子さんから引き継いだ公務に臨むときも、眞子さんから譲り受けたグリーンのスーツを着ていた。 「それはまるで、“最愛の姉の味方であり続ける”という宣言のようだった」(同)  だが、そんな佳子さんの将来を大きく左右する事態が出来しているのだ。 昨年12月に27歳の誕生日を迎えた佳子さま 「皇室を出る」という望みが断たれるかもしれない  今後の皇室のあり方を検討する有識者会議が、安定的な皇位継承を行うために、女性皇族が結婚後も皇室に残るという報告書を提出したのだ。  報告書にはそのほかに「旧宮家の男系男子を養子に迎える」という案があるのだが、先日行われたNHKの世論調査では、「女性皇族が結婚後に皇室に残る」という案には65%が賛成し、反対は18%しかなかったと週刊新潮(1月27日号)が報じている。  ちなみに、「男系男子を養子に」は、賛成が41%、反対が37%と拮抗きっこうしているそうだ。  これが国会で承認されれば、佳子さんが願っているといわれる、「皇室を出る」という望みが断たれることになる。  元皇室担当記者で成城大学の森暢平教授は、佳子さんが昨年10月10日に、日本ガールスカウト運動100周年を祝う「国際ガールズメッセ」の式典にオンラインで参加し、こういう内容のビデオメッセージを寄せたとサンデー毎日(2月6日号)に書いている。 「世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数で、日本は156カ国中120位にとどまりました。この現状はとても残念なことですが、日本においてもジェンダー平等をめぐり努力を重ねている方々が多くいらっしゃいます。今後、ジェンダー平等が達成され、誰もがより幅広い人生の選択肢を持てるようになることを、自らの可能性を最大限、生かす道を選べるようになることを、そしてそれが当たり前の社会になることを切に願います」 憲法の矛盾は生前退位と結婚問題で明確になった  国民の間では、女性天皇、女系天皇の是非が議論されていた時期である。自分の弟が天皇になることが確実になっているのに、これは、並々ならぬ覚悟をもった勇気ある発言である。  ネットではすぐに、「政治的な発言ではないか」という非難があったという。保守主義者からの反発もあったそうだ。 「そうした人々から見ると、伝統を体現すべき皇族が、ジェンダー平等という近代の価値観をもとにした発言をすること自体が『許せない』となるのだろう」(森教授)  しかし、男女平等、共同参画社会の実現は、一部を除いては、どの国も目指すべきグローバルで至極当然の考え方である。  日本国憲法4条にある「天皇は……国政に関与する機能を有しない」という条文は、森教授がいうように、「一定の時期までは天皇制を封じ込める役割を果たした。しかし、今は逆に、天皇・皇族の人間的なあり方や人権を奪う規定となってしまった。  憲法の矛盾は、平成の天皇(現在の上皇さま)が退位の自由を求めた意思表明、そして、眞子さんの婚姻の自由の権利行使で、明確になった」と、私も考える。  天皇も皇族も意見や意思を持った一個の人間である。それを制限される現状をこそ見直されるべきであるはずなのに、いまだに「天皇は男系男子に限る」として女性を排除するなど、現代人の感覚からズレているというしかない。 皇族の歴史上初のジャンヌ・ダルクかもしれない  眞子さんは黙って自分の意思を貫く女性であった。佳子さんは、発言もし、実行力も伴った、皇族の歴史の中で初めて出てきたジャンヌ・ダルクかもしれない。  しかし、佳子さんに残された時間は少ない。女性皇族が結婚しても皇室に残るという案が国会で了承されないうちに、彼女をここから連れ出してくれる結婚相手を見つけなくてはいけない。 「普通の男性は皇族相手だと腰が引けてしまいます。小室さんのような鋼のメンタルの持ち主でなければ難しそうです」(辛酸なめ子=週刊新潮1月27日号)という見方もあるが、私はそうではないと考える。  佳子さんのように自分の意見を明確に持つ素敵な女性を結婚相手にしたいと思う男性は、少なからずいるはずである。そんなナイトが現れて、“囚われのプリンセス”を連れ出し、2人だけで暮らす日が近いうちに必ず来る。 姉の眞子さまをハグする佳子さま “進学先報道”に宮内庁が異例のクレーム  さて、次世代で唯一の“皇位継承者”である悠仁さんも、この春は大きな変化のときである。  近々、悠仁さんの進学する高校が発表される。週刊文春はかなり前から、筑波大学附属高校に決まったと報じていた。  だがこうした報道に宮内庁が異例とも思えるクレームをつけたのだ。1月24日に文書で、「一般論として、受験期を迎えている未成年者の進学のことを憶測に基づいて毎週のように報道するのは、メディアの姿勢としていかがなものか」と発表したのである。  週刊文春や週刊新潮をはじめ、さまざまな週刊誌はこう報道している。悠仁さんが通っているお茶の水女子大附属中学と筑波附属高校は2017年に「提携校進学制度」を結んでいるが、それは期間限定の制度で、悠仁さんを入学させるために特別につくられたのではないかというものだ。そうした報じられ方が気に障ったのだろうか。  女性セブンはこれには前段があると見ている。1月21日に秋篠宮の側近である加地隆治皇嗣職大夫の定例会見で、記者が進学報道について見解を求めたという。  だが大夫は、回答を避けて質問を持ち帰ったそうだ。持ち帰った先は秋篠宮夫妻のところで、「ご夫妻のご意向が反映されている文書と考えるべきでしょう」(宮内庁関係者)  さらに28日の定例会見では、佳子さんの結婚にまつわる報道にも、皇嗣職大夫が「遺憾である」といったという。 「一定の基準を設ける」が今回の苦言につながったのか  秋篠宮は、昨年11月の誕生日会見で、眞子さんの結婚をめぐる週刊誌報道について、「作り話が掲載されていることもありますが、一方で傾聴すべき意見も載っており、すべてを否定する気にはなれません」と述べた。  間違った記事への対応については「一定の基準を設けて、それを超えた時には反論するとか、そういう基準づくりをしていく必要があると思います」とし、「宮内庁とも相談しながら考えていくことは必要」だと発言していた。  その秋篠宮発言について宮内庁も、情報発信のあり方を研究していくとコメントしたが、それが今回の発言になったのだろうか。  佳子さんの結婚問題は別として、将来天皇になる悠仁さんの高校進学について、あれこれ報じられるのは致し方ないのではないか。悠仁さんが学習院高等科ではなく、どこの高校を選ぶのか、大学はどうするのかは国民的な関心事である。  あくまでも週刊文春によればだが、お茶の水中学の秋篠宮に近い保護者の話として、「秋篠宮ご夫妻が東大進学を望んでおられる」「東大ヘは推薦で入学するという青写真を描いておられる」と報じている。  特に母親の紀子さんが熱心で、紀子さん自身も東大と縁が深い。紀子さんの父、故川嶋辰彦氏は東大経済部から大学院に進んでいるし、弟も東大大学院で獣医学の博士号を取得している。  悠仁さんはトンボなどの昆虫に関心を持っているといわれ、東大農学部には応用昆虫学や昆虫遺伝学の研究室もあるそうだ。 帝王学の基本が「民の声を聞く」ことであるなら…  秋篠宮夫妻は、皇室の人間だから、特別な制度や推薦を使ってやすやすと有名校へ入れるといわれるのが嫌なのかもしれないが、私は、そんなことを気にする必要などないと思う。  中にはこういう声もあると週刊文春(1月27日号)が報じている。 「悠仁さまは将来、天皇になられるお方。ですが、筑附のような進学校では、日ごろの勉強に割かれる時間も多くなるでしょう。東大を目指すとなれば尚更です。そうなれば、天皇になるための“帝王教育”にまで手が回らなくなるのではないかと、心配する声が挙がっているのです」(宮内庁関係者)  宮内庁の中には、悠仁さんの教育のためにしかるべきお方を呼ぶべきではないかという声もあるというが、秋篠宮は「そういうのが良いとは限らない」と否定的だという。  天皇家の歴史や歴代天皇たちの遺徳を知るのも大事だろうが、帝王学の基本は「民の声を聞く」ことであると、私は考える。そのためには、ある種閉ざされた学習院ではなく、筑波大学附属や東大で学ぶほうが、悠仁さんにとっていいのではないだろうか。  4月には総工費約33億円といわれる秋篠宮邸の改修拡張工事が終わって、秋篠宮家が引っ越すといわれている。その頃には、小室圭さんの司法試験の合否が判明して再び大きな騒ぎになるかもしれない。  秋篠宮家にゆったりと暖かい春が訪れるのは、少し先になりそうである。 元木 昌彦(もとき・まさひこ)ジャーナリスト1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、近著に『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。Facebook 
佳子さま皇室眞子さま
プレジデントオンライン 2022/02/14 17:35
「週刊朝日」がついに創刊100周年!各界著名人が本音で語る「週刊朝日に『私は言いたい』」
「週刊朝日」がついに創刊100周年!各界著名人が本音で語る「週刊朝日に『私は言いたい』」
「週刊朝日」の創刊号(当時は毎月5日、15日、25日発行の「旬刊朝日」。4月2日発売分から「週刊朝日」)が1922(大正11)年2月25日に発行されてから幾星霜。日本最古の総合週刊誌である本誌は、ついに100周年を迎えました。記念の号となる今週号(2月25日号)では、時代を築いたゆかりの人たちによる祝辞、思い出、反省、苦言、提言などを集めたメッセージ集「週刊朝日に『私は言いたい』」を掲載。さらに、吉永小百合さんの「祝福」撮り下ろしカラーグラビア&インタビュー、表紙で振り返る100年など、特別企画が目白押しです。そのほかにも、北京五輪フィギュアスケートで羽生結弦選手が見せた「魂の4回転半」、脳研究者の池谷裕二さんの連載500回突破を記念したアナウンサーの安住紳一郎さんとの特別対談、作家の佐藤愛子さんをお迎えした林真理子さんの「ゲストコレクションスペシャル」など、記念すべき号を飾るにふさわしい豪華なラインナップでお届けします。 週刊朝日2/25号※アマゾンで予約受付中  創刊100周年を記念した特別企画「週刊朝日に『私は言いたい』」では、本誌ゆかりの各界著名人が、今だから話せること、立身出世の舞台裏、週刊誌のあるべき姿など、それぞれの思いを語りました。1970年代から90年代にかけて本誌の表紙写真を担当した篠山紀信さんは、名物企画「女子大生表紙」の第1回となった宮崎美子さんについての思い出話を披露。劇作家の鴻上尚史さんは、村上春樹さんによる連載「村上朝日堂」が終わった後に始めた連載「鴻上夕日堂の逆上」にまつわるエピソードを明かしました。名物グルメレポート漫画「恨ミシュラン」を連載した漫画家の西原理恵子さんは「コータリン(神足裕司さん)とまた『介護食ミシュラン』を始めたい」、獄中から本誌に連載していた堀江貴文さんは「週刊朝日の連載の思い出、特にないですねぇ」……賑やかで活気に満ちた10ページは、読み応え十分です!  その他の注目コンテンツは、 ●豪華グラビア 吉永小百合インタビュー & 表紙で振り返る「週刊朝日」100年カラーグラビアページは、100周年を記念した特別編成。俳優・吉永小百合さんによる独占「祝福」インタビューに加えて、「週刊朝日」の100年間を飾った表紙の数々を一挙に掲載します。中でも、1978年から97年まで表紙を撮影した写真家の篠山紀信さんの手による、時代を象徴するスターたちの写真は必見。吉永小百合さんはもちろん、山口百恵さん、夏目雅子さん、松田聖子さんなど、ここでしか見られない秘蔵写真が満載。本誌が創刊された大正時代の息遣いが感じられる「創刊号ダイジェスト」もお見逃しなく。 ●伝説は終わらない…北京五輪フィギュアスケート・羽生結弦の「魂の4回転半」北京五輪最大の注目ポイントの一つだったフィギュアスケート男子・羽生結弦選手の3連覇は惜しくもかないませんでした。転倒のリスクを厭わず、4回転アクセルという前人未到のジャンプに挑んだのはなぜだったのでしょうか。世界が注目した魂の4回転半への軌跡を振り返りました。銀メダルの新星・鍵山優真選手と銅メダルの宇野昌磨選手の「切磋琢磨」の関係性についても注目しました。 ●池谷裕二さん×安住紳一郎さんスペシャル対談 「安住さんのアドリブはAIには無理」脳研究者・池谷裕二さんの連載「パテカトルの万脳薬」が500回を突破したのを記念し、池谷さんがコメンテーターとして出演する「新・情報7daysニュースキャスター」(TBS系)のキャスター、安住紳一郎さんとの対談が実現しました。安住さんが「先生は情報番組の中では切り込み隊長的な存在」と評すれば、池谷さんは、臨機応変の番組づくりをする安住さんついて「安住さんのアドリブはAIには無理」。息がぴったりなやりとりをお楽しみください。 ●林真理子さんとの対談に作家・佐藤愛子さんが登場! 「98歳まで生きたらね。すべてつかの間の戯言です」林真理子さんによる名物企画「ゲストコレクション」特別対談のゲストは、作家の佐藤愛子さん。執筆を始めた意外なきっかけや、多くの作家仲間に囲まれた同人誌時代のこと、借金を肩代わりするも前向きに生きた日々、そして「断筆」後の思いまで……少女時代から作品を愛読するマリコさんに、ひとつひとつ語ってくださいました。 週刊朝日 2021年 2/25増大号発売日:2022年2月15日(火曜日)定価:470円(本体427円+税10%) ※アマゾンで予約受付中!
dot. 2022/02/14 10:59
優勝候補のワリエワ選手がドーピング検査陽性 片頭痛の薬が原因の可能性も
優勝候補のワリエワ選手がドーピング検査陽性 片頭痛の薬が原因の可能性も
北京五輪の団体戦でショート、フリーとも1位になりROCの金メダルに貢献したカミラ・ワリエワ。CASの判断に注目が集まる  北京五輪の団体戦でショート、フリーとも1位になりROCの金メダルに貢献したカミラ・ワリエワ選手。ドーピング検査で陽性となったことが11日に発表され、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の判断に注目が集まっている。AERA 2022年2月21日号の記事を紹介する。 *  *  *  2月9日、衝撃的なニュースが流れた。  発端はフィギュアスケート団体戦のメダル授与式が2度延期され、国際オリンピック委員会(IOC)のアダムス広報部長が「国際スケート連盟(ISU)と法的な協議が必要になった」と発表したことだった。その後、ロシアの有力ニュース媒体が、カミラ・ワリエワ(15)がドーピング検査で陽性となったと報道。検出されたのは微量のトリメタジジンで、心臓へ流れる血液量を増加させ狭心症などの治療に使われる。検体は昨年12月にロシア選手権で採取されたものだという。11日には五輪のドーピング検査を管轄する国際検査機関(ITA)が、ワリエワの陽性を正式に発表した。 ■シングルへの参加は?  ワリエワは、複数の4回転を武器に持ち、今季世界最高点を何度も更新してきた。表現力もあわせ持ち、“女子史上最強の選手”とも言われる。強豪がひしめく今季のロシア選手権と欧州選手権も制していた。  シングルに先だって行われた北京五輪の団体戦でもショート、フリーとも出場して1位になり、ロシア・オリンピック委員会(ROC)の団体戦金メダルに大きな貢献をした。またオリンピックで初となる4回転を成功させた女子という記録も作り、個人戦でも圧倒的な優勝候補として注目されていた。  陽性反応が正式に発表されたため、本来ならROCの団体戦の金メダルだけでなく、ワリエワの2022年欧州選手権のタイトルの剥奪、15日から開始される女子シングルへの参加資格も停止というのが通常の処分だろう。  ところがロシア反ドーピング機構(RUSADA)はワリエワを暫定的に資格停止にしたが、9日にワリエワ側から異議申し立てがあり、事情聴取の後に暫定資格停止を解除。IOCはこの決定を不服とし、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に上訴して判断をあおぐ見通しだ。  事情を複雑にしているのは、世界反ドーピング機関(WADA)のルールでは16歳未満の未成年に関してはドーピング違反があっても開示義務はなく、処罰も柔軟に対応する、とされていることだ。ITAは今回の発表の際、すでに報道されているため社会的影響力の大きさを考慮して実名を出したと説明した。  フィギュアスケートにおいて、ドーピング違反はそれほど多くないが過去に何度か例はある。00年にはロシアのペアスケーター、エレナ・ベレズナヤが陽性反応となり、欧州選手権のタイトルを剥奪された。検出されたのはプソイドエフェドリンという物質で、医師から処方された気管支炎の薬が原因だった。ベレズナヤは陽性反応が出た日から3カ月間、ISU競技から締め出され、その年の世界選手権にも出場できなかった。  今回、ワリエワの検体から検出されたトリメタジジンも片頭痛の薬が原因になることもあるという。故意ではなかったとしても、ベレズナヤと同じように処分される可能性もある。 ■問いかけには応じず  ワリエワは2月10日の公式練習に姿を現したが、報道陣の問いかけには応じなかった。コーチのエテリ・トゥトベリゼはロシアの記者に対して「ゴシップに関与するつもりはない」と答えたという。  女子シングルが始まるまでに、CASはどのような判断を下すのか、世界の注目が集まる。  そもそもロシアはソチオリンピックでの組織的なドーピング違反で国家としての参加ができない制裁を受けている最中である。15歳のワリエワが本人の意思で故意に違法薬物を摂取したとは考えにくい。だが、このまま出場することになったらどんな成績だったとしても、合理的な公式説明がなければ、世間は納得しないだろう。(ライター・田村明子) ※AERA 2022年2月21日号
フィギュアスケート北京2022
AERA 2022/02/14 10:44
Koki,「名前があり、愛や絆がある」 初主演映画で見つけた宝物とは
Koki,「名前があり、愛や絆がある」 初主演映画で見つけた宝物とは
Koki,/2003年生まれ、東京都出身。18年「エル・ジャポン」の表紙でモデルデビュー。2月18日公開の映画「牛首村」で俳優デビューを果たす[撮影/蜷川実花、hair TAKU for CUTTERS(VOW-VOW) make up yUKI for Loopblue.Inc(M0) styling RyokoKishimoto(W) costume Valentino]  2月18日に公開される映画「牛首村」で俳優デビューを果たすKoki,が演じたのは双子の姉妹。飛び込んだ現場で感じたエネルギーと、演じる楽しさについて語った。AERA 2022年2月14日号から。 *  *  * ――映画「牛首村」は2000年代からジャパニーズ・ホラーブームを牽引してきた清水崇が監督・脚本を務める。「犬鳴村」(20年)、「樹海村」(21年)に続く、“恐怖の村”シリーズの第3弾にあたる。  富山県に実在する心霊スポット、坪野鉱泉を舞台に、不可解な出来ごとに巻き込まれる女子高生姉妹、奏音(かのん)と詩音(しおん)を一人二役で演じる。映画初出演作にして、初主演作となった。 Koki,:撮影が始まったばかりの頃、難しいなと感じていたのは、「集中力を保つ」ということでした。ある程度の長い時間、集中を切らすことなく、カメラが回り始めると同時にピークに持っていけるよう逆算する。そうした感覚は今まで経験したことがありませんでしたが、集中モードに入るにはどうすればいいかが自分なりにわかってくると、次第にコントロールできるようになっていきました。  せりふを覚えるという作業も初めてでしたが、毎回頭の中でシーンをイメージすると、すんなり覚えることができるようになりました。台本は、描写が細かく書かれていて、とてもイメージしやすかった。どんどん前に進んでいくようなストーリーで、ページをめくる手が止まらなかったです。 ■あまりに怖くて泣いた ――奏音は、ある出来ごとをきっかけに恐怖の渦に巻き込まれていく。だが、自身はホラー映画が大の苦手だという。 Koki,:あるシーンを初めて読んだ時は、あまりに怖くて泣いてしまったんです。台本が丁寧に細かく書かれていたこともあって、想像するだけで本当にゾクッとしてしまって(笑)。どのように撮るのだろうと考えているだけで、ゾワッとしてしまうシーンがいくつもありました。 AERA2月14日号の表紙を飾ったKoki,さん>AERA2月14日号の表紙を飾ったKoki,さん  でも、いざ撮影に入ると、笑いが絶えない現場で、雰囲気も明るくて。スタッフの方々が温かく見守ってくださるような現場だったので、安心して撮影に臨むことができました。  清水監督は、「質問があったらなんでも聞いて」とおっしゃってくださったので、自分はどう思うかを含め、なんでもオープンにお話ししていました。  感情を爆発させるお芝居は、感情をどうコントロールすればいいのか、その後、いかに引きずらないようにするかを含め、加減が難しいな、と感じました。逆に感情を抑えるシーンは、「ちょっとした目の動きや瞬きで芝居は変わるので、そこを心がけてね」と監督が言ってくださり、細かい部分にも意識を向けることができるようになりました。  撮影は約1カ月半で終わったのですが、「この後何カ月も撮っていたい」と思うほど素敵な現場でした。緊張感や現場のエネルギーも含め、とても好きでした。 ――モデルの仕事との違いを感じたのはどんなときか。そう尋ね、返ってきた答えには、ハッとさせられた。 Koki,:モデルのお仕事と大きく違うと感じたことの一つは、「演じる役に名前がある」ということです。家族や友達、どう育ってきたかまで、登場人物一人一人に背景がある。さらに、その子がどう成長していくかを一番近いところで見続けることができる。  私が演じる奏音という人物のことを「つかめた」と感じたのは、双子の妹である詩音に対する自分の思いがはっきりとわかった時です。詩音のことを考えると、胸が苦しくなり、本当の姉妹のように思えた。  私自身、姉がいることもあり、二人の間に愛や絆があることも、大切な存在であるということもよくわかります。そんな共通点があったので、役づくりも自分の身に置き換えて考えることができました。 ■家族との映画鑑賞好き ――モデルや俳優といった仕事を通して、「表現したい」という思いは、幼い頃から自然とあったという。 Koki,:芸能の世界で活動している両親の背中を見て育ってきたので、その影響も大きいと思います。 「牛首村」の撮影に入る前も、清水監督の「樹海村」を家族と一緒に観ました。子どもの頃から両親と一緒に映画を観ることが多く、家族で過ごすそうした時間がとても好きでした。  俳優さんで特に好きなのは、ジュリア・ロバーツさんとシャーリーズ・セロンさん。二人の名前を見つけると、「必ず観よう」と思うほどです。観客を物語の中に引き込む力も、作品として強いメッセージを残すようなシーンの演技も繊細で素晴らしいなと感じます。 ――モデルとして、海外で仕事をすることも多い。印象に残った出会いや言葉について尋ねた。 Koki,:特に印象に残っているのは、(フォトグラファーでイラストレーターでもある)ジャン=ポール・グードさんの「すべてを楽しみなさい」という言葉です。グードさん自身、いつも笑顔で楽しそうに仕事をされていて、それが作品に表れていると感じたので、すごく心に響きました。それから、ある女性フォトグラファーがおっしゃった「You need love for everything(なにをするにも愛が必要)」という言葉も、心に残っています。 ――瞳を輝かせ、感情豊かに話す。完成した「牛首村」をスクリーンで見たとき、胸がいっぱいになったという。 Koki,:「1カ月半に及ぶ撮影が本当に映画として完成したんだ」という感動で、ウルウルしてしまいました。観ている間は、「このシーンは、もっとこんなふうにできたかもしれない」と思うことはあったのですが、自分が演じた奏音と詩音の二人がスクリーンに一緒に映っていることにも改めて感動しました。いろいろな感情を胸に、スクリーンを見つめていたと思います。 ■スイッチを見つけた ――現在、19歳。映画出演の経験は、自身にとってかけがえのないものになった、と語る。 Koki,:撮影に参加して、物ごとの捉え方や自分の世界観が大きく変わったと思います。たくさんの経験をさせていただいて、演技に対する姿勢も変わり、演じることの楽しさを知ることもできました。「スタート」の声と同時にパッと切り替える、自分の中のスイッチのようなものも見つけることができました。学ぶことが本当に多かったですし、スタッフの方々の仕事に対するパッションも、肌で感じることができました。  お仕事はすればするほど毎回得るものがあって成長できる気がしています。モデルのお仕事もお芝居も続けて、自分の中の“宝物”を増やしていけたらと思っています。 (構成/ライター・古谷ゆう子)※AERA 2022年2月14日号
AERA 2022/02/13 11:30
平野歩夢スノボ男子金メダル 72歳スノーボーダーが「まだまだ進化し続ける」
平野歩夢スノボ男子金メダル 72歳スノーボーダーが「まだまだ進化し続ける」
スノーボード男子ハーフパイプ平野歩夢選手  北京五輪スノーボード男子ハーフパイプ決勝で、2大会連続銀メダルの平野歩夢が、大技「トリプルコーク1440」を成功させ金メダルに。  平野歩夢は東京五輪ではスケートボードに挑戦し、“二刀流”と称されたが、五輪でも注目度が増しているXスポーツ(X系/エクストリームスポーツの略称)のスケボーやスノボーは、どちらかと言うと若者のスポーツのイメージが強いが、72歳のスノーボーダーがいた。  *    *  * 「各地で行われているスノーボードの草大会の優勝者って、10代後半から20代が中心で、中には中学生もいたりする。だから、20代後半ではもうおじさんですよ。大会で上位入ってくるのは大概若い子。そんな勢いのいい若い子たちから僕は刺激を受けています。20代の一緒にスノーボードをやっている子たちの5倍とか6倍の練習時間をかければ、僕もついていけるんですよ」  と、話すのは、長野県上田市に住む現在72歳11カ月の甲田康さん。今回の北京五輪のスノーボード男子ハーフパイプの決勝に進出した日本人選手の4人は、平野歩夢選手が23歳、戸塚優斗が20歳、平野流佳選手、平野海祝選手が19歳と若い世代だ。甲田さんは、これらの選手たちが生まれた頃、48歳からスキーを始め、スノボは55歳から始めたと言う。 「僕は平野歩夢選手が出場したハーフパイプの(グランド)トリック系はやらないでカービングです。長野県上田市で生まれましたが、スキーを始めたのは48歳でした。妻からは“スキーに連れて行ってくれない”と、ずっとボヤかれていましたね。息子がスキーをやるようになって、“行ってみようか”というのがスキーのきっかけで、かなり遅かった」  甲田さんが住む長野県の他、雪深い地域の人たちは幼い頃からスキーをやっている人も多いが、甲田さんはむしろスキーが好きではなかったそう。 「長野の人はみんなスキーをやっていると、思うでしょ!?(笑)そうじゃないですよ。子どもの頃、国道が家の前を通っていて、そこをスキー旅行の大型バスが何台も何台も上がって行っていました。小学校の頃、スキーのスクールに連れて行かれて“寒くて、嫌だ”っていう記憶しかなかったから、そのバスの列を見ながら“あぁ、バスで行って着いたら寒いだろうに……”と思いながら眺めていました」 見事なカービングを見せる甲田さん(写真提供/菅平パインビークスノーボードスクール)  そんな甲田さんは職場の人たちとスキーに行くようになり「若い連中と遊ぶならスノボもやってみるかな」くらいの気持ちで55歳からスノボを始めた。 「スキーも我流でやっていましたが、スノボも見よう見まねで、初心者用の本やレッスンマニュアルやDVDを買って、練習を始めました。それでも若い連中とコツコツ練習していて、そこそこ上手くなっていた。そんな時、2011年、SAJスノーボードデモンストレーターの河合美保さんと、たまたま、リフトで一緒になって、“この子、いつもカッコよく滑っているな”と思って、声をかけたんです。彼女もいつもいるおじさんだってわかっていたみたいで。“いつも滑っていらっしゃいますよね。一度、バッジテスト(スノーボードの滑走レベルをチェックする技術認定テスト)を受けたらいかがですか?”と言われました。それで、そのシーズンにバッチテストを受けました」  そこから、甲田さんの“進化”が始まる――。 「技術的に勉強していこうと思って、地元のゲレンデにある菅平パインビークスノーボードスクールでレッスンを受けながら、バッジテスト2級、1級を受けて、C級インストラクターの資格を取った。遊びじゃなくて、自分のための練習しようと思いました。スノボは遊びに行くという感覚は全くなくて、ひたすら練習です。菅平パインビークスノーボードスクール(長野県上田市)に出会えたのは良かったですね」  甲田さんは自身のYouTubeで華麗なスノボのカービングを披露しているが、「古い動画を見られるのは屈辱的」と言う。その動画を見てみると、雪面をまるでなでるかのようなカービングの滑走は、とても70代とは思えない。一体、なぜ屈辱的? 「2年前の滑りは恥ずかしくて見せられない(笑)。コツコツ、コツコツ練習していけば、今年よりも来年のほうが上手い、来年より再来年のほうが上手いんですよ。80歳になった時の滑りのほうが、72歳の今の滑りよりも上だろうなと思います。本当ですよ! 72歳というと、若い人からすると“あぁ~年寄り”って思われますけど、全然違いますよ! ちゃんと伸びしろがあるんですよ。今シーズンは雪質が良くて、コロナ禍のためにゲレンデに人がいなくて、練習するには最高のシーズンで、めっちゃレベルが上がっているんです」 1日おきに練習をしているゲレンデの甲田さん(写真左/写真提供・菅平パインビークスノーボードスクール)  ゲレンデには1日おきに出て、シーズン中は60日程練習をしているそう。北京五輪で躍進するスノーボードの日本人選手たちを見て甲田さんは「仲間」だと言う。 「完全に仲間ですよね。“みんな頑張って!”という気持ちです。スノボ女子パラレル大回転の竹内智花選手が銀メダルをとったソチ大会の直前に菅平に練習にきていたんですよ。だから仲間ですね、向こうは知らないだろうけど(笑)。今回の北京五輪のスノボ女子パラレル大回転の三木つばき選手は、菅平パインビークで彼女が子どもの頃から一緒に滑っていた。お母さんが三木選手を連れて、冬場はずっと菅平に来ていました。お母さんとお話しましたが、三木選手は面白い子でしたよ。そんな10代後半から20代の子たちを見ていて“あぁ~負けたくないな”って思います。だから、練習しているですよ!人の5倍練習して、5倍の密度をかけて、5×5で25倍かかるんですよ。でも、25倍かければ追いつく、何年か前の彼ら彼女らの滑りはできる!自分でからだの作り込みさえできれば、80歳でもスノーボードは滑れます。僕としては70代それがどうした? です」  甲田さんには年齢に対して“持論”があると言う。 「僕の持論を申し上げていいですか? 年齢というのは毎年律儀に取るもんじゃない。僕は50歳まで自分の年がわからないでいたんです。妻と19歳で結婚したんですが、“あ、19歳で僕の時計は止まっていたな”と、50歳の時に気付いたんですよ。だから、50歳の時に成人になったんです。それから、年は毎年取るものではなくて、自分で振り返った時に、“あ、この瞬間、1つ年を取ったな”という年の取り方をしているんです。去年の6月までは29歳。人生において、何か気づきがあったときに年を取ります。平野歩夢選手の決勝の結果の話から、僕のこんな話はパッとしないよね!?(笑)」  甲田さんの「孫と同い年」という平野歩夢選手は、予選後の会見で「完成度は極めたい」と語っていた。甲田さんもまた80代、90代……に向けて完成度を極めているようだ。(AERAdot.編集部 太田裕子)
スノーボード男子北京2022平野歩夢平野流佳平野海祝戸塚優斗
dot. 2022/02/11 12:00
ゆたぼんの言う「ホンマの友達」について、東大卒ママが感じた違和感
杉山奈津子 杉山奈津子
ゆたぼんの言う「ホンマの友達」について、東大卒ママが感じた違和感
杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める  うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格した杉山奈津子さんも、今や小学生の男の子の母。日々子育てに奮闘する中でとり入れている心理テクニックや教育方法をお届けします。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』も絶賛発売中です。ぜひご覧ください。 *  *  *  少年革命家として、学校へ行かない姿勢を貫いている中学生YouTuberのゆたぼんが、「ゆたぼんスタディ号プロジェクト」で日本を回るべく、トラックの購入費用等として目標380万円のクラウドファンディングを行いました。 ■「ホンマの友達じゃない」というゆたぼんの発言  しかし、目標金額までの資金は締め切り直前まで集まらず、その際、ゆたぼんが友人たちへ向けて、このような発言をし、世間をざわつかせました。 「こっちがLINE送ってるのに向こうは既読スルーする人も多くて、結構傷ついています」 「自分の都合のいいときだけLINEしてきて、こっちがホンマに困っている時に無視するなんて、ホンマの友達じゃない」  そしてその後、配信を通じて交流のある人たちに、電話で支援を呼びかけようとした、とのことです。  最終的に、ある企業の社長が100万円の出資をしたことで一気に目標金額に達しました。  そして、あせっていた状態から我に返ったというゆたぼんは、自分の発言を撤回したのです。  DJ社長というYouTuberの、「クラファン(クラウドファンディング)しといたよ」「俺はよく友達を既読無視するし、友達に既読無視されるよ。それでも友達だよ」といったTwitterでの発言を受け、「LINEを既読無視するのは友達じゃないという考え方は間違っていた」と謝罪しました。  また、生配信中に電話をかけようとしたことも、「もっとよく考えて行動するべきだった」とおわびしていました。 「ホンマの友達」ってなんだろう? ※写真はイメージ (c)GettyImages ■中学生が「お金のこと」で友達を定義する違和感  今回の騒動に関して、私は、最も注視すべきなのは「LINEの既読無視がうんぬん」ではないと思っています。 「お金のことで困っているときに協力してくれないのは友達じゃない」などという旨の発言が、まだ13歳の中学生である少年の口から発せられている点にあるのではないでしょうか。  自分の中学生だったころを想像してみてください。  同級生が、「LINEの既読無視をしたから友達じゃない」と言いだしたら、「まあ、幼いからなぁ」ということで、わかる気もします。  しかし、「誰かのためにボランティアしたいから、そのためのお金が欲しい」「もしあなたが助けてくれなかったら、もう友達じゃない」と言ってきたら、どのように思いますか? なんだか違和感を覚えませんか?   大人になってからは、損得感情で動く人間関係も生まれてきますが、中学生時代にこのような「金銭面」で友人の定義を掲げることは、どこか歪(いびつ)だと感じるのです。  ゆたぼんは、同年代の人間と少しずつコミュニケーションを重ね、人間関係を育てていくという段階をすっ飛ばしすぎていないでしょうか。  彼の発言を聞いていると、あまりにも早い時期から、大人ばかりにもまれすぎているような気がしてなりません。 ■学校は勉強をしにいくだけの場所ではない  人間関係に関しては、心理学でもさまざまな研究がなされています。  人との仲を深めるポイントとして特に重要視されるのは、「一緒に長時間いること(接触時間)」「一緒に同じ行動をすること(同期行動)」、そして「相手と信頼関係を築くこと」の三つなのだそうです。  こうした機会を作る場として捉えてみると、学校は、かなりもってこいの場所なのです。  学校に行く目的は、勉強がすべてではありません。  たとえば、私の地元・静岡の、ある小学校では、ディベートをするなど考え方を鍛えることを重視しており、通常の授業が少ないため、勉強面に関しては塾が必要不可欠だと言われています。  つまり、最初から学校を「勉強する場所」として捉えていないのです。  学校は、社会に出るまでのいろんな下準備をするための場所と言えるかもしれません。  そしてその中に、「自分の人間関係について考える場所」という側面もあるのです。 ■友達じゃない人とも「うまくやること」を勉強する  学校で、「友人をたくさんつくってみんなと仲良くしろ」ということが言いたいのではありません。  歌手である甲本ヒロトさんは、「友達」に関して子どもへ向けて、このようなことを言ったそうです。 「クラスメートは、たまたま同じ年に生まれて、近くに住んでただけ。例えば、渋谷から山手線に乗って、『はい、今この瞬間、この車両に乗ってる人はみんな友達ね』って言われてるのとおんなじだよ。そんなの、『仲良くできるかどうかは自信ねえな』って思うでしょう。当たり前じゃないですか。クラスメートと仲良くなんかできるわけないんですよ」(WEBサイト「講談社コミックプラス」の「【対談】甲本ヒロト×堀内厚徳──夢・友達・感動、泣ける波紋を!」から引用)  無理してクラスメートと親しくなる必要性はないことを説いています。  そして、「でも、学校っていうのは、仲良くもないし友達でもないやつと、『うまくやること』を勉強しにいくんです」とも付け足しています。  私自身も中学・高校では、友達をつくるのが苦手だなと感じたこともありました。  女子校だったためみんながグループで固まることも多く、疎外感から、「友達ってなんだろうな」と思ったこともあります。  しかし、大人になってから振り返ると、そうして悩んだことも含め、「人との接し方」について、あれこれ考えるためのいい機会をもらったようにも思います。 ■「ホンマの友達」は、案外、学校にいるのかも  学校には、年齢は近いけれど自分とは個性も環境も異なる、多種多様な生徒がいます。  そんな人たちとの接し方や距離感を鍛える場所だと考えると、学校という場所への認識の仕方も変わってくるのではないかと思います。  不登校YouTuberゆたぼんは、今度、日本全国を回る予定を立てています。  しかし、彼のいう「ホンマの友達」とは何かを考えるヒントは、案外、学校にあるのかもしれません。
東大卒ママ
dot. 2022/02/11 11:30
SP2位で初出場日本人最高位 18歳鍵山優真が躍進した理由
SP2位で初出場日本人最高位 18歳鍵山優真が躍進した理由
北京五輪男子SPで演技をする鍵山優真  2月8日に行われた北京五輪のフィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)は競技前夜、メダル候補の一角であった米国のヴィンセント・ジョウが棄権を発表した。団体戦でフリープログラムを滑った後に、検査でCOVID-19の陽性反応が出たためだ。練習の虫として知られる宇野昌磨ですら舌を巻くほどの鍛錬で、昨年の不調から這い上がってきたジョウ。祖父母が暮らす北京での表彰台を狙っていたが、無念の結果となった。  20か国29人で行われたSPは、世界選手権3連覇中のネイサン・チェンが、現行最高難度の4回転ルッツ─3回転トゥループの連続ジャンプを後半に決めるなどし、世界最高の113.97点でトップに。団体戦SPの好演技で日本チームに勢いをつけた宇野昌磨も、自己最高を更新する105.90をマークして3位に入った。  堂々2位を掴んだのは、今大会が五輪デビューの鍵山優真。昨年の世界選手権でマークした自己最高点を7.16点更新し、108.12点でメダルを射程圏内に捉えた。  幼少期から逸材が脚光を浴びることの多いフィギュアスケートだが、鍵山が注目され始めたのは、そう早い時期ではない。全日本ジュニア選手権ではラストシーズンで優勝するまで一度も表彰台に上がることはなく、中学生時代から四回転を跳んでいた佐藤駿・三浦佳生らほど目立つ存在では無かった。  そんな鍵山への周囲のまなざしが一変したのは、2018─19シーズンのこと。18年末の全日本選手権で6位に入り新人賞を受賞すると、シーズン最後の試合で初めて4回転トゥループを成功させた。翌年は、高校1年生にして全日本選手権の表彰台に上がる(本田武史以来24年ぶり)。ローザンヌのユースオリンピックで金メダルを獲得し、世界ジュニア選手権でもミスがありながら2位。咋シーズンにシニアに上がってからは、コロナ禍にありながらもグランプリシリーズでシーズンをまたぎ3連勝と、破竹の勢いで五輪代表の座を手に入れた。 2016年11月20日、全日本ジュニアの男子フリーの演技を終えた鍵山優真  一気に存在感を増した陰には、コーチを務める父、正和氏の戦略がある。自身もアルベールビル・リレハンメルと2度の五輪代表を経験している正和氏は、まず徹底してスケーティング技術の基礎を鍵山に教え込んだ。現在のロシア女子が身体の軽いうちに4回転などの高難度ジャンプを叩き込むのと比べると、対照的なメソッドと言える。  ぶれの無いスケーティング技術を身に着けた鍵山は、確かな基礎を踏み台に4回転ジャンプを着々と習得中だ。土台が正確であるが故に、一度手に入れた技の精度は高い。8日のSPで跳んだ4回転サルコウは、4.02点の加点をもぎ取った。団体戦フリーで初めて構成に組み込んだ4回転ループでも、0.6点の加点を得ている。  憧れは、宇野昌磨とネイサン・チェン。真似のしようがない羽生結弦では無く、「極上」と称されるスケーティング技術を持つ宇野や、お手本のような四回転ジャンプを跳ぶネイサンの名を挙げる辺りにも、鍵山父子の目指すところが透けて見える。SP後には、憧れの2選手と共に記者会見場に着席し、初々しく緊張しながらも笑みをこぼした。  恐ろしいほどの成長曲線を描いてなお高みを目指す鍵山優真。キス&クライで高得点に喜ぶ様子は天真爛漫で愛らしいが、演技後のインタビューでは「順位の事は気にせず、自分のやるべきことをやるだけ」と、浮ついた様子は一切伺わせなかった。  フリーに進出した24名中、12人がSPで90点台を超える大激戦となった北京五輪。メダルの行方ももちろん気になるが、飛躍を続ける駿馬がこの大舞台でどこまで伸びやかに駆けていくかにも注目したい。(本誌・菱守葵) ※週刊朝日オンライン限定記事
フィギュアスケート男子北京2022鍵山優真
週刊朝日 2022/02/09 20:04
冬季五輪「悪目立ち」やらかし選手たち 韓国から目の敵になったスケーターも
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冬季五輪「悪目立ち」やらかし選手たち 韓国から目の敵になったスケーターも
2006年のトリノ五輪に出場した今井メロ  コロナ禍の厳戒態勢の中、北京五輪が2月4日に開幕。20日の閉会式まで、冬季大会史上最多の109種目が実施される。今季で24回目の開催となる冬季五輪では過去、幾多の名場面が誕生したが、近年は悪い意味で目立ってしまった選手たちもいる。 *  *  * ■「反省してま~す」  まだ記憶に新しい“お騒がせ男”が、2010年バンクーバー五輪にスノーボード・ハーフパイプの代表として出場した國母和宏だ。騒動の発端は出発前の成田空港だった。他の日本選手と同様に正装の公式ウェアを着用していた國母だったが、その着こなしがネクタイを緩め、シャツの裾を外に出した「腰パン」姿。当時21歳。若者の間では見慣れた“着崩し”ファッションではあったが、ドレッドヘアーと鼻ピアス、サングラスという外見も相まって、「乱れている」、「日本代表として相応しくない」と全日本スキー連盟や日本オリンピック委員会に抗議が殺到した。この服装問題によって入村式の参加を自粛した國母。この時点ではまだ擁護する声もあったが、直後の共同記者会見で再び服装について問われた際に、ふてくされた表情で「チッ、うるせーなぁ」と舌打ちし、続けて「反省してま~す」と空返事。火に油を注ぐ形となった。スノーボーダーとしての才能と実力は確かなものがあったが、世間の反感を買った中、五輪本番でも8位と期待値以下の成績に終わった。 ■「ガンガンズンズングイグイ上昇」  國母が出場したバンクーバーの4年前となる2006年トリノ五輪では、女子のスノーボード・ハーフパイプ代表に選ばれた今井メロの『メロラップ』が話題となった。当時18歳。大会前の五輪壮行会に出席した際、トリノへの意気込みをオリジナルラップで表現。マイクを手に「1、2、3、4、ガンガンズンズングイグイ上昇」、「夢に描いたショータイム、デカイ理想は夢じゃない」、「スタート前の深呼吸、夢に向かったフルパワー」と大胆に披露した。だが、このパフォーマンスへの評価が芳しくなく、迎えた大会本番では2回連続で着地に失敗し、あっけなく予選敗退。最後は腰を強打して仰向けのままゴールまでズルズルと滑り落ちた。その無残な結果と『メロラップ』との落差がネタにされてしまい、バッシングの対象にもなってしまった。 ■“悪役”ハーディングの靴ひも  日本人選手ではないが、冬季五輪日本でも大きく報道されたのが、1994年リレハンメル五輪でのトーニャ・ハーディングだ。発端はその年の1月に行われた五輪代表選考会を兼ねた全米選手権での「ナンシー・ケリガン襲撃事件」。その容疑者としてハーディングの元夫が逮捕され、ライバルであったハーディング自身への疑惑が高まっていた中で強引に五輪に出場した。この時点ですでに世界中から「悪役」として目が向けられていたが、実際の大会本番でもテクニカルプログラム(現SP)で10位と出遅れると、続くフリーではなかなかリンクに現れず、失格寸前になってようやく演技を開始するも、1本目のジャンプに失敗した後、突然泣き出して演技を中断。ジャッジ席へ滑り寄り、フェンスに右足を乗せて靴のひもが切れたことを涙ながらに訴えた。結局、ハーディングは再演技を行ったが、結果は8位に終わった。 ■韓国の国民が激怒した「ハリウッドアクション」  もう一人、アメリカ代表で大きな騒動となった選手といえば、五輪3大会で計8個(金2、銀2、銅4)のメダルを獲得したショートトラック界の英雄アポロ・オーノだ。最初の問題は、2002年のソルトレークシティ五輪。1000メートル決勝で韓国代表のアン・ヒョンスと接触して両者転倒となった末に銀メダルを獲得すると、その4日後の1500メートル決勝では、韓国代表のキム・ドンソンが1位でゴールした直前に両手を広げる派手なアクションで走路妨害をアピール。会場の自国民によるブーイングが飛び交った中、審判陣がキムを失格処分とし、アポロ・オーノが金メダルを獲得した。これが一部で「ハリウッドアクション」と揶揄されたが、それから8年後の2010年バンクーバー五輪では、1500メートル決勝で韓国代表のソン・シベクとイ・ホソクが接触して転倒したおかげで銀メダルを獲得。この接触には関与はしていなかったアポロ・オーノだったが、レース後に「もっと失格者が出ることを期待していた。ソルトレークシティの時のように」と発言し、再び騒動となった。 ■油断大敵、金メダル確信も転倒  誰もが知っていた教訓を、冬季五輪の舞台で身をもって学んだ選手が、リンゼイ・ジャコベリスだろう。特設コース上でスピードを競うスノーボードクロスのアメリカ代表として2006年のトリノ五輪に出場。優勝候補として決勝の4人まで順調に勝ち進んだジャコベリスは、ファイナルレースでも序盤からトップを快走すると、後続の2人が転倒し、2位とも大差がついた状態でゴールまで“あと少し”。この時点で優勝を確信したジャコベリスだったが、続くジャンプで、スノーボードクロスの競技には不要な「グラブトリック」を披露。その結果、バランスを崩して転倒。急いで立ち上がったが、後ろから来たターニャ・フリーデン(スイス)にかわされて優勝を逃すことになった。まさに『油断大敵』。ジャコベリスはその後も同種目で五輪出場を続けているが、結果は5位(バンクーバー)、7位(ソチ)、4位(平昌)とメダル獲得ならず。今回の北京大会にも自身5度目の五輪として出場予定で、トリノの悪夢を16年越しに払拭できるかに注目が集まる。
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dot. 2022/02/08 18:00
Sexy Zone菊池風磨くんが恋愛相談 「気持ちが終わっているなら伝えるのも礼儀」
大道絵里子 大道絵里子
Sexy Zone菊池風磨くんが恋愛相談 「気持ちが終わっているなら伝えるのも礼儀」
1月26日に「Sexy Zone Anniversary Tour 2021 SZ10TH」Live Blu-ray&DVDがリリース。風磨くんは放送中のドラマ「ファイトソング」(TBS系、火曜夜10時から)に出演中(写真はイメージです/gettyimages)  月刊誌「ジュニアエラ」の人気連載「Sexy ZoneのQ&Aステーション」。毎回セクゾのメンバーが読者からの質問に答えてくれます。2月号は、菊池風磨くんが、恋愛についての悩み相談にのりました。 *  *  * 【質問】 付き合って3年半の彼氏がいます。初めての彼で、マイペースな私に合わせてくれる優しく心地よい存在です。しかし女子校育ちの私は、漫画のような俺様系の男性に憧れがあり、そういう人と付き合ってみたいという欲望が出てきました。恋愛マスターの風磨くん、私はどうすればいいのでしょう。(えいみー・22歳) 【回答】  恋愛マスターかどうかわからないけど、まぁモテます(笑い)。そんな僕としては、もう、そう思う時点で「終わりの始まり」だと思います。(相談メールを読みながら)「彼のことは好きだし、関係は良好だから、この平和を壊してまで欲望に従うべきなのか悩んでいます」……う~ん、いろいろと挙げてますけど、たぶん、もう気持ちは終わってるんですよ。彼との心地よさより、前に進みたい気持ちのほうが大きくなってきてるんだと思う。  難しく考えすぎてるんじゃないかな。結婚してるわけじゃないんだし、いいんじゃないですか?新しい恋をしても。もし迷ってるんだったら、未知の可能性に飛び込んでみるのもありだと思います。むしろ、そんな迷いを抱えながらズルズルいくほうが彼氏にも失礼だし、未来の“俺様系彼氏”にも迷惑をかけちゃいそうだし、周りの人も傷つけかねないと思う。長く付き合ってるならなおさらね。  恋愛って「自分と相手」という当事者同士の関係性だけじゃなくて、それぞれの友達や家族とかのつながりの輪のなかで、納得して応援してもらえて、初めていい関係性が成り立つと思うんです。恋愛に夢中になるのはいいことなんだけど、友人や家族関係にヒビが入ってしまうのは、ある種、破綻した関係じゃないかな。だから、周りの大事な人たちの顔も思い浮かべてほしいですけどね。 ジュニアエラ2月号  だけど恋愛対象として気持ちが終わってしまったなら、それをちゃんと相手に伝えることも礼儀です。なにもありのままに言うことはないんですよ、「うそも方便」というし。ただ「もう気持ちがないんです」という部分はバッサリいくしかない。別れを切り出すのはしんどいです。切り出す側のほうがつらい部分もあります。でも、その痛みを知ることも大事な体験ですから。自分に素直にね。 ●松島 聡くんからのムチャぶり ジュニアエラの編集長だったらどんな特集を組みたい? ●菊池風磨くんからの回答 「え、難しい~!」と頭を抱える風磨くん。過去のジュニアエラを手に取りつつ、「さっきやったらおもしろかったんで、これの大特集にしましょうか」とQuizKnockのページを開いて見せ、「僕もひらめき系のクイズは得意だし、テレビでやってると見たりします(と、話しながら別の号のクイズを眺める)。あ、そういうことか! 難易度がちょうどいいですね。僕も問題をつくりたいな、伊沢くんに協力してもらって。だから『謎解きクイズノック&風磨』でお願いします!」と回答してくれました。 (ライター・大道絵里子) ※月刊ジュニアエラ 2022年2月号より
ジュニアエラ
AERA with Kids+ 2022/02/07 17:00
高梨沙羅を“沙羅”と呼ぶ幼馴染が語る、子ども時代の印象「スポーツする子に見えなかった」
高梨沙羅を“沙羅”と呼ぶ幼馴染が語る、子ども時代の印象「スポーツする子に見えなかった」
ノルディックスキー・ ジャンプ女子の高梨沙羅  悲願の金メダル獲得を目指す北京五輪のノルディックスキー・ ジャンプ女子の高梨沙羅。その高梨と幼馴染だったのが社会人野球のハナマウイでプレーする大友潤。創部2年で都市対抗野球出場を果たした話題チームの中心選手は、同じアスリートとしてジャンプの女王から常に刺激を受けてきた。 「普段は沙羅って気軽に呼んでいます。でも五輪で多くの情報を目にするとアスリートとして尊敬の気持ちがどんどん大きくなる。高梨さんって呼ばないといけないですね」  笑顔で語り始めてくれたが同じアスリートとしてのライバル心も時折感じさせる。幼少期を知る高梨は世界の舞台に立って国を代表して結果を残した。大友自身もプロ入りの可能性を追いかけ入部したハナマウイでボールを追いかける日々だ。  学生生活は北海道札幌市で過ごした大友が生まれ育ったのは北海道上川郡上川町。小さな町で出会ったのが同い年の高梨沙羅だった。気付いた時には一緒に遊ぶようになり毎日のように北の大地を走り回った。家族ぐるみの付き合いは楽しい記憶として残っている。 「小さな田舎町で町中が知り合いと言ってもいいぐらいでした。年が近い子どもたちで集まり屋外で遊んだ記憶があります。沙羅は身体も小さく口数の少ない女の子らしい感じでした。スポーツをやるようには見えなかったのでジャンプでの大活躍に最初は驚いた部分もありました」 「実家のコンビニ裏にジャンプ台があったのは有名です。子どもが練習できるような小さなものですが当時はお兄さん(寛太氏)が練習に使っていたそうです。僕が一緒に遊んでいた頃は彼女も小さかったですしジャンプには興味を持っていなかった感じでした。お兄さんの姿を見てジャンプを始めたのでしょうね」  高梨の活躍とともに実家がセブンイレブン経営をしていることが話題となり本人もCM出演を果たす。昔から知っている兄・寛太氏とテレビ共演する姿も目にした。上川町での日々を知る大友はそんな2人を見て懐かしさが込み上げ、同時に笑ってしまったとも語る。 社会人野球のハナマウイでプレーする大友潤(筆者撮影)  大友家は小学校に入るタイミングで札幌市へ引っ越した。持ち前の運動神経を生かして中学から本格的に野球を始めた。子どもたち2人が連絡を取ることはなかったが親同士は折を見て連絡を取っていたという。天才ジャンパーとしての高梨の活躍は意識しなくても耳に入ってきた。 「引っ越してからは僕は連絡を取っていません。自分の生活があったし思春期の真っ只中でしたから。親同士は年賀状のやり取りや電話連絡などをしているみたいです。沙羅の情報は小学校高学年くらいからどんどん入ってきた。早くから北海道では有名な存在でしたがどんどん全国区となり、頑張っているなと思っていました」 「結果が出るたびにうちの親も喜んでいました。沙羅のお母さんからも情報を聞くことがあったみたいですね。こうだったらしいよ、と僕にも教えてくれました。テレビで特集なども組まれていましたけどそれ以上に頑張っていたようです。小学校時代からジャンプに集中していて練習時間などは凄かったみたいですね。今もそうですが当時から本当に小さい女の子(現在の身長は152cm)だったので相当の努力をしたのがわかります」  小学校時代から徹底的に練習していたことは有名であり、大友も覚えている自宅裏のジャンプ台で飛び続けた。冬場はもちろん夏場は車輪の付いたローラースキーで飛ぶ練習を繰り返したことはよく知られている。兄・寛太氏、元ジャンプの選手だった父・寛也氏と3人で頂点を目指す日々が続いたという。  大友は高校時代に1度だけ高梨に“ニアミス”したことがある。高梨は12年3月に15歳でW杯初優勝を果たしたことから、夏の高校野球南北海道大会の始球式に招待された(12年7月16日・札幌円山)。 「高校1年夏の大会で沙羅が来ました。その時にうちの親は本人とも会ったそうです。僕も始球式は事前に知っていましたけど会わなかった。大会中だったのでチームに帯同していたし他の部員がいたのもあります。でも今考えると会いずらかった部分もあったかもしれません。当時はすでに遠い存在で雲の上の人になっていましたから」  高梨はW杯では男女通じて歴代最多の61勝、表彰台110回、女子歴代最多のシーズン個人総合優勝4回を記録している。17年にホルメンコーレン・メダルを受賞し、18年の平昌五輪では銅メダルを獲得するなど世界的なトップアスリートとなった。 「勝手に差を感じていたんでしょうね。高校、大学時代までは同じアスリートという感覚すらなかった。他の人たち同様、いちファンとして応援したり結果に一喜一憂していました。自分がプロを目指したいという気持ちになってから見る目が変わった気がします。尊敬できる存在で負けたくない気持ちが出てきてモチベーションの対象にもなりました」  大友は大学時代に急成長、本気でプロを目指したいと思い練習に明け暮れハナマウイへ進んだ。明確な目標が定まったことで同じアスリート目線で高梨を見られるようになったと語る。 「自分も負けないくらいやらないと上を目指せないと感じました。沙羅が小学生の時から頑張っているのは知っていました。早くから海外転戦をして大変な思いもしていたはずです。それに比べると自分は足元にも及びません。また野球は団体競技なのでミスをしてもカバーしてもらえますが、個人競技は自分一人で勝負しているのも凄い。メンタルも強いんでしょうね。五輪で沙羅が頑張っているのは大きな刺激になっています」  オリンピアンと社会人のクラブプレイヤー。立場は違えどアスリートとして大きな刺激を得ていることは間違いない。高梨の五輪でのパフォーマンスは、まもなくシーズンが始まる大友にも大きな力を与えるはずだ。(文・山岡則夫) ●プロフィール山岡則夫/1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍、ホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!公式ページ、facebook(Ballpark Time)に取材日記を不定期更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。
北京2022
dot. 2022/02/05 18:00
北京五輪フィギュア団体戦 メダルの鍵は「ペア」「アイスダンス」で上位を目指せるか
北京五輪フィギュア団体戦 メダルの鍵は「ペア」「アイスダンス」で上位を目指せるか
フィギュアスケート日本代表。大会初日に始まる団体戦の行方が、その後の個人戦をも左右する  北京冬季五輪でメダルの期待がかかるフィギュアスケート団体戦。各国のライバル選手の存在、日本がメダルを獲得するキーポイントとは。「北京五輪」を特集したAERA 2022年2月7日号の記事から。 *  *  *  北京五輪で3度目の開催となるフィギュアスケート団体戦。日本は今回、メダル圏内での戦いに挑むことになる。五輪の先陣を切って2月4日から開幕することもあり、日本代表選手団に勢いを与える価値あるメダルをつかみ取りたいところだ。  団体戦には10カ国が参加し、男女シングル、ペア、アイスダンスの4種目の合計ポイントで順位を競う。ロシアが金の最有力だが、日本と米国が銀メダルを争う位置につける。カナダがメダルを狙っており、日本は気が抜けない戦いだ。  まず予選で4種目のショートプログラムとリズムダンスを行い、1位は10点、2位は9点……という具合に、順位ごとに点数がつけられる。合計上位5カ国が決勝に進む。決勝はフリーを滑り、10~6点の順位点の合計で最終順位が決まる。選手の得点ではなく、順位点が重要になるため、各国の布陣がどうなるか駆け引きにも注目したい。 ■脅威のロシア女子3人  女子ショートは、トリプルアクセルが鍵になるだろう。  ショートは4回転を入れられないルールのため、トリプルアクセルを決めれば一歩抜けられる。日本には今季成功者となった樋口新葉(21)と河辺愛菜(17)、ロシアには手を上げて跳ぶカミラ・ワリエワ(15)がいる。米国のアリサ・リウ(16)は成功者だが、1月の全米選手権を新型コロナウイルスの感染で途中棄権し、回復状況は未知数だ。トリプルアクセルはなくとも演技全体の質で高得点を狙えるアンナ・シェルバコワ(ロシア、17)も、首位争いに絡む力がある。  女子フリーは、ロシア勢が3人とも4回転ジャンパーで、誰が出ても超人的な得点が出ることが予想される。日本勢は、樋口、河辺、坂本花織(21)のうち安定感の高い選手を充てて、2位を狙いたいところだ。  次に男子は、日本と米国の首位争いをしっかりと制することが重要となる。2月4日と6日に団体戦を滑り、8日には個人戦ショートという過密日程だ。調子の面でも精神面でも、大きな影響を残す可能性が高い。  羽生結弦(27)はソチ五輪の団体戦ショートに出場し、首位に立つと、その勢いを個人戦での金メダルに結びつけた。宇野昌磨(24)も平昌五輪の団体戦ショートで100点超えを果たし、個人戦で銀メダルをつかんだ。  一方、平昌でネイサン・チェン(米国、22)は、団体戦ショートで三つのジャンプすべてをミスすると、気持ちを切り替えられないまま個人戦を迎え、ショート17位発進という悲劇につながった。慎重な人選が大切だ。 「舞台慣れ」という面からすると、初出場の鍵山優真(18)は出場が濃厚だ。試合が続くため、体力的に余裕がある若手を団体戦フリーに充てる可能性もある。鍵山は、まだ試合での成功がない4回転ループを五輪のフリーで入れると宣言している。団体戦に出ておけば力試しもできる。  米国勢は、チェンとヴィンセント・ジョウ(21)をどのタイミングで投入するかに注目が集まる。  2人ともショートに高得点の4回転フリップとルッツを入れている。特にチェンは演技後半に「4回転ルッツ+3回転トーループ」の大技を入れ、全米選手権では国内参考ながら115.39点をマークした。またショートであれば4回転を入れないジェイソン・ブラウン(27)も、演技構成点で上位を目指せる。 ■アイスダンスは接戦  またフリーは、チェンが4回転5本の構成で、そのうち4回転フリップが2本。全米選手権では、1本ミスしながらも212.62点と高得点だった。ジョウも4回転5本を入れるが、成功率に波がある。2人とも平昌のリベンジとなるだけに、団体戦を好調で乗り切りたい。  男子はさらに、ロシア勢が急成長しており、気を抜けない。  1月の欧州選手権で286.56点をマークして優勝したマルク・コンドラチュクは18歳。同年齢のアンドレイ・モザリョフは、鍵山が銀だった2020年世界ジュニアの王者。ロシア男子は女子の4回転時代に牽引(けんいん)され、ここ3シーズンで4回転ジャンパーが次々と力をつけている。高得点の4回転が決まれば、上位に入ってくるだろう。 AERA 2022年2月7日号より  日本は男女シングルで首位争いに絡むなか、ペアとアイスダンスがどこまで上位を目指せるかが、メダルの色を左右する。  なかでも注目はペアだ。  三浦璃来(20)・木原龍一(29)組は19年にペアを結成し、急成長している。2人は初めて組んだ日に、ツイストリフトが高く上がり、運命的な相性を感じたという。今季はオータムクラシックで優勝を飾ると、スケートアメリカ2位、NHK杯は209.42点で3位となり、グランプリファイナルの出場も決めていた。ペアの首位争いはロシアと中国が一歩抜けている。日本勢としては3位を目指したい。  そしてアイスダンスは、小松原美里(29)・小松原尊(30)組が出場する。全日本選手権を制し、自信を得た2人がさらなる成長を誓う。ロシア、米国、カナダ、イタリア、中国が上位争いを展開するなか、残る5カ国は170点台での接戦が予想され、一つでも上の順位を目指してほしい。  日本勢初の団体戦メダルに向けて、チームジャパン10人が一丸となって挑む。(ライター・野口美恵)※AERA 2022年2月7日号より抜粋
フィギュアスケート北京2022宇野昌磨羽生結弦
AERA 2022/02/05 07:00
サブカルから原発まで“鳥の目”で日本を見る「職業ドイツ人」、マライ・メントライン
千葉望 千葉望
サブカルから原発まで“鳥の目”で日本を見る「職業ドイツ人」、マライ・メントライン
東京都千代田区の観光アンバサダーとして、神田明神前にある甘酒の老舗・天野屋を取材中(写真=倉田貴志) 「職業はドイツ人」を名乗るマライ・メントライン。幼い頃に見た絵本でアジアに興味を持ち、民族博物館で日本の文化に引かれた。16歳になると、日本の高校に留学。2008年から本格的に日本に住むと、日本語もドイツ語もできることで、通訳、翻訳以外にもさまざまな業界から声がかかる。日本のサブカルやエンタメも大好き。マライ・メントラインを通して見る日本は、新しい魅力であふれている。 *  *  *  コロナ禍の中で開催された「東京2020オリンピック」は、関心のある人にとってもない人にとってもストレスの多い大会だった。緊急事態宣言下の無観客での開催は、五輪にしかない祝祭性をとうに失わせていた。国際オリンピック委員会(IOC)会長のトーマス・バッハによる数々の無神経な発言と行動は、さらに日本人のストレスを倍加させていたように思う。  その時期に読んだある文章が私の目を引いた。ドイツ第2テレビ局「ZDF」の契約プロデューサーとしてドイツ向けのオリンピック報道にあたっていたマライ・メントライン(38)が、「“ぼったくり男爵”バッハ会長に日本在住ドイツ人も『マジ迷惑してます』」という刺激的なタイトルでWebマガジンに寄稿した一文である。 「IOCのトーマス・バッハ会長は、そのあからさまな無神経発言によって、東京オリンピックの『公式悪役キャラ』の座をゲットしたといってもよい存在です」(「女子SPA!」から) 「公式悪役キャラ」という表現に思わず噴き出したが、文中では欧州の伝統的階級社会をのし上がろうとするバッハ会長の野心、パワーの源泉などを同国人として細かく分析、「図々しさと悪びれなさと無神経さがハンパない」と喝破し、爽快だった。多角的な情報収集力と客観的な眼差し。「久しぶりにマライさんに会いたい」と思った。 ZDFのオフィスで。以前は通訳として働いていたが、能力を認められてスカウトされた。もともと映画好きということもあり、観光アンバサダーの仕事では自分で撮影・編集することも楽しんでいる(写真=倉田貴志)  久しぶりと言っても、親しくつきあったことはない。2014年の1月、知り合いの編集者に誘われて何人かで夕食を共にしたとき、たまたまそこにマライがいたのである。不自由なく日本語を話す彼女から渡された名刺には、「ドイツのことならまかせてください」という言葉が添えられていた。ゲームやアニメなど日本のサブカルに強く、一方でドイツのミステリー小説や映画などのエンターテインメント作品を日本に紹介することにも力を注ぐ。日本人の心理に通じた数少ないドイツ人として、通訳やコーディネーター、ドイツ語講座番組に出演。他にもワイドショーのコメンテーターなどあらゆる仕事をしてきたといってもいい。ツイッターでは論理的かつひねりのきいた言葉をつぶやき、3万7千人ものフォロワーを集める。 「池上彰と増田ユリヤのYouTube学園」のゲストとして収録中。この日はドイツの選挙について解説を担当した。ドイツで活用されている「投票マッチングアプリ」の話などにホストの2人も興味津々(写真=倉田貴志) 夫との初対面は「ムカつく」「エヴァ」で11時間話し込む  マライはドイツ最北の都市、キールに生まれた。アジアとの出合いは幼い頃に見た絵本だった。アジア各国の文化が紹介された絵に引かれたマライを、伯母が民族博物館のアジアコーナーに連れていってくれた。そこには侍の刀や着物、「羊」という漢字が書かれた掛け軸があった。 「アルファベットと違う、角をはやした羊の絵のような字がとても格好いいと思いました」  興味が高じて14歳で日本語を習いはじめ、1999年、16歳で日本の高校に留学。留学先は兵庫県姫路市にある県立姫路飾西高等学校だった。わずか10カ月間だったが、ここでマライは濃密な体験をする。 「留学時代の“黒歴史”について話しましょうか」  という言葉とともに語られた数々のエピソードは今聞けば抱腹絶倒だが、母国で自己主張の大切さをたたき込まれた少女にとっては苦労の多い時代だった。制服を着て、「ヘアピンやヘアゴムは黒に限る」という校則を守るため、金髪を黒いピンで留めていた。「逆におしゃれしてるみたいに見えたかも」(マライ)。髪を染めるわけにもいかず、地毛で登校するマライの姿は、「飾西高校に金髪のヤンキーがいる」という謎の噂を呼んだ。 「バカバカしい校則がたくさんありました。なんだか『ルールに従わせる訓練』をさせられている感じでしたね」  ただ、それ以外は楽しかったという。クラスメートとは普通につきあえたし、ドイツにはないという部活の吹奏楽部に入部してフルートを吹いた。友人たちのおかげで日本のサブカルやエンタメに強くなり、関西のお笑いにもなじんだ。帰国する頃にはまわりが驚くほど日本語が上達していた。  ドイツに戻るとボン大学に進学し日本学を専攻。04年、早稲田大学で日本語を集中的に学ぶ別科生として再来日した。 「その年の11月、留学生と日本人の交流会が早稲田で開かれ、主催者に頼まれて私も参加しました。内向的なので本当はあまり大人数の会は得意じゃないんです。だから一番壁際の席を取り、隣の席に荷物を置いてトイレに行きました。戻ってきたらなんと荷物がどかされていて、そこに男が座ってる! ムカつきましたよ(笑)」 「夫は私に本を書いてほしいと思っているけど自信がなくて」というマライ。だが子ども向けの短編小説を雑誌で発表したこともあり、少し前向きに考え始めた(写真=倉田貴志)  それが夫となる神島大輔(51)だった。神島はワセダミステリクラブのOBで、サブカルオタク、軍事オタク、歴史オタクでもある。議論好きな神島は初対面のマライにも議論を吹きかけてきた。 「その時は『エヴァンゲリオン』の話で盛り上がりました。あれって西洋哲学や宗教哲学の表面的な要素を借りている部分も多いんですが、『ヨーロッパ人はそこのところを深読みしすぎるんじゃないか?』とか。交流会だとハードコアな話をするのも限界があったので、別途二人だけでやろうぜという話になりました。オタク的なところが一致しちゃったんですね」(神島)  後日、改めて早稲田の喫茶店で待ち合わせたが、閉店までの11時間ずっと「エヴァ」の話で盛り上がったという。翌年夏に帰国する頃には結婚の約束をしていた。日本とドイツの遠距離恋愛はスカイプなどで乗り切った。マライは08年にボン大学を卒業すると9月に再来日。10月に結婚した。  12月にはNHKのオーディションを受け、「テレビでドイツ語」への出演がスタート。番組内では特に日本語を使うことはなかったが、局内で「マライは日本語の文章も書ける」と評判になって翻訳を頼まれるようになった。それがやがて通訳などの仕事へとつながっていく。英語と違い、ドイツ語ネイティブで日本語も使える人材はそれほど多くない。翻訳・通訳という枠には収まらない細かな仕事もこなすうちにどんどん応用力がついた。さらに大きな仕事が彼女に与えられるきっかけとなったのは、皮肉なことだが東日本大震災である。 (文・千葉望) ※記事の続きはAERA 2022年2月7日号でご覧いただけます。
現代の肖像
AERA 2022/02/04 17:00
小島よしおが「親友に仲間外れにされている」と悩む小3女子に伝えたい「心の握手」とは
小島よしお 小島よしお
小島よしおが「親友に仲間外れにされている」と悩む小3女子に伝えたい「心の握手」とは
小島よしおさん「ボクといっしょに考えよう」(撮影/松永卓也=写真部)  仲良しだった友だちに仲間外れにされて悲しいと相談を送ってくれたのは小学3年生の女の子。数多くの子ども向けライブを開催し、YouTubeチャンネル「おっぱっぴー小学校」も大人気の小島よしおさんが子どもの悩みや疑問に答えるAERA dot.の本連載。小島さんが考える友だちとの適切な距離とは? *  *  * 【相談9】仲良しだった友だちが、他の子と仲良くなって私を仲間外れにします。悲しいです。ベストフレンドだと思っていたのに。どうしたらいいですか?(みーみ・小学3年生・女子) 【よしおの答え】 みーみちゃん、よしおに相談してくれてありがとう。なかなか人に言いにくいことを口に出すのはすごくしんどいよね。でも勇気を出してSOSを送ってくれてうれしいよ。  仲間外れってつらいよね。よしおもその気持ち、わかるよ。仲良しの先輩が他の人と遊んでいてさみしくて、すねたことがある。よしおが35歳くらいのころの話なんだけど……(笑)。大人でもすねちゃうぐらい悲しいことだから、小学3年生のみーみちゃんは、もっとずっと悲しいよね。  よしおも小学5年生のころ、仲良しの友だちが他の友だちと仲良くなって、しばらく疎遠(親しくなくなる、という意味だよ)になったことがあるんだ。ただ、そのとき僕は気にすることもなく、別に友だちを作って過ごしていた。そうしたら、中学2年生くらいになったころ、その疎遠だった友だちとまた仲のいい関係に戻ったんだ。  大人になってからもおなじようなことがあったよ。芸人になってから、ほぼ毎日会うような仲のいい先輩がいたんだけど、僕が引っ越しをするタイミングであまり遊ばなくなった。だけど、その4年後にはひょんなことから一緒に暮らすようになった。仲良しだった人と一度関係が遠くなったとしても、何年もたってからまた仲良くなることもあるんだ。  人との関わり合いのなかで僕が大切にしているのは「執着(しゅうちゃく、と読むよ)しすぎない」ってこと。執着しすぎる、っていうのは、言い換えれば「心の握手」が強すぎるってことだよ。心の握手が強すぎるとどうなると思う? 友だちが手を離そうとしているときにこっちが強くにぎってしまうと、友だちの手が痛くなってしまう。それでも友だちが無理やり離そうとしたら、こちらの手はもっと痛くなってしまうよね。 「仲間外れにされて悲しい」という女の子に伝えたいこととは?(※写真はイメージです/GettyImages)  お互いに痛くなった手では、もう一度握手するのは難しいかもしれない。でも、ゆるく握っていれば、一度離れてもまた手を握ることができると思うんだ。いま、みーみちゃんは仲間外れにされてとても悲しいと思うんだけど、今は自分の手を痛めないためにも、握手している手をゆるめてしまっていいと思うんだよね。もしかしたら仲間外れは勘違いだったっていうパターンもあるかもしれないし。よしおは以前そういう事が実際にあったよ……(笑) ■ベストよりグッドな関係を  ところで、みーみちゃんの言う「ベストフレンド」ってどんな存在かな? ベストには「最上級」っていう意味があるね。つまり、「一番」ってこと。きっとみーみちゃんにとってその友だちが一番の友だちなんだろうね。「一番の仲良し」って思える友だちがいるのって素晴らしいことだ! でも、「一番」っていうのは一人しかいないから、数が限られてしまうことになる。それに、今みたいな状況になったときに息苦しくなってしまわないかな?  そこでよしおがおすすめするのは、「ベスト」よりも「グッド」な関係。つまり「グッドフレンド」だね。みーみちゃんは、これからたくさんの人に出会っていく。今ベストを決めてしまうとこれから先出会う人がベストになるのは難しいかもしれない。それに、お互いにベストだと思っているか、相手の心の内面はわからないから、不安になってしまうこともある。お互いに本当は「ベスト」だと思っていたとしても、お互いに不安になって「私たち、ベストフレンドだよね!」っていう確認作業がたびたび必要になってしまうかもしれない。  でも、グッドな関係なら数に限りはないし、お互い確認しなくてもいい。とっても気楽なんだ。みーみちゃんの友だちを思う気持ちはとっても素敵。でもその「ベストフレンド」っていう気持ちがあるからこそ、悲しい気持ちになってしまうのかな、とよしおは思ったよ。  友だちとの関係って、ずーーーっと同じ距離でいるほうが難しいんだ。頭のなかに、広くて大きな海をイメージしてみて。その海で、一人ひとりが別々のたらいに乗っているとするでしょ。潮の流れや風の向き、波の立ち方でたらいが流されていく。そのとき、友だちが乗ったたらいが近くに寄ることもあれば離れることもある。そこで離れないように相手のたらいを自分のたらいの近くに無理やり寄せようとしたり、相手のたらいに近づこうとしたりすると、自分も相手も落ちたり溺れたりする危険があるんだ。潮の流れや風の向きは自分で操作できない部分。それぞれの家庭環境や興味を持つものなんかが、潮や風ということだね。 「『心の握手』の強さに気をつけてみよう!」(撮影/松永卓也=写真部)  人との関係も、目に見えない流れに左右されることがあると思うんだ。だから、無理に引き寄せようとせず、流れに身を任せて、今はみーみちゃんの近くにいる人を大切にしてみるのはどうだろう? みーみちゃんはみーみちゃんで新しく別の友だちを作ってみるんだ。それも、ベストな関係じゃなくていい。グッドなくらいの気軽な距離感の友だちを。 ■友だちの輪を広げるチャンス!?  よしおのお母さんは、グッドフレンドを作るのがすごく上手な人で、いつもとっても楽しそうなんだ。誰とでも友だちになれちゃうから、国境や世代を超えていろんな友だちがいる。ある時は海外の友だちと話せるようになりたいと語学留学で台湾にいってたこともある。習得してたかは謎だけど(笑) 、インターネットの使い方も全くわからない人だったのに、世代を超えたグッドフレンドに教えてもらってLINEまでできるようになったんだ。お母さんがきっかけで結婚したカップルなんかもいるくらい!  誰か数人だけに限定して友だちとの関係を築いていたら、こんなに人との関係は広がらないだろうし、新しい発見もなかっただろうな、と思う。生涯で本当に大切な友だちっていうのは、数人でいいかもしれない。けれど、それを小学生の今のうちに決めてしまわなくてもいいと思うんだ。悲しい気持ちになっているならなおさら。それに、今は難しくても何年後かにまた仲良しに戻れるかもしれないしね。だから、今は友だちの輪を広げるチャンスくらいに考えて、グッドフレンドを作ることに目を向けるのはどうだろう?  最後に、みーみちゃんにぴったりのギャグを贈ります。「ズイズイズイ~!!」。片方の手を前に出して、手のひらを前に向けて指先を下に向ける。何かをつかむように指を握ったり開いたりしながら、さらに腕を前後させて「ズイズイズイ~」と元気よく叫ぶんだ!ずいって、漢字では「随」と書くよ。この漢字には、「成り行きに任せる」という意味があるんだ。今は無理せずに流れに身を任せてみてほしいな! ……って、僕は思うんだけど、君はどう思うかな? 【質問募集中!】小島よしおさんに答えてほしい悩みや疑問を募集しております。お気軽にお寄せください!https://dot.asahi.com/info/2021100800087.html
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AERA with Kids+ 2022/02/04 16:00
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