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松山英樹は「アンビリーバブルでごさいます」丸山茂樹もうなった米ツアー8勝目のプレー
丸山茂樹
丸山茂樹氏は、米ツアーで5打差を追いつき勝利した松山英樹を絶賛。松山の素晴らしさは言葉で言い表せなくなってきたほどだという。
* * * 新年早々やってくれました! 松山英樹(29)が米PGAツアーの「ソニーオープンinハワイ」(1月13~16日、ハワイ州ホノルルのワイアラエCC)でツアー8勝目。崔京周(51)のアジア勢最多優勝回数に並びました。
松山英樹選手
最終日の英樹は首位のラッセル・ヘンリー(32)に2打差の2位でスタート。ヘンリーと2人の最終組で回りました。
前半の9ホールを終えて5打差まで広げられたんですけど、英樹はサンデーバックナインの出だしで2連続バーディー。しかもヘンリーは11番でボギーを打って、2打差に縮まりました。
英樹の猛追はさることながら、ヘンリーの自滅でしたね。ヘビににらまれたカエルじゃないですけど、もうノリノリの松山英樹に震えてました。両サイドに球がバラつくってのは、プレッシャーがかかってる証拠だと思いました。
15番で1打差にしましたが、16番は3メートルのバーディーパットを外しました。あれは、みなさんには簡単なパットのように見えたでしょうけど、あそこの位置はとてつもなくラインを読むのが難しいんですよ。だから、あれはネガティブになる必要のなかったパットだと思います。
1打差で迎えた18番パー5のティーショット。英樹はドライバーを握り、ボールをできるだけ右に置きました。追いつくにはイーグルが必要と、思い切った勝負に出たんです。左ドッグレッグのコースで左の林を越して、狭いフェアウエーで止める。
ボールを右に寄せてるので窮屈でしたけど、正確にアドレスできてました。相当な高弾道で打たないと林を越えないので、越えたらそんなに転がらずにフェアウエーの幅で止まるという計算も、彼の中にはあったんじゃないかと思います。その通りになりました。
僕が2000年に海を渡ったときにタイガー・ウッズ(46)がそれをよく説明してました。時折柔らかい球で300ヤード先の狭いフェアウエーにキャリーで止めるぐらいのショットが打てないとダメだ、って。当時はちょっと何言ってんのか、よく分からなかったですけどね。ハハハハ。
一方のヘンリーはバンカー。72ホール目でついに追いつきました。英樹の中には「もうヘンリーはバーディーがとれない」という思いがあったんだと思います。18番を使ったプレーオフのティーショットはドライバーを握りませんでした。ドライバーで右にいくとトラブルにもなりかねないし。あれは素晴らしいマネジメントでした。
そしてセカンドでスーパーショット。残り277ヤードを逆光の中、ピンまで1メートルにつけました。これで決まり。アンビリーバブルでございます。
今後が楽しみですけど、こっちはもうしゃべりづらいです。限界が来ましたよ。「大魔神」こと佐々木主浩さんが「大谷(翔平)選手のことは語りづらい」って言ってましたけど、僕も同じです。
この先は4大メジャー制覇の偉業に向かっていくだけですね。
丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。※週刊朝日 2022年2月4日号

