マンネリ化した無駄な仕事、地獄の役員選出には我慢の限界!PTAの改革に向け、各地で次々と狼煙があがる。

 PTA活動が問題視される大きな原因は、無償の膨大な仕事だ。

 東京都渋谷区に住むパート勤務の女性(44)は、ベルマーク委員を経験した3年前、保育士や会社員といったフルタイム勤務の保護者が、仕事を休んで作業に来ていることに驚いた。

「時間がなくタクシーで学校に来る医師も。まさに義務」

 ただ、PTA役員に男性が多く就いた頃から「無駄な作業をなくそう」という声が、ちらほら聞こえてくるようになった。そして今年度、ついにベルマーク委員は休止に。

 同校で副会長を務める男性(40代)は「目的の一つといわれる親同士の交流という意義も薄い。やはり必要だったとなれば、復活させればいい」と話す。さらに今年度は、PTA会費の繰越金を楽器の修理や図書費、冷水器購入などに使う方針だ。どれも大胆な決定だ。

 もちろん、大きな改革をすると「誰が会費を使ったのか?」「委員をなくすなんて」などの意見が、部外者からあがる。実は「出しゃばりな人」などと噂されることは、母親ネットワークにおいて男性には想像できないほど負担になる。それが「ことなかれ主義」が蔓延して、PTA改革がうまく進まない一因だ。

「検討や根回しはしっかり役員全員でするが、『誰が言い出した?』など批判の矛先は、男性陣が引き受ける。夜の飲み会も担当します」(副会長の男性)

 おやじ力が発揮できるメンバー構成も重要なのだ。

AERA 2014年5月26日号より抜粋