日本の大半の家庭では「性」はアンタッチャブルな話題。結果、性的興味が湧いた子どもたちが、手に入りやすい「見本」をうのみにすることもある。

「僕はセックスのクライマックスって、相手女性の顔に精液をかける『顔射』だと信じていました。中1から見始めたAVではそうやってましたから」

 そう語るのはAV男優のしみけんさんだ。しみけんさんは小1から塾で頭にハチマキを巻き、「有名中学合格するぞ、オーッ!」と叫ぶような、お受験生だった。学校で「精子と卵子の生殖ドラマ」は学べても、セックスの仕方はだれも教えてくれないし、湧き出る性欲の抑圧手段も五里霧中だ。男の子たちの性は孤独にゆがんでスタートしているのが現実なのだ。

AERA 2014年4月14日号より抜粋