「ドライブを楽しみショッピングを楽しみ映画を楽しみ食事を楽しむ。こうした余暇のあり方を生み出したという点で、イオンモールは地方の若者の余暇を大きく変えた」



「大都市のような刺激的で未知の楽しみがあるわけではないが、家のまわりほど退屈なわけではない、安心してほどほどに楽しめる場所」



 地方の若者たちは、イオンモールが象徴するような「ほどほどに楽しめる」地方生活に、居心地の良さを感じているのだそうです。そして、彼らは都会へ向かうことなく、そのような生活を自ら「選択」しているのだというのです。



 本書では、著者が岡山県において行ったフィールドワークの詳細なデータの元、人間関係や仕事を通しての考察をはじめ、Jポップの歌詞に見られる社会や他人との関わり方の変遷を通して「地方にこもる若者たち」の生態を探ろうとしています。



 現代の日本の郊外=ファスト風土における生活から、見えてくる日本の新たな可能性とは何なのでしょうか?