婚活市場は格差社会の象徴だ。ある程度の収入がなければ結婚すらできない時代になった。究極の結婚相談所も登場。東大・早慶卒限定の結婚相談所で見えた結婚のホンネ。

 男女とも東大、早稲田大、慶應大の卒業生であること。東京・南青山にある結婚相談所アニバーサリーパートナー青山のコース「東早慶倶楽部」の入会条件だ。2008年の運営開始以来大人気で、会員のうち6割が東早慶倶楽部だという。一般コース会員とのお見合いも可能だ。

 昨年10月に入会した慶應大卒の金融関連企業に勤める男性(32)は、弟の結婚を機に婚活を開始した。大手の結婚相談所2社に登録したが、なかなかうまくいかなかったという。

「他の結婚相談所より事前に詳しい条件がわかって安心です」

 会員のプロフィルは驚くほど細かい。顔写真、学歴、職業、年収は当然として、勤続年数や両親・兄弟姉妹の最終学歴まで。輝かしい経歴に加え、美人やイケメンという羨ましすぎて見ていられないようなリストだ。これだけ好条件なら結婚相談所に登録する必要がないのでは?

「大学卒業後から転勤で全国を転々としたうえ、仕事も忙しく、出会う機会がないのです」

 と前出の慶應大卒男性。合コンに来る女性は身元がわからず不安。結婚相談所で身元が確実な人と出会うほうが楽だという。

 慶應ブランドに加え、爽やかなルックス。年収も1千万円以上あるため、入会以降、お見合いの申し込みは引きも切らない。年収を少なめに書くか、写真を非公開にするか悩むほどだ。相手は黒髪で上品な人が希望。趣味欄に「テニス・ゴルフ・茶道」などとある人よりも、「料理」と書いている人を優先する。

「弟の妻が弟に敬語を使っていたのを見て、こういう育ちのいい人が理想だなと思いました」

AERA 2012年10月22日号