月経がある女性の10人に1人は子宮内膜症といわれている。月経痛などの痛みだけでなく、不妊の原因にもなる病気だ。どのような治療方針を選ぶかは、病態だけでなく、年齢やすぐに妊娠したいかどうかといった状況にも左右されるため、複雑だ。

 子宮内膜症とは、本来、子宮の内側にある子宮内膜やそれに似た組織が、子宮以外のさまざまな場所にできてしまう病気だ。内膜組織は月経周期ごとに増え、炎症を起こすことで痛みや癒着が生じる。

 発症のピークは30代前半。ちょうど妊娠や出産を考える女性が多い時期だ。東京大学病院女性診療科・産科准教授の大須賀穣(おおすがゆたか)医師はこう話す。「子宮内膜症は進行するほど不妊の確率が高くなります。しかし、早期でも不妊になることがあるのです」。

 子宮内腹症がなぜ不妊の原因になるのか。はっきりとしたことはわかっていないが、大きく分けて二つの理由が考えられている。

 一つは、炎症によって卵管や卵巣などが癒着し、卵巣でつくられる卵子が子宮まで到達しにくいから。もう一つは、炎症により不妊に関係するサイトカインという物質が分泌され、排卵、受精、着床を阻害するから。こうした要因が重なって不妊となるようだ。

 子宮内膜症が原因の不妊症の場合、おもに「腹腔鏡下(ふくくうきょうか)手術」と「体外受精」のいずれかの治療を実施する。

※週刊朝日 2012年10月19日号