2人に1人ががんになる時代。ストレスや生活習慣などがんの原因はさまざまあるが、中でも「食生活」は、たばこと同じぐらい影響が大きいともいわれている。がんにならないためには何を食べ、何を飲むべきか。最新情報を紹介しながら、がん予防を考える。

「要は肉も魚も野菜も満遍なく食べていればいい」

 そう言うのは、国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究部の津金昌一郎部長。同センターでは疫学研究をベースに、「がん予防」としてすすめられるポイントや最新の疫学研究の成果を公表している。

「がんと食事の因果関係については、わかっていないことも多いんですが、現段階で推奨できるポイントは4つ。偏らずバランスよく摂ること、練りうにや塩辛のような塩漬け食品や塩の摂取を控えること、野菜や果物不足にならないこと。そして熱い飲み物を飲まないこと。食事は薬ではなくおいしさを味わうのが大事なので、神経質になることはないですが、ダメといわれるものは避けたほうがいいですね」(津金部長)

 野菜や果物は食道がんのリスクを「ほぼ確実」に下げ、逆に熱い飲み物はリスクを上げてしまう。食道がんといえば最近、歌舞伎俳優の中村勘三郎さんが罹患を告白したが、このがんは、飲酒がリスクを「確実」に上げる。また、塩や塩蔵品も胃がんのリスクを「ほぼ確実」に上げることがわかっている。

 この2月には、塩漬けされた魚卵の研究データも出た。「たらこを月4分の1腹(約20グラム)以上食べる人は、食べない人に比べてがんの発生率が高まる」という。辛子めんたいこなどは、おにぎりの具やパスタ、酒のつまみにと広く使われて食べる機会が多いが、頻繁に食べるのは避けたい。

「日本人が胃がんにかかる率は以前に比べて下がってきてはいますが、塩辛いものを食べると胃の粘膜がどうしても荒れるので、注意が必要でしょう」(同)

※週刊朝日 2012年7月13日号