「セックスは正直、あんまり好きじゃない。『セックスは子供を作るためにする』って教わったから、僕は、結婚前にセックスすることはあんまりいいことだとは思いません。本音は結婚するまでオナニーだけでもいいんですよ。でも、彼女は僕としたいみたいで、家でキャミソールを着たり、腕を触ってきたりして誘ってくるんです。正直ちょっと引きます。そこでまた冷めちゃうんですが、あまりにかわいそうなんでしてあげたいんです」

 ところが、彼女とセックスしようとすると、勃起しないという。

 「AV(アダルトビデオ)や成人漫画だったら勃起するので、オナニーはするんですが……」

 Bさんのように、生身の女性のみを対象に、勃起しないケースはともかく、生身の女性の膣内で射精できない"膣内射精障害"が若者を中心に増加傾向にある。前出のあかひげ薬局によると、その相談に訪れる若者も珍しくないという。

 「来店されるお客さんの場合、畳の縁や床、机などを使った、刺激の強すぎるマスターベーションが原因というケースがほとんど。実体験で生身の女性とセックスせずに、先に視覚、触覚に強すぎる刺激を与えたために、若くても問題が生じるケースが増えていると思います」(広報担当者)

 彼女とセックスをしようと、先輩のアドバイスから精力剤にすがったBさんだったが、

 「(精力剤を飲むと)体は熱くなるんですけど、頭が冷めてるっていうのか……燃えないんです。もちろん、彼女には言えません」

 交際して今年で2年目になるが、彼女と一度もセックスしていないという。

◆"顔射"するのは優しい男の証?◆

 なぜ、精力剤を使う若者が増えているのか、前出の広報担当者はこう分析する。

 「理由としては、まず一つに、食生活の不節制だと思います。特に若い人は食生活が乱れやすく、ビタミン類やアミノ酸など勃起に必要な栄養素が不足している。もう一つは、性に対する情報の刺激が強すぎるんじゃないかと思います。視覚や聴覚、嗅覚、触覚など、それぞれ総合して脳が刺激され、勃起を促します。昔は活字だけでも興奮できましたが、今は露骨で刺激的な情報が多い。それらがもたらす刺激が強すぎるのかもしれません」

 事実、前出のAさんもこう話すのだ。

「セックスの仕方はAVを見て知っていましたが、初めてした時に、彼女がAVみたいに気持ちよさそうじゃなかった。それで、途中からどんどん気まずくなって、焦ってしまった」

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