【ドラマのミカタ】大団円を避け、貫かれた不快感
初回冒頭、新幹線内で繰り広げられたハードアクションは圧巻だった。小栗旬の体さばきを見ればどれだけトレーニングを重ねたかは一目瞭然。1話の三元雅芸、2話の山口祥行など、敵役に日本を代表するアクション俳優を配したことも含め、否応なしに「これで勝負するんだ」という強烈な矜持を感じさせられた。 ところが回...
初回冒頭、新幹線内で繰り広げられたハードアクションは圧巻だった。小栗旬の体さばきを見ればどれだけトレーニングを重ねたかは一目瞭然。1話の三元雅芸、2話の山口祥行など、敵役に日本を代表するアクション俳優を配したことも含め、否応なしに「これで勝負するんだ」という強烈な矜持を感じさせられた。 ところが回...
●朝日新聞が一面トップ扱いの一方不自然さが目に付くNHK 5月から6月のテレビは、この国で進む報道の「不自由さ」や「脆弱さ」を象徴するような内容だった。 5月17日に朝日新聞が一面トップでスクープした「加計学園の新学部『総理のご意向』文科省に記録文書」。加計学園の新学部設置認可をめぐって内閣府が文科...
いつかきっと面白くなるに違いないと信じて見続けてきたが、それももはや限界だ。そうでなくとも日曜の夜は、大河ドラマに「イッテQ!」に「モヤさま」にと見たいものが山ほどあり、そうつきあってもいられない。 昨年11月、番組スタート時の志(そもそもそんなものがあったのかも疑問だが)はどこへやら、今やなんで...
●障害の解明、史実の検証、人気者のパワー、そしてテレビ愛で適時打 5月21日のNHKスペシャル「発達障害~解明される未知の世界~」は「光の見え方が違うことを映像化して説明したのは画期的」と月間賞に推した旗本委員のほか、「イギリスの商店のようなクワイエットアワー導入なども提起している」との高評価で月間...
●番組視聴の変化で流通が変わる 欧米では、若者を中心にオンラインでテレビ番組や映像を視聴する層が増えている。こうした消費=視聴形態の変化が、映像コンテンツの流通そのものを変えつつあるが、在オーストリアの筆者が実感したのは、ネットフリックスでの視聴体験だ。ドイツ語圏では、ヒトラーを題材にした歴史ドキュ...
人も味も景色も、新たな出会いより再会のほうが心躍る年頃になったが、ドラマはさにあらず。過去も現在も「続編はまだか」「似た作品が見たい」と再会を望むことは一度もなかった。 その意味で、日本テレビの春ドラマに「どうした?」と言いたい。3本すべてが「特に嫌いではないけど、会いたいわけでもない人と再会して...
●米国の武力行使が前提の推測報道に疑問符 「日本のテレビ報道を観ていると、米国が今すぐにでも北朝鮮に軍事制裁を加え、周辺国を巻き込んだ戦争に発展しかねない一触即発の情勢にあるかのように伝えているが、行き過ぎた報道とは言えないだろうか?」。米有力紙の海外特派員だった友人の来日を機に夕食を共にした際、ふ...
その昔、「明石家さんまのスポーツするぞ! 大放送」(フジテレビ)という番組があった。いまや人妻の色気ムンムンの愛ちゃん(福原愛)がまだまだ幼かった頃、さんまと卓球対決。子ども相手に手加減するどころかムキになる大人気ないさんまが、愛ちゃんを泣かせたことで知られる伝説のスポーツバラエティ番組だ。 さん...
●「破獄」光る山田孝之 ドキュメンタリーは、米国の原発メーカーの技師として福島に赴任した沖縄出身の男性の半生を追ったETV特集「境界の家」(NHK Eテレ)が高く評価された。「原発の不具合など中にいる人の証言に重みがある」「原発問題と基地問題の渦中にいる人物の姿を丁寧に追った」などといった声が相次い...
映像ワークショップを主宰して市民の立場から映像制作を後押しするNPO「OurPlanet―TV」代表の白石草さん。技術系プロダクションなどテレビ報道の現場で働いた経験もある白石さんには、非正規の人からの相談も少なくない。●常に不安定な非正規の人たち──白石さんから見て、今テレビの現場はどう映ってい...