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 40年目を迎える今年のテーマは「告白~勇気を出して伝えよう~」。総合司会に羽鳥慎一と水ト麻美アナ。メインパーソナリティは嵐・櫻井翔、NEWS小山慶一郎、KAT―TUN亀梨和也のジャニーズ3人衆。チャリティパーソナリティに石原さとみ、サポーターとして徳光和夫、東野幸治、宮迫博之、後藤輝基、渡部建、梅沢富美男、ブルゾンちえみらの名前もある。

 ちなみに、本番が放送されるのは、8月26日~27日で、この原稿を書いている時点ではまだ本番を見ることができない。なので、厳密にいうと、今回取り上げるのは「24時間テレビ」ではなく、プレ「24時間テレビ」だ。これまでも本番の1カ月ほど前から、チャリティTシャツを着たアナウンサーやタレントたちが幅を利かせ、なにかと自局の番組に「24時間テレビ」を絡めて宣伝してきたが、今年は特に目に余る。

 40周年という節目の年だから盛り上げなくては、ということもあるだろう。それに加えて、昨年、Eテレ「バリバラ」が、同時間帯に「24時間テレビ」は感動ポルノだ、と揶揄し、障害者による障害者のための番組を制作した経緯もある(なんと今年もEテレは27日に「24時間テレビ」にぶつけて生放送をやるとのこと)。

 だからなのか、チャリTシャツを着たタレントをサブリミナルのように配し、各番組のゲストにも「24時間テレビ」関係のタレントが登場。なりふりかまわず宣伝しまくり。自局の番組で番宣、番宣また番宣って、これじゃあ、視聴者の体感は「24時間テレビ」どころか「240時間テレビ」。始まる前からげんなりしてきた。

 おまけに、今年はマラソンランナーを当日発表するという暴挙に出た。これで視聴者の関心をずっと引っ張ることができるわけで、苦肉の策だとしてもなかなかの妙案だ。しかも、ヒントは「一番走る理由がある人」で会場にいる人すべてが候補者になりうるなどと、もったいつけるから、さほど興味のなかった人も「誰だろう?」と気になり、オープニングだけでも見ようという人が続出。初動視聴率は高くなるに違いない。

 5色に増えたチャリTシャツ(1500円)に、チャリティバンド(900円)にチャリティバッグ(1200円)にクリアファイル(300円)……と、年々種類が増える関連グッズとは反比例し、肝心の内容は究極のマンネリズム、目玉が当日発表のランナーだけというのは残念過ぎる。というわけで、宣伝のし過ぎで逆に興味が薄れてきた「24時間テレビ」に今月のダラクシー賞を贈りたい。

※『GALAC(ぎゃらく) 10月号』より

桧山珠美(ひやま・たまみ)/キッチンの隅から謎の緑の液体が……。恐る恐る元をたどると、いつ買ったのかも思い出せないキウイの残骸でした。キャー ! この夏、一番の恐怖体験。