「いただきます」、そして「ごきげんよう」。お昼の顔として視聴者に愛されてきた小堺一機。いまフジテレビの「かたらふ~ぼくたちのスタア~」でトークバラエティの新しい魅力を追い求める。“好きなことを語るときのいい顔”をテレビから発信し続ける小堺。そのトークの魅力に迫る!
* * *
「ライオンのごきげんよう」が終わってから、小堺一機が変化している。土曜の夕方に始まった「かたらふ~ぼくたちのスタア~」では、大好きなスタアの話を生き生きとした表情で語り、ドラマ「世界一難しい恋」では、嵐の大野智演じる主人公のダメな父親を演じた。はたまたゲストとして出演した「しゃべくり007」では、「ごきげんよう」でもらったギャラを、20億くらいとぶっちゃけたことでも話題に。
「『しゃべくり』のときは、しつこく聞かれたから、思わず言ったら女房に怒られちゃった(笑)。『かたらふ』では、司会者というよりも出演者の気持ちが強いし、テレビっ子だったときからの蓄積で話してるんです」
テレビが大好きな気持ちは今も変わらず、テレビ局で有名芸能人を見ると、ちょっとうれしくなる自分がいると言う。最近、テレビを見ていて面白いのは、「朝まで生テレビ!」の三浦瑠麗。「正論で人を黙らせるところがいいですね」と語る。こうした発言を聞いていると、小堺は以前よりも、自由に自分をさらけ出しているように見える。お昼の番組が終わったことも関係しているのだろうか。
「さらけ出しているというのは正解です。さすがにずっと続いてきた番組が終わって寂しい気持ちはありますけど、今は制服を脱いだ感じですかね」
その「ごきげんよう」の前身である「ライオンのいただきます」が始まったのは28歳のとき。当時は、試行錯誤の繰り返しだった。
「やっぱりお客さん(視聴者)は、見ることのプロ。無理に何かやろうとすると見透かされますね。僕は『いただきます』でおばさま方とトークをするときに、頑張ってしゃべりすぎてたところがあったんです。そしたらある先輩に、『どうして一人でしゃべってるの、まわりに材料があるじゃない』って言われて。当時は、頑張ることが仕事だと思ってた。そこで今度は、無理して頑張ってないふりしてやってみて、ふと疲れちゃったって顔したら、お客さんが笑ってくれたんですよ。そのときに、お客さんには全部見えちゃってるんだなってわかったんです」