このほかドキュメンタリーでは、BS1スペシャル「帰りたるわが故郷は」(NHK・BS1)、クローズアップ現代+「“軍事”と大学~岐路に立つ日本の科学者たち~」(NHK)などにも評価があった。


 ドラマでは「はじめまして、愛しています。」(テレビ朝日)、プレミアムドラマ「受験のシンデレラ」(NHK・BSプレミアム)、木曜ドラマ「黒い十人の女」(読売テレビ)、青森発地域ドラマ「進め!青函連絡船」(NHK・BSプレミアム)などに評価があった。
 月間賞は連続ドラマW「沈まぬ太陽」(WOWOW 全20回)。淡々とした作りに評価が集まった。またバリバラ・ドラマ第3弾「アタシ・イン・ワンダーランド」。障害者が“普通に”出てくる演出が評価されて月間賞に選ばれた。
 今回は、連ドラの変わり目にあたるため、今後に期待する指摘があった。また、単発のドラマが多く見受けられた。そのなかで湊かなえサスペンス「望郷」、宮部みゆきサスペンス「模倣犯」(いずれもテレビ東京)、ドラマ特別企画「往復書簡」(TBSテレビ)などは、楽しめる秀作という指摘があった。
 バラエティ・その他では「父・尾崎豊を見つめて」(NHK・BSプレミアム)、SONGS「宇多田ヒカル」(NHK)、しくじり先生「中田歴史塾」(テレビ朝日)、世界の果てまでイッテQ!「アイガー登頂プロジェクト」(日本テレビ)などに評価が集まったが、月間賞には至らなかった。
 「甦る歌謡曲」(テレビ朝日)について西森委員、また、パラリンピックに関連するマツコ・デラックス、三宅健の取り組みについて太田委員の、各私評をGALACでご覧いただきたい。
 いくつかの作品を通じて、「今の民放では描けない、扱えない」というテーマ性が指摘された。障害者を扱った作品の重さ、描き方なども、そのなかにある。良い作品、見やすい作品と、月間賞作品の間に何があるのか、今後とも注目していきたい。(岩城浩幸)