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GALAC 2016年5月号

 史上最大の「ひとり芸」No.1決定戦「R−1ぐらんぷり」。コントNo.1を決める「キングオブコント」、漫才No.1を決める「M−1グランプリ」同様、お笑いニューカマー誕生に立ち会えるお笑い好き必見のイベントだ。

 今年のエントリー数は過去最大の3786人。決勝はエハラマサヒロ、小島よしお、厚切りジェイソン、とにかく明るい安村ら9人に敗者復活の3人を加えた12人によるトーナメント戦で、3組に分かれその勝者がファイナルステージに上がるという仕組み。

 今回、優勝したのはハリウッドザコシショウ。その昔、深夜のネタ番組「あらびき団」(TBSテレビ)の常連だったが、番組終了後とんと見かけなくなった。が、昨年テレビ東京が「こそこそチャップリン」なるネタ番組をスタート。そこでまたお目にかかるようになったと思ったら、今回の優勝ときた。

 昨年11月、その「こそこそチャップリン」で「ホントにおもしろい芸人決定戦」が行われた際、観客30人中面白いと思ったのはたった7人で不合格だったザコシショウが、今回はダントツで優勝。たしかに勢いとインパクトは強烈だったが、テレビで見る限り、そこまで面白かったか~というのが正直なところ。やはり現場とは空気が違うのか。もっといえば3786人の中から厳選されたのがこの12人? と逆に落とされた人たちが気になってくる。

 ファイナルステージに残った3人が3人とも、同じネタ(若干の違いはあるが)を繰り返したことにもがっかりだ。なんといっても、ピン芸人のトップになろうという者がたった2パターンのネタすら用意できずにどうするか、だ。

 そもそもこのR−1ときたら、昨年のじゅんいちダビッドソンも、一昨年のやまもとまさみも、その前の三浦マイルドも、ここがピークだったのか、その後の活躍をあまり聞かない。始まった当初は、話芸やフリップ芸、一人コントなどネタを見せるものが多かったが、最近はいかにその場でインパクトを与えウケるかが勝負といった感も……。

 「安心してください、穿いてますよ」の、とにかく明るい安村が“裸芸”を封印したと思ったら、テンガロンハットに黒パンツ一丁のザコシショウが優勝。結局のところ裸芸人が増えただけって、日本のお笑いはどうなってるの!? 「あ~あ〜あ、やんなっちゃった、あ~あ〜あ驚いた」とピン芸人の大先輩・牧伸二もあの世でさぞやお嘆きでは、ということで、今月のダラクシー賞を贈呈する。

●ひやま・たまみ
ちなみに、私のベスト3ピン芸人は、ガリガリガリクソン、田上よしえ、そして、ぴろき。誰がなんと言ったって。