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2016年1月度のギャラクシー賞 テレビ部門には下記の各番組が選ばれました。

* * *
●年末ドラマ特別企画「赤めだか」
2015年12月28日放送/21:00~23:25/TBSテレビ

●「中居正広のプロ野球魂」
2015年12月29日放送/24:40~26:25/テレビ朝日

●新春スペシャル「100分de平和論」
1月2日放送/21:30~23:10/日本放送協会 テレコムスタッフ NHKエデュケーショナル

●NHKスペシャル「震度7 何が生死を分けたのか~埋もれたデータ 21年目の真実~」
1月17日放送/21:00~21:49/日本放送協会

【1月の月評会より】 年末年始はニノ祭りだった

  2016年最初の月評会は、年末年始のドラマの話題で盛り上がった。注目を集めたのは、嵐の二宮和也主演の2作品だ。立川談春の自伝的エッセイをドラマ化した年末ドラマ特別企画「赤めだか」(TBSテレビ)は、内容の面白さに加えて、二宮、ビートたけし、濱田岳らの演技が評価され月間賞に。新春ドラマスペシャル「坊っちゃん」(フジテレビ)は、漱石の原作をさっぱり爽やかなドラマに仕上げた橋部敦子脚本の巧さが光った。新春スペシャルドラマ「富士ファミリー」(NHK)はお正月に家族でほっこりできる良作だったが、木皿泉のこれまでの名作ドラマに比べて、若干物足りなさも残った。詳しくは岩根委員の私評を読んでほしい。単発ドラマでは、満島ひかりが明智を演じた「シリーズ・江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎」(NHK・BSプレミアム)も話題に。こちらも太田委員の私評を参照されたい。
 1月新ドラマでは、三谷幸喜が敗者を描くNHK大河ドラマ「真田丸」、新感覚時代劇「ちかえもん」(NHK)、地方出身の若者をリアルに描く「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(フジテレビ)などが好評で、今後の展開に期待が高まった。
 バラエティも好調で、井原西鶴やヴォルテールの名著を通して平和について考えた新春スペシャル「100分de平和論」(NHK Eテレ)、マニアックな番組ながらプロ野球選手の最新事情をきっちり伝えた「中居正広のプロ野球魂」(テレビ朝日)の2本が月間賞に選ばれた。
 「紅白歌合戦」の低調ぶりとは裏腹に、年末年始らしく歌番組も善戦し、企画が秀逸だった「甦る歌謡曲~懐かしの昭和の名曲大全集~」(テレビ朝日)や、歌を真摯に聴かせた「NHKのど自慢チャンピオン大会2016」、J―POPを独特の切り口から分析する「亀田音楽専門学校 シーズン3」(NHK Eテレ)が好評だった。
 ドキュメンタリーでは、阪神・淡路大震災のデータを最新技術で解析したNHKスペシャル「震度7 何が生死を分けたのか~埋もれたデータ21年目の真実~」が月間賞に。同じくNHKスペシャルの「ママたちが非常事態!?~最新科学で迫る ニッポンの子育て」は、子育てのつらさや孤独を脳科学や生理学など最新の科学を用いて分析し、人類の歴史の必然として捉えるという斬新な視点が評価された一方、現在の子育ての苦労を社会的要因抜きに語れるのかという疑問も呈された。
 SMAP解散騒動で揺れた1月。そこにもドラマはあっただろうが、ドラマはやっぱりフィクションで楽しみたい。(岡室美奈子)