書評『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』スズキナオ著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと スズキナオ著

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朝山実書評#話題の新刊

 フリーのライターを名乗ったものの仕事はほとんどない。それならばと、東京と大阪を片道2千円台という低価格で結ぶ深夜バスに乗ってあちこち出かけ、そこでの見聞をルポにまとめた。

 神戸では、高齢者が平日の昼間に集う「昼スナック」を怖いもの見たさで訪れる。大阪では、銭湯の洗い場にある「鏡広告」に興味をもち、80代の広告会社社長や文字職人に会うなど、著者は40歳だが高齢者との相性がいい。

 食堂めぐりには独特の味わいがある。「71歳のおじいちゃんが作るハンバーガーは全国3位」や「本当に営業中なのかわからない食堂『伊勢屋』のラーメンがうまい」など、マイペースな店主との雑談がいい。不便な立地に朽ちた外観。グルメ取材ならマイナス要素だが、店がなくなる前に食べに行きたい気にさせるパワーがある。(朝山実)

週刊朝日  2020年1月31日号


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