書評『革命と戦争のクラシック音楽史』片山杜秀著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

革命と戦争のクラシック音楽史 片山杜秀著

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金田千里書評#話題の新刊

 戦争と芸術は相容れないという常識を覆す、歴史とクラシック音楽の相関関係が解き明かされる。

 ハプスブルク家に愛されたモーツァルトは、墺土戦争の時期に「ジュピター」を作曲し、人々を高揚させた。戦争の歴史と名曲の誕生は無関係ではなかった。ベートーベンはフランス革命で王侯貴族が没落した後、フリーランスの作曲家として活躍する。革命の歌「ラ・マルセイエーズ」が流行った後には、「悲愴」という名のソナタを作り称賛される。交響曲第3番「英雄」は当初ナポレオンに捧げた曲で、やがて第9誕生にもつながる。

 平和と安定の象徴のような音楽も歴史の中に位置づけると、別の景色が見えてくる。ベートーベン生誕250周年となる来年は、平穏のうちに名曲が奏でられる時代となるよう祈りたい。(金田千里)

週刊朝日  2019年12月6日号


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