書評『文豪お墓まいり記』山崎ナオコーラ著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

《話題の新刊 (週刊朝日)》

文豪お墓まいり記 山崎ナオコーラ著

このエントリーをはてなブックマークに追加
朝山 実書評#話題の新刊

文豪お墓まいり記

山崎 ナオコーラ

978-4163909707
space
amazonspace

amazon.co.jp

space

朝山 実

 中島敦から深沢七郎まで、26人の作家の墓を訪ねて回った随想集だ。

 夫や母や友人たちと待ち合わせ、行きか帰りには食事をとるのが恒例の著者。「永井荷風」の墓参では、荷風がなぜ日記を書くことに情熱を傾けたのかを考え、晩年は天気や食事ばかりだったことに思いをめぐらす。同世代の津村記久子さんが傾倒する「織田作之助」の墓を訪れる際、彼女が回数券で改札を通るのに驚くなど、些細なことに目をとめるのが面白い。「歌川国芳」の回では自身の葬儀について語る。「ぶすは作家になるな」と言われたトラウマから遺影写真でなく「死絵」が望みだという。江戸後期、歌舞伎役者が亡くなったときに出回ったもので、浮世絵師が人物絵を描いた。

 文学談話もいいが、合間に得られるこうした知識がありがたい。(朝山 実)

週刊朝日  2019年5月31日号


トップにもどる 書評記事一覧

続きを読む


関連記事関連記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい